鈴木慎一氏インタビュー

1998/11/20 00:06〜01:52 IRCにて収録


---------- それでは、鈴木さんのインタビューをはじめたいと思います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

---------- 最初に、プロフィールの方頂けますか?

えっと、名前は鈴木慎一。ハンドルとしてssuzukiとか、オリジナルの方としては真冬真というPNを使ってます。取り敢えず現在名古屋大学博士課程2年で、専攻は物理。でもやってるのは生理学というわけの判らない状況です。

---------- 今回の収録作品の方は……

ええ、「リィ、ナ、クルィネ」って奴なんですが、多分今回の収録の中でも一番の後発だと思います。書いたのは修士の時で、最後の方は修士論文と同時進行でした。(笑)

---------- どのような経緯で書かれたものなんでしょう?

書き始めたのはネット上でエヴァ小説が色々出てきた時期で、個人的に「こんなに色んな設定ばらまきがあるんならこういう自分好みの話が書けるのに!」とじりじりしながら見てて、一向にそういうのが出ないんで自分で書いたのがきっかけです。

---------- 「自分好み」という話が出ましたが、コンセプトとしてはどの辺りになるんでしょう?

当時、エヴァ関連で知り合った方と、メールで最終話に対する議論をしてまして、「つまりあの最終話ってのはこういうことじゃないか」っていう話が、世間の世評とずれてて、「だったらもう少しわかりやすく書いてやろう」というのに、自分の好みが思いっきりぶち込まれたというのが正しいです。その他には当時数理生物とかにこり始めてたんで、そういう影響とか、映画の影響とか、色々ですね。

---------- 本放送が終わってから書かれるまでの間がそこそこ開いてるような気がするのですが、実際、どの程度の期間があいていますか?

書き始めたのが8月の末なので、およそ半年経ってから書き始めたことになりますね。

---------- そんなに空いてるわけでもないんですね(^^; 失礼しました。

---------- 書かれてから以降の活動に付いて聞かせて頂けますか?

書き始めてから、この企画の首謀者のAWの林さんからメール貰って、エヴァ小説短編集とか、オリジナルとかに関わらせていただいて、同人活動に多少なりとも手を染めたということになるんですが。個人的には、エヴァ関連で広がった人間関係とかが結構意外でしたね。

---------- 意外というと、例えばどのような事がありましたか?

そもそもインターネットにどっぷりはまり込んだのがエヴァがきっかけだったんですよ。本放送中、周りにエヴァの話をする人間がいなかったもので、メーリングリストに入ったのが運の尽き。その後もう泥沼に。(笑)

---------- エヴァ以降の活動は、今回の参加メンバーとほぼ一緒にされてるわけですね?

ええと、同人活動に関してはそうですね。それ意外のオンラインの交友関係も、半分がたエヴァ関連で知り合った方々です。

---------- エヴァ以前の活動についてお聞かせ願えますか?

地味ですよ。物を書いた一番最初は、小学校の学芸会の演劇のシナリオです。それ以降、細々と書いて、高校では文芸部に入ってたんですが、大学に入ってからは完全に休止状態でしたね。

---------- 例えば高校時代はどのようなものを書いてらしたんでしょう?

ショートショートっぽい話とか、おたくっぽいジュブナイルな話とか。後者はあまり思い出したくないんですが。(笑)

---------- それがエヴァで再発したというわけですね(^^;

そうですね。でも元々、本当はパロディは書きたくなかったんですよ。

---------- エヴァもの以外で何か書きたいプロットがあったわけですか?

それもなにしもあらずなんですが、パロディに対しては、あまり良い印象は持ってなかったというのが大きいです。

---------- やはり「文芸たるもの創作でなければ」ってやつですか? 実際やってみてどうでしたか?

う〜ん。半分想像通り、半分は想像してなかった、ってカンジですね。

---------- もう少し詳しくお話願えますか?

結局、何書いても作者の手のひらの上で踊らされてるだけって部分があるんです。一応、それを承知で書いてたつもりだったんですけど、書き終わってから映画見たらもう悔しくて。(笑) でも、なんにせよ書き尽くした達成感というのも同時にありましたね。出来たものに対して満足か否かは別にして。

---------- エヴァ以降書かれた作品についてお話願えますか?

オリジナル同人誌の方で、殺人鬼の話と、西部劇を書きました。なんかめちゃくちゃな傾向ですけど。(笑) ネット上でもオリジナルを展開してるんですけど、長いこと休止中です。出来れば来年夏、オリジナルで一本中編以上を書きたいんですが…

---------- 作品中で人が死なないと満足できないとか(^^;

そういうわけではないんですんが。(^^; 純愛物とかも毛色を変えてやってもいいんですが、今のところ漫画家の伊藤明弘氏の影響とかもあって、そういうドンパチものに偏りがちですね。

---------- じゃあ、次回作もドンパチやって人が死ぬと(爆) 我々の年代の場合、人間形成の重要な時期に富野作品見てるのがトラウマになってるのってないですかね?

