留学体験記(準備編)
はじめに
準備って?
出願のプロセス
はじめに
- はじめに
- 私は現在コロンビア大学の大学院に企業派遣生として(社員の身分のまま)留学中です。
私自身、以前は海外に留学するなどとは夢にも思っていませんでしたので、予備知識など全くありませんでした。留学を実現するためには、さまざまなステップをクリアする必要がありますが、何分情報が無いと不安なものです。
ここでは私の経験を基に、特に米国の工学系大学院への進学を目指す方へ少しでも参考になれば・・という観点で書きます。
hitしないところも多々あると思いますが、96−97の情報ですので、新しいということでご容赦下さい。:-)
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準備って?
- とにかく情報収集
- まずは軽く留学本でも読んで、自分自身の留学気分を盛り上げ
ましょう。ひととおりの情報を気軽に読むには、地球の歩き方の「成功する留学」シリーズが最適かと思います。不要な情報も多いかも知れませんが、留学に関してあまり知識の無い方はまず一読することをお奨めします。
- 専攻を決める
- 多くの方はすでに希望する専攻分野をお持ちかと思いますが、米国の大学院には驚くほど多くの専攻がありますので、ETSの出版しているGratuateSchoolガイド(紀ノ国屋等の大きな書店で入手可)等で、確認した方がいいでしょう。この本は赤坂見附の日米教育委員会や、駒場東大前の日本国際教育委員会(03−5454−5216)でも閲覧可能です。
- 志望校を"ラフに"決める
- 専攻を決めた後に志望校について軽く考えておいた方がいいでしょう。志望校の決め方にはいくつかのパターンがあると思いますが、良く留学本に書いてあるとおり、概ね以下の要素を考慮すればいいのではないでしょうか。
−−地域重視−−
東海岸、五大湖、中西部、南部、西海岸など。気候や留学生、アジア系学生比率にも大きく影響します。日本に住んでいるとちょっと想像がつかないですが、地域によっては夏の暑さ/冬の寒さがハンパでないです。または都会、田舎なども重要でしょう。私の場合はマンハッタンに住んでいますので、クルマもいらない気楽な生活ですが、その他の地域だとクルマは必需品ですし、生活の立ち上げにかかる費用もかさみます。
ちなみに私の場合は家族(妻)がいますので、退屈しないように都会の学校を選んで出願しました。
−−ランキング重視−−
米国の大学は日本以上にランク意識が強く、様々なランキングが発表されています。USNEWSのランキングは、Webでも提供されているので、是非活用してみて下さい。(この前98年版が発表されたようです。)
いわゆる有名どころとしては、東海岸のアイビーリーグ各校(8校?)、MIT、スタンフォード、ノースウェスタン、UCバークレー、UCLA、Uofミシガン、Uofイリノイ等が挙げられると思います。(専攻によってもかなり異なりますので、一概には言えませんが。)
米国には国立大学が無く、かわりに各州に州立大学がありますが、この州立大学には、Uof・・・と・・・StateUの2種類がある場合があります。このような場合は(例外もありますが)、一般にUof・・・の方がレベルが高い場合が多いようです。
ただし州立大学は州内の住民を優先的に入学させるので、一般的に留学生には少し敷居が高いかも知れません。
#Uof(州名、都市名)でも私立のところがありますので・・念のため。
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出願のプロセス
- プロセスを書く前に
- ここでは私の実際の出願プロセスを書いていきます。私自身非常に準備が遅かったことを反省していますので、これはあくまでデッドエンドだと考えて下さい。早く動いた方がいいに決まってます。はい。
- 96年3月〜4月
- Toeflの予備校に通いました。私は渋谷にある「プリンストンレビュー」という学校に通っていましたが、周囲では「イフ」に行ってる人の方が多かったように思います。
多くの工学系大学院ではToeflの要求点数は550点(一部の大学は570〜600点を要求します)なので、英語が得意な方には問題無いと思うのですが、私は点数が悪かったので予備校に行ったのです。
今にして思えば、英語の勉強は参考書を使えば(忍耐さえあれば)独習でも十分OKだと思うのですが、私はそれでも予備校に通うのはそれなりに価値があると思います。
なぜならToeflのスコアメイクにはコツがある(英語力<テクニック)からです。予備校ではこのテクニックを中心に実践力を養うことができます。また他の留学希望者との情報交換にも有効です。
- 5月〜7月
- ひたすらToeflを受験しました。この頃は未だGREについては一切勉強していませんでした。
何度受けても同じ点しか取れなくて苦しみました。:-<
- 8月
- Toefl受験の傍ら、願書の請求を開始。出願校については(おそらく)最終的には10校前後にする予定でしたが、この時点ではかなり幅を広げて40校くらいに出しました。
出願の最終段階になって、もしも立て続けに不合格通知を受け取ってしまったら、当初予定もしていなかった大学に出願することも有り得ます。そのためこの時点ではかなり広めに請求することをオススメします。
私の場合は希望する専攻がIndustrialEngineering(IE)だったので、とりあえずMasterでIEをオファーしている大学をETSの本で片っ端から調べて、普通郵便で「願書を送って下さい」というレターを郵送しました。(スピードや確実性を考慮するとEMSや書留になるのでしょうが、私は願書請求時には数が多くて費用がかさむので普通郵便にしました。結果的には不達等の事故は無かったようです。)
レターには、日米教育委員会で入手できるJPAAというフォームを使用するのが確実です。私はJPAAに自分の学部時代の成績証明書(もちろん英文)を同封しました。
大学によってはInternetで直接請求可能なところもあります。(MITなどがそうでした)この場合はタダで、しかも最も早く願書を手に入れることができます。今後はこのような大学が増えるでしょう。
