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新型コロナヴィールス(COVID19)地球的蔓延の只中にあって

 

新型コロナヴィールスの地球的蔓延の中、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

 

本稿ではCOVID19に関して、本年7月22日、教皇庁生命アカデミーが発表したパンデミック時代における人間のコミュニティ:生命の復活についての季節外れの省察という文書を、私が設定した小見出しの観点から要約・整理したものです。

詳細は上記本文全文をご参照願いたいと同時に、以下の拙文で私が意味を取り違えておりましたら、何卒、ご容赦ください。なお、本稿大部分は同アカデミー理事であられ、富山大学学術研究部社会科学系教授の秋葉悦子先生の日本語訳文をコピー & ペイストさせていただきました。

 

A. この度の新型コロナヴィールス感染から体験・学んだこと:

⒈   死が万人に訪れるように、コロナ禍も年齢、社会的地位、あるいは健康状態の区別なく、誰にでも感染しうる。しかし、その治療の機会と質は貧富の差が大きく反映する。 

2.  この不測の出来事の共通経験を共有することで、我々は多方面でつながっている我々自身を発見 した。

3.  パンデミックは、人けのない街路とゴーストタウンのような都市、傷ついた身近な人々、物理的距離の光景を我々にもたらし、人間味のある接触を遮断し、防護具に覆い隠   された、顔のない、あいまいな交流に変えた。それらは、孤立、絶望、怒り、虐待をもたらしうる。

4.  生涯の最終段階にある高齢者にとっては、身体的苦痛に加えて、QOL(生の質)の低下や家族や友人の訪問がなくなることで苦痛を増長させている。

5.  隔離され孤独を余儀なくされている人、臨終の挨拶も、相応の葬儀もできない家族を目の当たりにしている。

6.  病院のケアに焦点があわされたことにより、他のケアの注意をそらした結果、多くの国々において、Covid19 以外のケアを必要としている人は後回しにされ、死者と重症者   が増えた。

7.  医療・防具資材の配分の倫理的議論は、主として功利主義的考察に基づいていた。

8.  多くの国において、膨大な需要に応じるために、病院は医療資材不足の困難と、治療要員の疲労困憊に直面している。

9.  パンデミックの初期段階では、ほとんどの国は最大限の生命を救うことに焦点を合わせた。

10. 富裕な国では、人々は安全を要求する余裕がありうるが、そうではない国々においては、劣悪な環境の重圧のゆえに、そんな余裕は全くない。

11. 囚人、社会の周縁で極度の貧困を生きている人々、とりわけ発展途上国内の難民キャンプの地獄に収容中の見捨てられた人々の状態を暴露した。

12. 命の脆弱性の悲惨な事実は、命が賜もの・恵みであるという自覚を新たにさせてくれる。

13. 国際協力面で、パンデミックの対処はグローバル・レベルで、誰もがアクセスしうる、ふさわしい医療のインフラが必要であることを認識した。

14. 国際同意を締結しないで、単に隔離策や多数の様々なステークホルダーによってだけでは急な対応はできない。情報の共有、支援の提供、不足した資材の配分は、すべ   て共同作用によって対処しなければならない。

15. パンデミックは、すべての国を同時に襲わないので、他国の経験や政策から学ぶ機会を提供できたのに、グローバル・レベルでの学習は最小限にとどまった。しかも、いく   つかの国は、相互に非難しあっている。相互協力の欠如は、治療薬とワクチンの開発作業においてもみられる。  

 

B. Covid19 のパンデミックの原因・誘因:

1.  Covid19 のパンデミックは、我々人間の地球侵害と、その内在的価値の略奪と大いに関係している。増加する森林伐採は、野生動物を人の居住地の近くに追いやってい  る。動物に寄生するウィルスは人に移り、動物原生感染症の現実を悪化させる。また、先進工業国における肉食の過度の需要は、畜産や市場開発の巨大産業を複合体化し  ている。これらの相互作用が、国際的な輸出入、人の集団移動、ビジネス・トラベリング、ツーリズム等を通して、最終的にウイルス拡散の誘因となりえた。 

2.   Covid19の現象は、単なる自然の出来事ではなく、放縦で過度の大食消費、ライフスタイルの放埒がもたらしたのである。 

 

C. 反省すべきこと:

1.  我々はすべてを与えられているが、それらは絶対的行使権ではなく、倫理に適った管理権である。

2.  莫大な出費をしている無意味な軍備競争を中止し、人類を悩ましている地球温暖化対策やコロナ禍克服のために出費すべきである。 

3.  こういう路線に転換するためには国家のエゴイズムを脱却し、国際的な協力と連帯、そして誰もが参加できるような体制を築く必要がある。 

4.  協力の努力を通してのみ人類はそれを克服しうるという共有した自覚を持つべきである。

 

D. 改善に向けて:

1.  我々は有限性の認識、そして近くの隣人と遠くの人との相互作用を築くための可能性を学ぶべきである。

2.  Covid19 はだれにでも襲う可能性があるが、それは、高齢者や基礎的疾患や免疫システム に損傷のあるような人に特に危険なことを認識した上で、すべての人に平等    公平な政策をとるように配慮すべきである。この場合、経済活動するにあたって、多くの人の犠牲が必要となる。裕福な国においては、これらの犠牲には補償が可能かもし   れないが、大多数の国においてはそのような補償は不可能である。  

