2002.03.01 開設
2023.05.27 更新

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 小学生の頃,静岡駅を通過する青大将「つばめ,はと」を飽かずにに見送った.EF58の独特のジョイント音に魅せられた.これが私の鉄ちゃん人生の原点.

  1964年8月,東海道新幹線の開業に伴い廃止になる151系特急の写真を撮りに行った.これが撮り鉄の始まりだった.

 高校の頃は,休日に天気が良いと,母に握り飯を作って貰い,御殿場線のD52を撮りに行った.


 1969年,遠出が可能な大学生になり,呉線にC59とC62を撮りに行った.以来,1971年5月4日,長万部駅を発車していくC62重連を見送るまでの約2年間,SLを追い続けた.もう五十年も前のことだ.

 1970年頃,学割の北海道均一周遊券は:有効期限16日,7600円(10/1〜5/31の期間は2割引で6080円),道南均一周遊件は:有効期限8日,5800円(10/1〜5/31の期間は2割引で4640円),九州均一周遊券は:有効期限16日,6600円だった.
 周遊券と撮影用のフィルム・TRI-Xを買うと,所持金は残り少なくなった.周遊券の有効期限一杯まで撮影地に滞在するために,食費と宿泊費を節約した.

 当時,最も安い宿泊施設はYHで,一泊二食付き500円だった.その500円を節約するために,毎日のように夜行列車に乗った.特に九州では,撮影地が離れていたために,北九州(筑豊本線)と南九州(肥薩線),西九州(長崎本線)を結ぶ夜行列車に乗っていた.寝ている間に撮影地を移動できるから,効率が良い.
 その中でも,門司港22:38発,長崎・佐世保行き1421レ,門司港23:30発,都城行き1121レは,定番中の定番であった.
特に,1121レは,鹿児島本線,肥薩線,吉都線を経由して都城まで行く.大畑には,翌朝8:03に着いた.


 食費を節約するために,パン屋でサンドイッチの切り落としの「パンの耳」を買った.20円くらいで,両手に一杯あった.時々,ハムの切れっ端が入っていた.釧網本線では,この「パンの耳」を白鳥に随分盗られた.ポケットに手を入れていると,嘴でつついてくる.「これが野生の鳥か!」と思うほど人間を恐れなかった.


 呉線や九州に撮影に行く時は,静岡の実家に寄った.父が「これで旨いものでも食え」と言って,一万円札をくれた.使わずに大事に持っていて,帰りに土産を買うのが常だった.
 父が喜んだもの:日田で買った「鮎うるか」,長崎で買った「からすみ」,下関で買った「塩うに」,若狭で買った「小鯛の笹漬け」.
 母が喜んだもの:鹿児島で買った「かるかん」,長崎で買った「福砂屋のカステラ」,岡山で買った「鯛の浜焼き」.


 50年の歳月を経て,今,机の上にはNゲージのC62重連がある.
六十有余年の「鉄ちゃん人生」を綴りました.




 2008年,「高専教員と研究」と題した随想を書き,職場で作ったHPに載せた.当時の自分の気持ちを素直に書いただけだったが,多くの人に読まれたようだ.この原稿がきっかけとなり,2016年8月,岡山大学で開催された高専フォーラムで「高専教員と研究」と題し講演する機会を頂いた.聴衆には高専の校長や国立高専機構の理事が居た.後で知ったことだが,国立高専機構と大学評価・学位授与機構では必読の書だそうだ.

高専教員と研究