イチロー提督の小航海日誌

1510年 某月某日 ギニア湾海上某所にて

水平線に艦影が現われ、所属を確認

「あれはイスラムのアリー提督の艦隊ですぜ」

副官フランシスコが捜し求めていた獲物の登場を無表情に告げる

風上に回りこみ、ついに補足した目標に、

攻撃の指示を下そうとしたまさにその時

副官フランシスコの声が無表情に響いた

「提督、暴風雨です。舵がききやせんぜ」

・・・嘘・・・

嵐が治まったあとには、むろん艦隊の影も形もなし

拉致された王女を救出せよとの勅命を受けてより、

はや3年の月日が流れていた・・・


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