実際コロンビア大学でも願書類の要求はWebでできるようです。
- 9月
- 要求しておいた願書が徐々に届き始めました。
ここで書類にじっくり目を通して"出願のために何が必要なのか?"を確認します。普段英語の書類を読んだことがないので非常に時間がかかりますが、この確認作業を怠ると、後で厄介なことになります。
また大学によってはすぐには願書を送ってこないで、「お金を送ったら願書を送る」というハガキを送ってくるところがあります。セコイですね。UCバークレーや、Uofテキサス(オースチン)なんかがこのパターンでした。
またまれに、「学生数が少なくなってきたので、この専攻は来年は提供されない。申し訳ない。」なんてのもありました。
大学によっても異なりますが、必要書類は概ね以下のものでしょう:
願書(ApplicationForm)、エッセイ(IEの場合はたいてい1問のみ)、推薦状(2〜3通)、財政証明書、成績証明書、ToeflとGREのスコアレポート(これは自分で送るのではなく、ETSからの直送)、履歴書。
ここでいう「エッセイ」とは日本語でいうと小論文にあたります。
我々日本人はエッセイというと「随筆」っていうかんじのエモーショナルなものを想像しますが、そういうものではありません。テーマはたいてい大学から指定されていて、「なぜ大学院への進学を希望するのか?」、「卒業後(3年後とか5年後)の職業上の希望は?」などが多いようです。
- 10月
- GRE受験のため予備校(Toeflの時と同じ予備校)に通いました。
GREにはGeneralTestとSubjectTestがありますが、私の場合はGeneralのみ必要でしたのでそれほど大変ではありませんでした。(IE専攻の場合、私の調べた範囲ではSubjectTestを要求するところはありませんでした。ComputerScienceを専攻する場合などは要求する大学があります。)
予備校に関していうと、今思えばGREについては行く必要はなかったと思います。ETSのいわゆるBigBookを独習すれば十分かと思います。
#結局私はGREは10月、12月の2回受験しました。
- 11月〜12月
- エッセイ、推薦状の準備を開始しました。
推薦状については2通を要求する学校がほとんどでしたので、大学時代の卒論の指導教授と職場の上司にお願いしました。(3通の場合は別の上司に頼みました。)
英文の推薦状を自分で作っていただける場合は問題ないのですが、実際は自分で作成してサインのみいただく場合が多いと思います。
私の場合も自分でアルクの「エッセイと推薦状」を参考に、自分で作成し、ネイティブにチェックしてもらい、サインだけお願いしました。
エッセイについても同じようにつくりました。
何かの本で読みましたが、GPA(学部時代の成績)、エッセイ、推薦状が合否判定に与える影響は非常に大きいらしいので、気合いを入れてとりかかりましょう。
- 97年1月〜2月
- いよいよ出願書類の準備にとりかかりました。
実は一番〆切の早かったコーネル大は2/1だったので、私の出願時期(結局EMSで送付したのは2月中旬)ではNGだったのですが、一応出願しました。(結果的には第一希望学科ではないものの、合格をいただけたので、〆切は過ぎていてもOKだったみたいです。)
たいていの学校は3/1〜4/1くらいが〆切のようです。ですから私のスケジュールより1.5ヶ月くらい先行すれば万全かと思います。(但し奨学金の受給を希望する場合の〆切はもっと早くなります。ただしInternationalの学生が1年目から奨学金を受けるのは非常に難しく、あまりアテにしない方がいいでしょう。まずは1年目をいい成績で修了して、2年目に申請するのが通常です。)
一口に出願書類といっても、各校で書式はバラバラだし、慣れないタイプライターを使うので、非常に時間がかかります。(タイプで打つことを指定する学校は少ないですが、絶対にタイプした方がいいです。単に見栄えの問題ですが、今時手書きは印象悪いですからね。私は20年くらい前に兄が買ったタイプを実家から送ってもらって使いました。)
仕事の傍らに願書作成・・という方は、かなりの時間を見ておいた方がいいと思います。
結局私は以下の10校に出願しました。
Cornell University
Columbia University
Northwestern University
Lehigh University
Polytechnic University (NY)
University of Massachusetts (Amherst)
University of Pittsburgh
Pennsylvania State University
SUNY at Buffalo
University of Southern California (USC)
- 3月〜4月
- 合格通知(もちろん不合格通知も)が届きはじめます。
注意が必要なのは、(後ほどFビザの申請のために必要な)I−20という書類が合格通知と一緒に送られてくる場合(これはgoodな場合です)と、"ほんとにウチに入学しますか?"というのを尋ねる書類が入っていて、これを返送して、その後改めてI−20が送られてくる場合の2通りがあることです。
合格通知を受け取ったのがギリギリだと、ビザ申請のスケジュールが非常にタイトになります。(I−20などの必要書類が整った後に申請し、3週間程度かかります。)なんといってもビザが下りないと出国できないわけですから、気をつけましょう。(私の場合、最初に交付されたビザが間違っていたこともあり、ちゃんとしたビザがおりたのは、出国の3日前という危うさでした。)
その他私が入学したコロンビアの場合だと、「健康診断書」の提出を求められました。学校から決まった書式を指定してくる場合が多いので、それを医者にもっていって、サインしてもらいます。
これで準備OKです。ふぅ。
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