前田の算数

前 田 の 算 数  実 践 事 例
2年「かけ算」 九九表のきまりを見つけよう
九九表を全部見せない

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条件を限定する
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子どもの自由な発想を引き出したい。
教師なら、誰でもそう願う。
しかし「自由に考えてごらん」と言ったからといって、
子どもが自由に発想できるわけではない。
逆に、条件をしぼって限定した方が、
自由な発想が生まれやすい。

九九表のきまりを見つける学習。
九九表を見せて「きまりを発見しよう!」と投げかけると、
どんどんきまりを見つける子がいる一方、
全く手をつけられない子が出てくる。
どこに目をつけて考えればいいのかが分からないのである。

私は、九九表を全部を見せるのではなく、
1部分だけを見せたら面白いのではないかと思う。

九の段だけを見せて、いろんなきまりを見つける。
その後、九の段で見つけたきまりを、他の段で試してみる。
そんな流れで授業を行ってみた。


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授業の実際
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1、 九の段の秘密を見つけよう!



九の段の秘密を見つける。
子どもたちは、次のような秘密を見つけていった。

 一の位は1ずつ減っている


 十の位は1ずつ増えている


 一の位の数と十の位の数を合わせると9になる


 鏡のようになっている。


 一の位の数と、その右隣の十の位の数を合わせると、10になる。



秘密を発表し合う中で、子どもたちは、
一の位と十の位に分けて考えると、いろんな秘密が見えてくる
という着眼点を獲得することができた。
そして、子どもたちから、
「だったら、他の段はどうなってるのかな?」
という声があがり始めた。
そこで、他の段について調べてみることにした。

2、他の段を調べる。

(1)一の位は…?

9の段の一の位は、1ずつ減っていってたが、
他の段ではどうだろうか。
8の段で試してみると、
2ずつ減っていく。


7の段で試してみると、
3ずつ減っている。


表に整理すると、次のようになる。


表を見ていたある子が、
「9の段なら1ずつ減る。8なら2、7なら3。足すと10になるよ。」
と発言した。
つまり、9増えるということは、10増えて1減るということ。
8増えるということは、10増えて2減るということなのである。


(2)十の位と一の位を合わせると…?

9の段は、十の位と一の位を合わせると9になった。
他の段えはどうだろうか。
8の段は、8、7、6、5、4…と、1ずつ減っていく。


7の段は、7、5、3、10、8…と2ずつ減っていく。


6の段は3ずつ、5の段は4ずつ減る。
表に整理すると、次のようになる。


表を見ていたある子が、
「9の段は、0ずつ減るとも言えるね。」
と発言した。
前までは、“十の位と一の位を合わせて9”と見ていた事象を、
“0ずつ減る”という、新たな見方で見ることがでいたのである。

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これら発想は、九九表全部を眺めていても、なかなか思いつかない。
条件をしぼって考えたからこそ生まれてきた発想である。

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