水平線に艦影が現われ、所属を確認
「あれはイスラムのアリー提督の艦隊ですぜ」
副官フランシスコが捜し求めていた獲物の登場を無表情に告げる
風上に回りこみ、ついに補足した目標に、
攻撃の指示を下そうとしたまさにその時
副官フランシスコの声が無表情に響いた
「提督、暴風雨です。舵がききやせんぜ」
・・・嘘・・・
嵐が治まったあとには、むろん艦隊の影も形もなし
拉致された王女を救出せよとの勅命を受けてより、
はや3年の月日が流れていた・・・