前田の算数
前 田 の 算 数 実 践 事 例 | |||||||||||||||||
4年 図工「どんぐり君のわくわくハウス」 | |||||||||||||||||
どんぐり君の視点で、発想が広がる! | |||||||||||||||||
【研究協力者】 油谷美咲(富山大学) |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ は じ め に ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 黄ボール紙を使って、どんぐり君の家を作った。 黄ボール紙とは、水にぬらすと柔らかくなって自由に変形することができ、 乾燥させるとつくった形がそのまま維持されて固まる不思議な紙である。 できた形の面白さからイメージを広げていくことができる材料である。 この黄ボール紙で家をつくったのだが、 ポイントは、どんぐり君である。 どんぐり君とは、どんぐりに油性ペンで顔をかいたものである。 見ていて何だか愛くるしい。 どんぐり君を遊ばせながら作品をつくることで、 子供たちは作品の中に物語を思い描く。 そして、どんぐり君の気持ちになって様々な工夫をしていった。 |
所要時間(約9時間) ・黄ボール紙で、家をつくる。 (約2時間) ・黄ボール紙で、家のまわりに 飾りや遊具をつくる。 (約4時間) ・落ち葉や木の実で家を飾る。 (約3時間) |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1、家をつくる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【約2時間】
@どんぐり君を作る どんぐりに顔をかいて、どんぐり君をつくる。 |
どんぐり君 |
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A黄ボール紙を切る 黄ボール紙を丸めて、家をつくる。 丸める前に、まずは、壁の上の部分を、おしゃれにする。 黄ボール紙の上の部分を切り取る。 ジグザグに切ったり、丸く切ったり、好きな形に切り取る。 ここでのポイントは、大胆にはさみを入れること。 はさみを、上3分の1くらいまで大胆に入れた方が、 見栄えのよい作品に仕上がる。 B窓を開ける 次におしゃれな窓やドアをつくる。 窓やドアは、四角に限らない。 丸い窓、星形の窓など、カッターで好きな形に切り抜く。 |
ジグザグな壁 くねくねの壁 |
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C水に濡らして、丸める 壁ができた子から、黄ボール紙を水に濡らして、丸める。 「ぬらすよコーナー」を設置し、そこに霧吹きを置いておく。 ここでのポイントは、大胆に潰して曲げること。 せっかくの黄ボール紙。 その特性を生かして、曲線美の家に仕上げたい。 |
ぬらすよコーナー |
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D接着する 形が決まったら、ボンドで接着し、地面と貼り合わせる。 乾くまでの間、洗濯ばさみで止めておく。 家の中には、どんぐり君を入れておいてあげたい。 D鑑賞 次の日、作品が乾いたら、 自分のどんぐり君を持って、いろんな家に遊びに行く。 そして、素敵だなと思ったところを2つ以上、相手に伝える。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これらの活動は、どれも子供の工夫が表出されるものばかり。 「ジグザグと丸い線を組み合わせたんだね」 「ジグザグの高さをばらばらにしたんだね」 「面白い形の窓にしたね」 など、大きな声でほめてまわった。 大きな声でほめるのは、その子のためだけではない。 それを聞いた周りの子も、刺激を受けて、工夫し始める。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
接着して乾かす |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2、遊具をつくる ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【約4時間】
家のまわりに、どんぐり君が遊べる遊具を作った。 子供たちが遊具のイメージを膨らませられるように、 話し合いの場を2回設けた。 1回目は、活動前。 2回目は、活動の中頃(2時間活動した後)である。 活動前の話し合いでは、 どんな遊具を作りたいか、みんなのアイディアを紹介し合った。 すべり台やブランコなど、いろいろなアイディアが出てきた。 そうしたみんなのアイディアを参考に、 イメージを膨らませてから、活動を始めた。 |
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活動の中頃の話し合いでは、3つの作品を紹介した。 3つともすべり台を作っている作品を取り上げた。 同じ「すべり台」でも、形やつけ方、ゆがませ方の違う作品を紹介することで、 工夫次第で印象がかわることに気づかせたかったからである。 そして、すべり台以外の「わくわくポイント(飾りや遊具)」を作る場合にも、 つけ方・ゆがませ方の工夫を応用してほしいと考えたのである。 |
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こでは、どんぐり君目線の写真や動画を提示した。 どんぐり君の気持ちになって工夫することで、 豊かな表現が生まれると考えたからである。 |
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子供たちは、これらの作品に刺激を受け、その後の活動では、 「家に巻き付いた階段を作ろう」 「展望台の先にジャンプ台を作ろう」 「階段の下にすべり台を作ろう」 などと、様々な工夫をしていった。 子供たちの工夫を見て回る際には、 私も自分のどんぐり君を持って回った。 子供たちの作ったわくわくハウスで、教師のどんぐり君を遊ばせることで、 子供たちの工夫に共感したいと考えたからである。 また、毎時間、活動の後には、子供たちに 自分のどんぐり君を持って、友達のわくわくハウスに遊びに行く時間を設けた。 友達の工夫に触れることで、次時へのイメージを膨らませてほしいと考えたからである。 |
どんぐり君を 友達のつくったわくわくハウスで 遊ばせる 家の部分の完成! |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3、家を飾る ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【約3時間】
落ち葉や木の実で家に飾りを付けた。 |
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子供たちは、様々な工夫をしていった。 例えば、地面なら、次のような工夫。
例えば遊具なら、次のような工夫。
これらの工夫をみんなに紹介しながら、活動した。 |
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