前田の算数
算 数 コ ラ ム すぐに役立つ発問テクニック | |||||||||
言葉に知的な遊び心を! | |||||||||
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 言葉に知的な遊び心を! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 言葉っておもしろい。 同じ内容の発問をしても、問いかける言葉が少し違うだけで、子どもの反応は大きく変わる。 発問の言葉には、知的な遊び心を工夫したい。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1、 問題理解の場において ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 問題理解の場面においては、どんな既習事項を使って何について考えていけばよいのかを、明確にすることが大切である。 しかし、ただストレートに「どんな既習事項が使えますか?」と発問していては味気ない授業になってしまう。 そこでお薦めなのが、問題を穴埋めにして提示する方法である。 例えば、「あまりのあるわり算」の学習なら、次のように問題を提示する。
そして、 と発問する。 すると、子どもたちは、 「□の中が8なら解けるよ。8÷4で1人分は2個だよ」 「12や16でも解けるよ」 と、わられる数が4の段なら解けることに、気付いていく。 こんなやりとりを楽しんだ後に 「今から先生はいじわるをするけど、解けるかな」 と言って、□の中に14を入れる。
既習を想起させながら、問題を提示することで、解決への見通しを持たせるのである。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2、 自力解決の場において ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 自力解決の場面においては、答えを求めるだけに満足せず、自分の考えを整理して表現できるようにしたい。 そこでお薦めなのが、 という補助発問である。 ペアの子ども同士で教師役と子ども役に分かれ、説明し合うと盛り上がる。 子どもたちは先生になりきって説明する中で、図を使ったり、順序立てたりと様々な工夫していく。「図で表しましょう」「@A…と順序立てて書きましょう」などと教師が言わなくてもよいのである。 さらに、 という言葉を添えると、使える既習の範囲が限定される。 本当に理解していなければ、既習を生かして説明できない。 計算の方法だけを知っている子も、計算の意味について考えざるをえなくなるのである。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3、 練り上げの場において ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1)互いの考えを理解するための発問 練り上げの場面においては、まず、互いの考えを理解し合うことが大切である。 そこで、お薦めなのが、考えた子に説明させるのではなく、考えた子ではない子に説明させる方法である。 例えば、次のような面積を求める問題なら、
と発問する。 考えた子どもが説明すると、聞いている子どもは受け身になってしまう。 考えた子どもではない子どもに説明させることで、互いの考えを理解しようという気持ちが生まれるのである。 また、このように「式を見て考えを説明させる方法」だけでなく、 「式を見て図をかかせる方法」や 「式の1行目から残りの式を考えさせる方法」など、 様々なバリエーションが工夫できる。 |
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(2)互いの考えのよさに気付かせるための発問 話し合いが、考え方の発表会で終わらないためには、互いの考え方の「共通するところ」と「違うところ」を明らかにして「よりよい方法」を検討していくことが大切である。 しかし、「一番よい方法はどれですか」と発問したのでは、何だか冷たい印象を受ける。 そもそも、どの方法にも、それぞれによさがあるのである。 面倒だけど確実にできるというよさもあれば、誰も思いつかない方法だというよさもある。 そこで、お薦めなのが、 という発問である。 例えば面積を求める方法として次のような方法が出たとする。
「Aの方法だと3つに分けるから面倒だよ」 「EやFの方法はぱっと計算できるけど、いつでもできるとは限らないよ」 などの意見が出てくるだろう。 どの方法を使いたいか、その理由を言い合う中で、それぞれの方法の相違点が明らかになり、「簡潔性」「明瞭性」「一般性」といった算数の本質に目が向いていくのである。 |
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(3)考えを深めるための発問 話し合いを、さらに深めるために、お薦めなのが、 教師がわざと間違えたことを言う方法である。 例えば、暗算の学習で、次のような方法が出てきたとする。 そうした時に、 「なるほど、分けて計算すればいいんだね」 と言い と、教師がわざと変な分け方をしてみせる。 すると、子どもたちは、 「先生の分け方じゃダメだよ」 と盛り上がる。 そして、 「僕たちのは、何十のかたまりができるように分けてるんだよ」 と、自分たちの分け方の共通点に気付いていく。 「それぞれの考えの、似ているところはどこですか?」 と尋ねられても、子どもたちは答えにくい。 しかし、教師が反例を示すことで、 子どもたちは、それぞれの方法の共通点に気付いていくのである。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 剥き出しの発問を避ける ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 有田和正氏の有名な発問に、「バスの運転手さんはどこを見て運転していますか」という発問がある。「どんな仕事をしていますか」という発問では子どもは動かないが、「どこを見て運転していますか」という発問だと子どもが活発に動き出すというのである。 算数でも同じことが言えると思う。聞きたいことを剥き出しに聞くのではなく、視点を変えて問うことで、子どもの反応が変わってくる。 教師の言葉には、知的な遊び心を加えたい。 |
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