1991年8月9日(金)
旅行の準備で、昨夜から眠っていない。寝不足状態のまま、西武線で高田馬場、山の手線で日暮里、京成スカイライナーで成田空港に向かう。
今回の目的地はスペインであるが、ここに決めたのには理由がある。元々、友人と旅行計画を話していて、「スペインに行きたいね」と話してはいたのだが、
結局行くことは無く時間だけが経過してしまった。
私が最初に海外に行ったのは、まだ大阪に住んでいた頃で、ツアーでヨーロッパへ行った。その時の添乗員さんが良い人で、「個人旅行も面白よ、
地球の歩き方を参考にしたら」等ツアーの添乗員らしくない話をしてくれた。旅が好きで好きで堪らない人であった。
何ヶ月か前の新聞で、この方がツアー中のバス事故で亡くなられたことを知った。乗客は無事だったらしい。忘れていた思い出が蘇る。その記事がきっかけで、
なんとなく、スペインに行きたいと思ってしまった。
行き先を決めるのは、ちょっとした興味と思いつきである。
チェックインを済ませ、ようやく機内で落ち着く。アエロフロート機は、一路モスクワをめざして、離陸する。ダイレクトにスペインに到着しないのが、
今回の旅行の難である。
行きと帰りに一泊ずつしなければならない。結局、価格の安さを選んでしまったのと、アエロフロートに乗ってみたいと言う好奇心があった為だ。
モスクワでのトランジットに時間がかかり、トランジットホテルも重々しさはあるが、機能的ではない。夕食用のカードが配布され、
それを持って食堂に向かう。かなり広い場所であり、出てきた食事は?が付く内容であった。質素というかなんと言うかやっぱりロシアという気がする。
ホテルは二人部屋で、アルジェリアに旅行する若い男性と同室であった。かなり、話が合うと言う感じがした。
砂漠が好きで、いろんな場所に行っているらしく、アルジェリアの砂漠で見た星空の美しさについて、熱く語ってくれた。
星が好きだった私にとって、羨ましい限りである。
砂漠で星が見たくなったのは、確かである。熱いシャワーを浴びて、早めに眠る。外は雷雨も止み、小雨になっている。
やはり、自分の乗る飛行機は撮っておきたくなる。
エアバスでもボーイングでもない。
ロシアの旅客機。イリューシュン?