高柳女史インタビュー

1998/12/05 23:25〜25:08 IRCにて収録


---------- それでは高柳さんのインタビューを始めたいと思います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

---------- 最初にプロフィールの方から頂けるでしょうか?

大手電気系会社員、女、歳は秘密(笑)、こんなもんですか?

---------- 結構です(^^; それではまず、ご自身の主宰しておられたエヴァ系HPのお話からお願いできますか?

ウチは「エヴァンゲリオンオカルト用語講座」というのをやってました。しかしエヴァ自体はHPのメインではなく、単なる1コーナーで扱ってました。というのも当時もういろんなまともなページがあったので、自分のメモ帳代わりとガジェット解きでも、と思ったわけです。はい。

---------- エヴァのコーナーを作られたのは、いつ頃だったんでしょう?

定かではありませんが、本放送していた年の10月じゃなかったでしょうか。こちら(名古屋)に配属になって、スグのはずですので(笑)

---------- エヴァを扱ったHPとしては最初期ですね。

ごめんなさい、コーナー自体は12月以降かもしれません。ただし、まだMosaicが会社で生き残っていた時代ですから、最初期に近いことは確かだと思います。西村さんとことかのエヴァリンク巡回できましたからね。(笑)

---------- 題材として用語講座を選ばれたのは、やはりそういったバックボーンがあったからですよね。

バックボーンというほどのものはないです。そういう系統の本を読んでるぐらいと、「錬金術師」(笑)の名前で掲示板でかいてみたりしたぐらい。 でもまあ、カントクがオカルト系のどの手の本を読んでるかはだいたい想像がつきました(笑)

---------- それで「ネタばらし」やってやろうと(^^;

うーん、ネタばらしというか、「ばらす」意図はあまりなかったです。あのアニメ自体もともと過去のオマージュで構成されている、いい言い方をすれば「わかる人には2度おいしい」ものじゃないですか。悪い言い方をすれば構成とか、カメラアングルとか、そんなところまでパクってる。いままではタブーとされていたことを堂々とやった作品だった。その中で、新しい題材(とみえたもの)がオカルト系のガジェットだったので、とりあえずオレがつっこめるとしたらそのヘンかな、と。アニメ系特撮系は大家がたくさんいますから、わたくしごときが何かを解説するなんて恐くてできませんです(笑)

---------- オカルトってアニメ、マンガ、小説なんかの題材に良く使われますけど、現代の我々の社会でオカルトって何なんでしょうね?

さぁ?よく分からないもの、心霊的なもの、という感じでしょうかね? いづれにしろ、現代に一般に流布している「オカルト」なるものは、私の捉えているものとは違うようです。

---------- その辺りの話を少し頂けますか?

私の考える「オカルト」が何か、というハナシでいいんですか?(笑) なんとかアニメやマンガにからめられたらそのほうが面白いですが

---------- いやもう、今日は高柳さんが主役ですから、おまかせで(^^;

おまかせですか(爆) じゃまあ、簡潔に行きましょう(笑) さきほど心霊的なものといいましたが、実は私は心霊写真とかその手のものにはあまり興味がないんです。そういうこと自体がある(かもしれない)ことを否定するわけでもありません。←わたし、霊とか感じない人なので(^^; だからオカルトという言葉自体には抵抗があります。
オカルトが面白いのは、それが純然たる学問として成り立つところです。オカルティストと呼ばれた人たちが、何をしようとしていたかというと、どんなルールでこの世の中が成り立っているか知ろうとしていた、ということに尽きる。世界のルールが解き明かされれば、「賢者の石」だろうが錬金だろうが可能というその理屈です。その理屈で自分で世界をつくっちゃう、それが面白い。
体系があるものって美しいじゃないですか。オカルトにもそういう美しさがある。
今、日本の世間で「オカルト」と呼ばれているものの大半は、黄金の暁(G・D)の残したものがほとんどなんですが、GDがこれだけ流行る(^^;理由は、そういった体系を特に目に見えてわかりやすく残したからじゃないかと思います。
いろんな形で彼ら流の世界の解釈が作られて公開されちゃったので、クリエイターと呼ばれる部類の人やその卵はまちがいなくそういう構築された世界を面白く感じるだろうし、ガジェット的にも全体的な統一が取れてるので、あんまり考えることなく丸々転用して持ってきやすい、っていう感じなんではないでしょうか。

