前田の算数

算 数 コ ラ ム  
坪田耕三先生の一言
普遍を見つける目


  「教師の話は長い」とよく言われる。
 何事も一言で言うのは、なかなか難しい。
 難しいが、大切なことだと思う。



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1、 今日の授業を一言で
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研究授業をする際、授業について簡単に説明する場がある。
そんな時、
「今日の授業で大切なことは、○○です。」
と一言で言えるといいなと思う。

自分のこれまでの研究授業を振り返ってみると、

「今日の授業大切なことは○○です。
 そのために、○○という学習課題を設定し
 ○○という手立てを打ちます。」
そんなふうに、すっきりと説明できる時は、授業もすっきりとうまくいくことが多い。
子供たちから予想外の反応が出ても、ねらいが明確なのでうまく対応できるのである。

反対に、一言でうまく授業を説明できない時には、
授業もすっきりせず、子供たちを路頭に迷わせてしまうことが多い。
授業の後には「結局何がしたかったんだ」と先輩からお叱りを受けることになる。

研究授業などで教材研究をすればするほど、ついつい子どもに身につけたいことが増えてきて、焦点がぼけてしまう。
しかし、授業は1本の筋が通った、すっきりシンプルな形がいい。


時々、研究授業の前の授業に限って、盛り上がることがある。
「ここを公開すればよかった」
などと、後悔する。
なぜ、前時に限ってうまくいくのか…。

前時は、本時と違って、
細案はなく、授業の大枠だけがシンプルに頭の中にある。
それでいて、教材研究は研究授業に向けてしっかりとしてある。
そんな状態だから、子どもの意見をじっくり聞いて、
生かしていくことが出来るのではないだろうか。

本時の授業も欲張らず、
一言で説明できるような
シンプルなものにしていきたい。



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2、 各領域を一言で
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坪田耕三先生は著書や講演の中で、基本について語られている。
基本とは、学習内容に一貫して流れる柱となる考え方である。
坪田先生は、各領域を貫く基本の考え方として、次のように述べられている。

数と計算」の領域であれば、
十進位取り記数法の考え」。
そして、「分けて考えて後で足す」など、「どの計算にも共通するきまり」。

量と測定」の領域であれば、
単位を決めて、そのいくつ分かで数量化すること」。

図形」の領域であれば、
概念形成の過程を体験すること

数量関係」の領域であれば、
変化していくものの中に変化しないものを見いだすこと

こうして、すっきり一言で言えるところが、さすがだなあと思う。
基本の考え方を理解しておくと、授業が1本筋の通った、すっきりシンプルなものになる。

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3、 算数を一言で
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さて、先日、坪田先生とお話する機会を得た。
そこで、前から坪田先生に聞いてみたかった質問をしてみた。
それは、
算数で大切な基本となる考えを、一言で言うと、何ですか?
という質問である。
坪田先生は、
不変を見つける目
だと答えてくださった。

さすがは坪田先生だけあって、ずいぶんと深い言葉である。
今の自分には、この言葉の意味が、まだ半分も分かっていないと思うが、
いつの日にか、この言葉の意味を本当に理解できるように、
日々授業を頑張っていきたい。



ちなみに、私なら、
「算数で大切な基本となる考え」
を問われたとしたら、何と答えるだろうか。

それに答えるのは、なかなか難しい。
現時点での答えは「楽をしようとすること」である。
「楽をしようとする」とは、
より速く、簡単に、正確な方法を求める姿のことである。

もっと言えば、
楽をするための労を厭わないこと
だと思う。
10分で解ける問題について、もっと楽に解ける方法を20分も30分も考える。
算数って、そんな教科のような気がする。


或いは、
既習を武器に、新しいきまりを創り出していくこと
が大切なような気もする。


おや…。
1言と言いながら、2つも答えを出してしまった。

まだまだである…。

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