前田の算数
前 田 の 算 数 実 践 事 例 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
6年 「場合の数」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
おもしろ問題×5 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
「場合の数」の単元には、面白い問題がたくさんある。 その中でも、私が特に気に入ってる問題を5つ紹介したい。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ おもしろ問題@ 階段の上り方は、何通り? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ セールスポイント いろいろな発想が出てくる!
「場合の数」と聞いて、ぱっと頭に浮かぶのが「樹形図」である。 ついつい、樹形図の指導にばかり時間を割いてしまいがちになる。 しかし、何も樹形図にばかりこだわる必要はない。 「場合の数」の本質は、「整理して数える」ということである。 大切なのは、落ちや重なりがないように、ルールを決めて数えていくことである。 この問題のセールスポイントは、子どもたちからいろいろな発想が出てくることである。 この問題では、それぞれの数え方のよさについて、じっくりと話し合わせたい。 よりよい数え方について話し合う中で、 ルールを決めて数えていくことの大切さに気付かせたい。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ おもしろ問題A 片手でいくつ数えられる? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ セールスポイント 子どもが興味をひきつける! 授業の後のちょっと余った時間に、こんな練習問題を出してみてはどうだろう。 「真似してごらん」そう言って、 指を折ったり曲げたりと、様々な形の手をつくってみせる。 子どもたちは、何が始まるのかと興味津々になる。 子どもたちが食いついてきたところで、問題を提示する。 次のような問題である。
子どもたちは、きょとんとした顔になる。 この問題は、一見「場合の数」と関係なさそうな問題に見えるからである。 しばらく経ったところでヒントをあげてもいい。 「親指は伸ばすか、折るかのどちらかです。」 「伸ばすを○、曲げるを×とすると、こんな図になります」 「人差し指も、伸ばすか、折るかのどちらかです。」 「伸ばすを○、曲げるを×とすると、こんな図になります」 「親指と人差し指で、4通りの手の形ができましたね。 残りの3本も使うと何通りできるか考えてみましょう」 考えるとっかかりが分かると、後は簡単である。 答えは、32通りになる。 子どもたちの中には、残りの図を全部かかなくても、 2×2×2×2×2=32と計算で求められる子も出てくる。 一見、場合の数と関係なさそうな問題なのに、 これまで学習してきた考えを使って解けるところが、この問題の魅力である。 ちなみに、親指が1、人差し指が2、中指が4、薬指が8、小指が16といったように、各指の表す大きさを決めると、片手だけで、0〜31までの32通りの数を数えることができる。 そんな話を、おまけの話として、子どもたちに聞かせてあげるのもよいだろう。 子どもは、「おまけの話」が大好きである。 そんな話をしていると、子どもたちの中には、 「だったら、両手を使ったら、いくつまで数えられるかな?」 なんて子も出てくる。 2を10乗すればよいのだから、 2×2×2×2×2×2×2×2×2×2で、1024通りである。 理論上は、なんと、0〜1023まで数えられるということになる。 実際数えようとすると、複雑すぎて大変だが…。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ おもしろ問題B パスワードは何通り? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ セールスポイント 生活に根ざしている! 東京書籍の教科書の「算数のお話」のコーナーには、パスワードに関する問題が載っている。 それを少しアレンジして、次のような問題を出題してみた。
これまでに、子どもたちは、「場合の数」の勉強をしてきている。 真面目な子は、それを生かして、 「1桁目は0〜9の10通り、そのそれぞれに対して、2桁目も0〜9の10通り…。 だから、10×10×10×10で10000通り」 と考える。 しかし、発想のやわらかい子は、単純にぱっと答えを求める。 「1〜9999の10000通り」 と考えるのである。 どちらの考えも面白いが、両方の考えを合わせて見ると、十進位取り記数法のよさが見えてきて、さらに面白い。 さて、この1万という数を多いとみるか、少ないとみるか…? 最近のパスワードは、「数字だけでなく、必ずアルファベットも入れてください」と言われることが多い。 先程の問題を少し発展させ、数字だけでなくアルファベットも使ってみたら、どうなるだろうか。
36×36×36×36=1679616 なんと、160万以上ものパスワードができる。 パスワードにはアルファベットを入れた方がよいことが実感できる。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ おもしろ問題B 6つの中から4つを選ぶと…? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ セールスポイント ひらめきの快感を得られる! 子どもたちに、遠足に持って行きたいお菓子を尋ねる。 Aぷっちょ、Bチョコ、Cガム、Dポテチ、Eしげきっくす、Fうまい棒 などが出てくる。 そこで、次のような問題を出す。
6×5÷2で、答えは、15通りである。 そんな問題を解いた後に、次のような問題を出すと面白い。
選ぶお菓子が2つから4つに増えて、一見、難しそうに見える。 しかし、発想を転換すれば、あっという間に解けるところが、この問題の面白さである。 持っていく4つを選ぶということは、持っていかない2つを選ぶのと同じことである。 答えはさっきと同じ、15通りである。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ おもしろ問題D 行き方は何通り? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ セールスポイント 意外なところに場合の数が応用できる! テストが早く終わる子がいる。 そんな子には、テストの余った時間を利用して、 ちょっぴり難しい問題に挑戦させるのもいい。 算数が好きな子は、夢中になって取り組む。
一見、この問題は、図形問題にも見える。 しかし、少し考えを整理して、 学校への行き方を矢印で表してみると、どうだろう。 例えば、 例 ↑→↑→↑ 例 →↑↑↑→ 例 ↑↑→→↑ といった具合になる。 つまり、5つある矢印のうち、横向きの2つを選ぶ問題なのである。 5×4÷2=10、答えは10通りになる。 同じように、一見「場合の数」の問題には見えない面白問題がある。 次のような問題である。
しかし、この問題も、数ある頂点の中から4つの頂点を選ぶ問題だと思えば、場合の数の学習が応用できる。 横には4つの頂点が並んでいる。 4つの頂点から2つの頂点を選ぶと、横の辺が決まる。 横の辺の選び方は、4×3÷2で6通りになる。 同じように、 縦には5つの頂点が並んでいる。 5つの頂点から2つの頂点を選ぶと、縦の辺が決まる。 縦の辺の選び方は、5×4÷2で10通りになる。 横が6通りで縦が10通りだから、 6×10で60通りの長方形ができるというわけである。 一見、場合の数と関係なさそうなところに、場合の数の考えが応用できるところが、この問題の面白さである。 |
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