---------- ただ、社会的な認知の面でいうと、GDの思想より、クロウリー個人のマイナスイメージが大きいですよね。

まああの人の山師的なところは否定できませんね(笑) 私としてはマイナスイメージより彼(ら)の作り上げたものを解題する方が面白かったということかもしれません。作ったもの自体は作者の社会的行動とはあまり関係ないですから。

---------- エヴァ以前にもオカルトネタで何かやるって事はあったんですか?

いえ、ないです。HP自体もあの年に始めたもので。

---------- 同人活動なんかの方で何かなさってたとかいう事は?

同人、というより私はファンジン時代の人間です(爆) とりあえず同人でオカルト系のことを、ということもありません。

---------- そのファンジン時代には、どのような分野を?

公開できるのは(笑)、大学時代にSF研に所属していたので、SF関係です。

---------- 大学のSF研とかって、やっぱり創作とかが主目的なんでしょうか?

いえ、ウチは評論主体です。中には創作をなさる人もいて作家になった人もいますが。

---------- 絶対読んどけこの1冊ってありますか?

それはSFでですか? もしそうだとしたら、どんな意味で「読んどけ」という本がいいですか?

---------- 例えば、ハヤカワだったら、これ読んでない奴は死ねとか(^^;

いやぁ、死ねとまではいいませんよ(^^; ただ、SFつーてもなかの細かいジャンル分けがあるのでどうですかねェ…… その辺はうちの出したハヤカワBest100をお読みいただけるといいのではないかと(笑) アレ?「ハヤカワBest100」まだあったっけかな? ないかも(^^;

---------- 最近の若い世代って、富士見ファンタジアとか角川スニーカーとかしか読んでない気がするんですが、その辺どうお考えですか?

「年寄りから一言言わせてもらうわよ!」(笑) アレをSFと豪語するんなら、まずハヤカワ青背と創元を読みなさい! ソノラマを読んでいてくれればまだ……ってカンジですか(笑)

---------- ソノラマの弱体化が如何ともし難い気がしますね。

エエ如何ともし難いです…… 知り合いでソノラマでデビューされた方も複数いるので、なんとかしてほしいですね。

---------- SFを読む立場から、これからSFで書いてみようと思ってる人なんかにメッセージなどありましたら。

論理性の認められない文章と論理展開が破綻している文章は止めて…… あとガジェットの科学考証、あまり突飛なのはよくないと思うの…… Fはファンタシィじゃないんだよ。以上(笑)

---------- 高柳さんはInet上でかなり手広く(^^;活動しておられる印象があるのですが、エヴァ以外で公開できる活動ってありますか?

今現在、主にやっているのはあるSFマンガのガジェットを解題したHPです。またかい、ってカンジですね(笑) 昔のエヴァ系のHPはその中の奥底に個人ルームの過去ページとしてリンクがはってあります。あと、エヴァネタのあったHPのメインであった紅茶屋さんのページはジオシティに移しました。そんな感じでしょうか。

---------- それでは最後になりますが、高柳さんにとってエヴァってなんだったんでしょう?

エヴァ自体は私に新しいものをもたらさなかった。ただし、エヴァを共通の話題としている場に参戦することで、いろいろ勉強させてもらいました。特にInetでは自分で何か情報を発信することで面白いこといっぱいありました。偶然の要素も大きかったですけどね。←箱根オフとか(笑) この経験は、今のHPにばっちり反映されてます。ハイ(笑)

---------- 本日は長時間にわたりありがとうございました。お身体に気を付けて、これからも活躍して下さい。

こちらこそ長い間お疲れ様でした。それではまた年末に(笑)


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