 

E. 国際的な協力に向けて:

1.  境界を越えた科学プロジェクトは、国際機関の強化のため、政策においても明確に表明されるべきである。パンデミ ックはすでに存在する不平等と不正義を増長しており、   Covid19 に適切に対処する資材や手段を与えられていない多くの国は援助を受けるために国際的なコミュニティに依存せざるを得ないので、国際機関の強化は特に重要で   ある。連帯は、国際協力におけるどの分野にも広がり、その中心的な場はWHOである。

 

F. 新たなビジョンへ=生命の復活と回心への招き:倫理的観点

1.  脆弱性、有限性、そして傷つきやすさの教訓は、新たなビジョンを持つよう我々を導く。つまり、知性の発揮と、道徳的回心の勇気を促進してくれる。教訓を習得するために  は、謙遜にならなければならない。

2.  Covid19 は、グローバルなリスクの、単に自然的な結果とみなされるかもしれないが、このパンデミックは、多次元的な倫理的挑戦をも我々に強いる。国家間の経済的、社  会的、政治的不平等を考慮せずに、パンデミックの自然的起源のみに焦点を合わせるだけでは、その拡散を早め、対処を難しくしている。

3.  パンデミックは我々全員を、抑圧的で不正義なグローバルなコミュニティの構造的次元(宗教的意識が「罪の構造」と定義するもの)に取り組み、新たな形態に造り変えるこ  とを促す。

4. 我々が故意に見逃がしてきたものをこの際、取り込むことによって、我々の道徳的想像力のすそ野を広げることができる。それは限られた少数者のみに限定されてはならな  い。ワクチンの配分は、それが将来実用可能になった時の象徴的なケースである。ワクチンの公正な供給は、誰も排除せず、全員が公平に恩恵に浴させなければならない。  それには自国の利益という視野の狭さからの脱脚が必要である。 

5. 富裕な者も貧しい者もだれもがウイルスに感染する可能性がある。後者が最も高い対価を払わされ、恩恵にあずかることを後回しにされることがないように。

6. 連帯とは、それを必要としている他者への責任を伴う。それは同情という単なる情緒的反応ではなく、人間が持つ生来的な価値を合理的に憂慮することを前提とした倫理的  配慮を払うことであり、他者への尊厳に対する唯一のふさわしい対応である。連帯は、富裕な国々が、貧しい人の生き残りと地球全体の持続可能性のために必要な対価を無  償で提供する覚悟なしには達成されない。

7.  Covid19 の場合には、防護具、検査キット、人工呼吸器、ICUケアは、その一例である。第二に、決定的な説明は、「リスクにおける連帯」のコンセプトに関わる。それは、単に法律の文言への従属においてではなく、倫理的繊細さに基づく識別を通してのみ実行可能なタスクである。責任あるコミュニティは、全員の幸福を展望するビジョ ンによって共有されるコミュニティである。

8.  人間の相互信頼のみが、危機の最中、我々を導くだろう。信頼に基づいてのみ、人間のコミュニティは、最終的に繁栄することができる。 

以上です


<以下、参考サイトです>


生命アカデミー:パンデミック下に必要な倫理・協力・連帯
https://www.vaticannews.va/ja/vatican-city/news/2020-07/pontificia-accademia-per-la-vita-humana-communitas.html


教皇庁生命アカデミー パンデミック時代における人間のコミュニティ: 生命の復活についての季節外れの省察 (日本語全文)Vatican City, July 22, 2020
http://www.academyforlife.va/content/dam/pav/documenti%20pdf/2020/Nota%20Covid19%2022%20luglio/testo%20pdf/Humana%20Communitas%20in%20Age%20of%20Pandemic%2C%20Japanese%20translation.pdf

HUMANA COMMUNITAS IN THE AGE OF PANDEMIC:UNTIMELY MEDITATIONS ON LIFE’S REBIRTHHUMANA COMMUNITAS IN THE AGE OF PANDEMIC:UNTIMELY MEDITATIONS ON LIFE’S REBIRTH (上記の英文)
http://www.academyforlife.va/content/dam/pav/documenti%20pdf/2020/Nota%20Covid19%2022%20luglio/testo%20pdf/HUMANA%20COMMUNITAS%20IN%20THE%20AGE%20OF%20PANDEMIC%20def%20ENG.pdf


教皇庁生命アカデミー: グローバル・パンデミックと普遍的同胞愛 ― Covid-19 緊急事態に関する覚え書き―(日本語全文)
Pontifical Academy for Life Global Pandemic and Universal Brotherhood ― Note on the Covin-19 emergency ―  (2020. 3. 30)
http://www.academyforlife.va/content/dam/pav/documenti%20pdf/2020/Nota%20Covid19/PAV%20re%20Covid%20(Japanese%20trans)(20.4).pdf


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