前田の算数

前 田 の 算 数  実 践 事 例
6年 円の面積
面白問題でひらめきの快感を!

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 円の面積 面白問題
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「ひらめき」という言葉がある。
物事が思いもよらない角度から見えてくることである。
それは、快感である。
そんな時、子どもたちからは、
「ははあん」「なるほど」というため息がもれる。

「円の面積」の学習で、発展問題にお薦めのものがある。
【問題】
一辺が20pの正方形に、
内接する円に、
内接する正方形の面積は?


これは、私が子どもの頃、
「クイズ面白ゼミナール」というテレビ番組で放送されていた問題である。
うろ覚えなので、数値などは、放送されたものと多少違うかもしれない。
しかし、うろ覚えながらも、大人になった今でも覚えているというのは、
当時、よほどの感動を受けたのだろう。

子どもに出す時には、
問題にストーリー性をもたせても面白い。

先生 お母さんがケーキを作りました。
一辺が20pの正方形のケーキです。
子ども えー、正方形のケーキなんて変だよ

先生 やっぱりそう思う?
そこに大一郎君が来て、こう言いました。
「お母さん、僕、丸いケーキがいいな」
そこで、お母さんは、丸いケーキに直すことにしました。
※ちなみに「大一郎」とは、学年主任の先生の名前である。
子ども もったいなーい
先生 もったいないから、なるべく無駄がないように、
正方形にぴったり合う円の形に切りました。
先生 ところが、そこに、大二郎君がやって来て、こう言いました。
「お母さん、僕、しかくいケーキがいいな」
そこで、お母さんは、正方形のケーキに直すことにしました。
円にぴったり合う正方形の形に切りました。
先生 ところが、そこに、大三郎君がやって来て…
何て言ったと思う?
子ども 「お母さん、僕、丸いケーキがいいな」
って言ったんじゃないかな…。
先生 いえいえ、
大三郎君は、こう言ったんです。
「さて、この正方形の面積はどれだけでしょう」
子ども そんな馬鹿な…(笑)

問題を解かせる時のポイントは、
分かっても絶対に答えを言わせないことである。

「答えがひらめく快感」をたった一人が独占することなく、
みんなに味わわせてやりたいものである。

答えが、分かった子は、前に呼んで、耳元でこっそり聞いてあげる。
正解ならば、「ヒントを考えてごらん」と、次なる課題を与える。
ヒントを考えるということは、
その問題の本質をずばり一言で言い表すということである。
その子なりのセンスが光る。

「直径」
「直径はどこでも同じ」
「くるん」
「回転」
「半分」
など、子どもたちから、いろいろなヒントが出てくる。

ヒントは、「遠からず、近からずのヒント」から始め、
「正解に近づくヒント」→「ボーナスヒント」→「半分答えのヒント」
と徐々に易しくしていく。
最後には、全員がひらめきの快感を味わえるというわけである。

図をくるんと回して見せると、分かりやすい。



          


最初の正方形のちょうど半分になっているのである。
20×20÷2で、答えは200平方センチメートルである。


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