う〜ん。ないとは言えませんけど。どっちかと言うと、「人が死ぬ」という不可避だけど、我々にしてみればあまり日常ではない事態に、どう反応するか、という方が興味ありますね。

---------- それはある意味若者向けな考え方ですよね。我々より上の年代になれば、人の生き死にってリアルになってきますから。

そうですね。でも結局我々は「死ぬ」って事と、「生きる」って事に、どういう意味を持たせるか、定まってない部分があると思うんです。だからエヴァみたいな生き死に以外でウダウダやる余地があると思うんですが。(^^;

---------- 例えば、「マクロス愛おぼえていますか」で柿崎が落とされるシーンとかトラウマになってると思うんですよ、自分で。だもんで、エヴァも今の中高生にそういう影響を与えてるんだろうなあと思うんですよ。

懐かしいですねぇ。(笑) 確かに何らかの形で「死」を突きつけられて、価値観が揺らぐ時期ってのはありますね。自分も覚えがありますけど。

---------- それで、すったもんだした挙句、良くてヲタク、最悪宗教なんでしょうね(^^;

まあオタクには宗教に走るほど思い切り良くも世の中知ってないわけでもないけど、現実に完全に溶け込めもしないって部分はありますからね。

---------- 多分これ読んでる人達って私たちより若い世代が多いと思うんですが、何か警鐘(^^;とか鳴らしとく事ありますか?

う〜ん、まあとにかく生きてりゃいいこともたまにはあるぞ、と(笑)

---------- この手の質問って、みんな「たまには」って限定付きなんですよね(^^;

常日頃いいことばっかあると思われて、「嘘ついたな」と言われても困りますから。(^^;

---------- それじゃあ、がらっと話をかえて、物理屋が生理やってるって話なんですけど、力学系ですか?

いえ、神経系です。

---------- イカですか(^^;

あまり変わりなくって、カエルですけど、シナプス伝達の可塑性とか、そういうあまり役に立ちそうもないことやってます。

---------- 私の専門の1つが神経系とカオスだったりニューラルネットだったりするんですが……

近いようで離れてるんですよね。(笑)

---------- シナプスの可塑性って、今、どんな感じで論議されてるんでしょう?

最近は結構長期増強とか長期抑制とかがメインで、割とマクロな視点との接触は少ないですね。記憶、学習とかと絡めようという努力も為されてますが、どっちかというと今後の課題です。

---------- NNでは誤差逆伝播法が良く使われてますが、信号逆流して結合強度変わるなんてバカな話ないですからねえ。やっぱしその辺は今後明らかにして頂けるんですね(^^; そっちの方々で(爆)

う〜ん、出来れば。(笑) なんか話しがマニアックになりすぎという気もしますが。(^^;

---------- 私がそうした方面に進むキッカケってのが攻殻機動隊だったんですが(火暴) 鈴木さんは何かありますか?

う〜ん、実はちょっとエヴァがらみなんですが、NHKでやった特集の「脳と心」に影響された部分があります。それとサイバーパンクとかですかね。

---------- ヲタクはNHK特集見ないとだめですね(^^;

いやぁ、基本的にNHKスペシャルとNHKの海外ドラマは当たりが多いですから。(笑)

---------- 「レッドドワーフ号」とか(^^;

あれもあたりですねえ。今夜、アリーmyラブ見逃してちょっと悔しいんですが。(^^;

---------- 「レッドドワーフ号」は山寺さんも声やってるので、エヴァファン必見ですな(^^; そんな事言ったら「おはスタ」も見ないとダメですけど(爆)

山寺さんって言うと、最近では個人的にはOVAジオブリの入江がヒットでしたけどね。(^^;

---------- ああ、なんか凄い方向に行ってるんで、ぼちぼちまとめます(^^;

---------- これから何か書こうとしてる人なんかにアドバイスとかありましたら。

う〜ん、とにかく何でも読んで、何でも見ろ、と。小説書くにしても映画とかでも見るべき所は色々ありますから。

---------- それでは最後に、鈴木さんにとってエヴァとは何だったんでしょう?

ありがちですけど、「祭」ですかねぇ。なんかよくわからんおっさんがくだ巻いてたり、喧嘩してたり、異常に熱狂してたりとかしてますけど、総体としてみれば楽しいし、人によっては忘れられないものになる。祭が終わって、次の熱狂を求めてばらばらになったりしますけど、それぞれまた熱狂できるところが見つかればいいんじゃないんですかねぇ。

---------- 本日は長時間にわたり有り難うございました。これから先の執筆、研究両活動でのご活躍をお祈りしています。

出来ればさっさと論文書きたいです。(笑)


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