私の村にはダイノコショウノコという行事がある。

地区の子供達が削り花を持って、前の年にお嫁さんが来た家を回わる。
「だいのこしょうのこ、おっかさんのお尻をお祝い申す」と囃しながら、
お嫁さんの尻を削り花で叩いてお祝いする。
お嫁さんが恥ずかしがって、あるいは痛いからと言って出てこないと
その家の柱や上がり框等、手あたり次第に飾り花で叩いて回った。

子供の頃、変な行事だなと思っていた。
調べてみるとお嫁さんを歓迎し赤ちゃんが授かるようにと祝う行事は各地にあるようだ。

先日、毎日新聞に次のような記事があった。

みやびやかな平安時代の王朝にも…

 みやびやかな平安時代の王朝にも「みな乱れてかしこまりなし」という日があった。「枕草子」が描く正月15日は、女房らがお粥(かゆ)を炊く薪を削った杖(つえ)で姫君やお互いのお尻をすきあらばたたく遊びに興じた。時には男の人もたたかれるという大騒ぎである▲この日は「望粥(もちがゆ)」というお粥を食べる習わしだったが、そのための粥杖でお尻を打つと子が授かるとの俗信があったそうだ。やがて正月15日前後は「小正月」として農村で豊作を祈るさまざまな行事が行われるが、果樹を粥杖でたたく「成木責(なりきぜ)め」もそんな風習の流れをくむものだ


ダイノコショウノコもそのあたりにルーツがあるのだろうか。

私の子供の頃は上級生と下級生が一緒に行動していたので行事を自然に覚えた。
今は、過疎化と高齢化で新しいお嫁さんと子供が少ないため、
ダイノコショウノコをやる機会が非常に少なく、子供から子供へ伝わらなくなってしまった。
親が教えて子供と一緒に回わる。


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