前田の算数

算 数 以 外 の 実 践 事 例
2年生 図工 「手」
視点をかえて、かいてみよう

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 は じ め に
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手をかく。
それは、観察力がうんとつく練習方法である。
折りをみては、何度もやらせて、力を付けたい。
しかし、いつも同じパターンでは、飽きてしまう。
時には、ちょっと違った視点でかいてみるのも面白い。

ルビンの壺という有名な絵がある。
白い部分を見ると壺に見え、黒い部分を見ると顔に見える。
視点を変えるだけで、違った世界が見えてくるのが面白い。

この面白さを利用して、手をかかせてみた。
手をかく時には、手をじっくり観察してかくのが普通である。
しかし、今回はちょっと視点を変えてみた。
手を観察するのではなく、手の間にできた隙間を観察してかいてみたのである。
黒い紙の上に手を置くと、黒い隙間の部分が見えてくる。
この黒い隙間の形をじっくりと観察して、肌色の紙にかいていったのである。

いつもとは、ちょっと違った試みに、子どもたちは楽しそうに取り組んでいった。


 黒い紙に手を置く


 黒い隙間を、肌色の紙にかく







ルビンの壺

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 準 備 物
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教師:
・ルビンの壺の絵(提示用)
・黒色と肌色の色画用紙
 ※手がはみ出す大きさ(四つ切りの16等分程度)
・紙に手を置いた写真(説明用)

児童:
・パスティック(全芯色鉛筆)、はさみ、のり


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 手 順
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@ ルビンの壺を見て、視点を変える面白さを味わう。

A 黒い紙を左に、肌色の紙を右に並べる。

B 黒い紙の上に左手を置く。

C 親指と人差し指で丸を作り、
  小指が紙の角にくるように手を置く。

 ポイント:黒い隙間が5個できることを、写真を提示しながら確認する。

D 親指と人差し指でできた形を、じっくりと観察し、
  肌色の紙に黒のパスティックでかく。

 ポイント:ただの丸じゃなく、でこぼこになっていることを、右手で触りながら確認する。

E 同様に、他の隙間をかく。

F 爪やしわを、茶色のパスティックでかく。

5個の隙間ができる


隙間の形をじっくり観察


爪やしわをかいて、完成
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 お ま け
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これで一応完成なのだが、おまけにもう1つ手を付け加えた。
すると、何だか芸術作品のような仕上がりになった。

G 黒い紙を並べて貼る。

H 黒い紙にはみ出た指をかく。

I 黒い紙の空いたスペースに手の形を写し取る。

J 写し取った手の形を切り取る。

K 裏から肌色の色画用紙を貼る。

L 肌色の部分に爪やしわをかく

M 好きな方向を決めて作品票を貼る。



何だか芸術的!?



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 作 品 紹 介
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付記
・今回は2年生で実践したが、高学年で行っても面白いと思う。

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