前田の算数
前 田 の 算 数 実 践 事 例 | ||||||
6学年 「不思議な輪の変身」 | ||||||
「あれ?」が「だったら…」を生み出す | ||||||
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1、は じ め に ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 予想外の事実と出会った時、 子どもの目は知的好奇心に輝く。 「あれ」「どうして」と、夢中になって教材とかかわり、 「だったら」と考えを発展させていく。 東京書籍の教科書に「不思議な輪の変身」という面白い算数トピックが掲載されている。 これに、ひと工夫加えると、もっと面白くなる。 子どもが夢中になること、必然である。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2、 授 業 の 概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ @ 輪っかを十字につなげて切ったら… ・輪っかを2個つくり、十字につなげて、半分に切る。 すると、正方形になる。 A メビウスの輪を切ったら… ・メビウスの輪をつくり、半分に切る。 すると、1つの輪っかになる。 ・それをさらに半分に切る。 すると、2つの輪っかになる。 B だったら… ・自由に試しながら、自分なりの「不思議」を発見する。 |
輪を2個つないで半分に切ったら… なんと、正方形に! メビウスの輪を半分に切ったら…!? |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3、 授 業 の 実 際 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ @輪っかを十字につなげて切ったら… 輪っかを2個つくる。 それを十字につなげる。 そして、半分に切ると、どんな形になるだろうか。 「大切なのは、予想することですよ。」 そう告げると、 「大きな1個の輪っかになるんじゃないかな…?」 「ばらばらの4個の輪っかになるんじゃないかな…?」 などなど、子どもたちは様々な予想を立てた。 ただし、この状態では、まだ予想しづらく、全くイメージを持てない子もいる。 そこで、1個の輪っかを切って提示してみせた。 1本のテープの両端に輪っかがついた、眼鏡のような形になる。 ここまで見せると、だんだんイメージが出来上がってくる。 近くの友だちと自分の予想を言い合う場を設けた。 予想を楽しんだところで、子どもたちにテープ状に切った紙を渡した。 いよいよ実際に切ってみるのである。 切ってみると、なんと、正方形が出来上がる。 「すごい!正方形ができるんだ…!?」 と、子どもたちはびっくり。 「だったら…」と考え始めた。 東京書籍の教科書には、次のような「だったら」が例示されている。 「だったら、斜めに貼り合わせると、どうなるか」という「だったら」である。 私のクラスの子どもからは、 「だったら、3つ重ねたらどうなるかな?」という「だったら」が出てきた。 こうした「だったら…」という考えを大切にしたい。 子どもが自ら、問題を発展させている姿である。 ここでは、こうした「だったら」を、 あとからのお楽しみにとっておくことにした。 |
すごい!正方形だ! |
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A メビウスの輪を切ったら… 続いて、メビウスの輪を提示した。 メビウスの輪とは、テープの端を180度ひねって、もう一方の端につないだものである。 このメビウスの輪を半分に切ったら、どうなるだろう。 三択にして予想を聞いた。
子どもたちの予想で、1番多いかったのは、Aである。 「当然、2つの輪になるはず…。きっとBは違うぞ」 「でも、ただの2つの輪にはならないのでは…。きっと@は違うぞ」 といった思いからだろうか。 予想を楽しんだところで、子どもたちにテープ状に切った紙を渡した。 いよいよ実際に切ってみるのである。 切ってみると、びっくり。 なんと、大きな1つの輪になるのである。 正解は、Bなのである。 |
あれ、1つの輪だ! |
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さて、メビウスの輪が面白いのは、ここからである。 それでは、半分に切って大きな円になったメビウスの輪を、 もう1度、半分に切ったら、どうなるだろうか。 さっきと同じように、3択で予想させる。
今度は、圧倒的にBを予想する子が多い。 なぜなら、さっきもそうなったからである。 ところが、実査にやってみると、びっくり!! なんと、答えはA。 今度は、2つの輪っかになるのである。 ここで、当然 「だったら、もう1回切ったら…」 という子が出てくる。 それは、あとからのお楽しみである。 |
あれ、今度は2つ! |
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3 だったら… 「十字につなげた輪」と「メビウスの輪」の紹介で、 子どもたちに「だったら」が生まれてきた。 ここで、テープ状に切った紙を大量に渡し、 「だったら」を自由に研究する場を設けた。 子どもたちは、 「輪を斜めに重ねたら…」 「輪を3つ重ねたら…」 「4つ重ねたら…」 「メビウスの輪と普通の輪を重ねたら…」 などなど、面白い「だったら」を思いつき、 夢中になって取り組んだ。 中には、授業時間だけでは物足りず、 授業が終わった後に、 「先生、家でもやりたいから、紙をください」 と、テープ状の紙を取りにくる子もいた。 ちなみに、ある子が、十字につなげて切る実験で、 次のような発見をした。 「奇数個つなげたら、2つに分かれて、偶数個つなげたら、1つになる」 という発見である。 1個から6個の場合までは確認したらしい。 私もまだ、確かめていないが、 それが、本当なら、大発見である。 |
斜めだとやっぱりひし形だ! 5個つなげると… 普通の輪とメビウスをつなげたら… |
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