前田の算数
前 田 の 算 数 実 践 事 例 | |||
2年2年「ひき算のひっ算」 | |||
筆算の単元。時には、面白問題を! | |||
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 時には面白問題を! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 筆算のよいところ。 それは、どんな数が来ても、機械的に操作していけば、答えに辿り着くところである。 しかし、逆に考えれば、何も考えずに、機械的に操作だけする子が育つという怖さがある。 筆算の単元では、時々、“考える楽しさ”を味わえるような授業を挟んでやりたい。 例えば、次のような穴埋め問題である。 空欄の中に1~4の数字を1回ずつ入れて、1番小きな答えをつくる。 この問題は、筋道を立てて考えないと難しい。 子どもは夢中になって取り組む。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第1問 1番大きな答えをつくろう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第1問は、1から4の数字を1回ずつ使って足し算をして、1番大きな答えをつくる問題である。
まずは、自力解決の時間をとった。 こうした問題は、解く時間に個人差が出る。 早い子は、問題が出されてすぐに「できた!」「73だ!」という声を挙げた。 遅い子は、 そんな時には、子どもたちのノートを見てまわりながら、 「おや、同じ答えでも、違った筆算の人がいますよ」 と大きな声で、つぶやいてみせる。 すると、答えが分かって安心していた子も、他の筆算を探して動き出すのである。 しばらくたったところで、できた答えと筆算を発表してもらった。 答えは、73。 作り方は、次の4種類である。 4種類の答えが出そろったところで、 「これ以上大きい答えは、ない?」 「ほんとに?」 「絶対に?」 と子どもたちに問い掛けた。 子どもたちは、 「ほんとに?」「絶対に?」と尋ねられると、 「だって…」と、その根拠を語り出す。 「だって、十の位に大きな数字を入れ方が、答えが大きくなるんだよ」 と、ある子が発言した。 問題に秘められたカラクリに目を向けていったのである。 数の大小を比べる際、上の位から見ていくことは、十進位取り記数法の大切な考えである。 「十のくらいから かんがえる」と赤で板書した。 実は、このことが、第2問のヒントにつながる。 |
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第2問 1番小さな答えをつくろう ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第2問は、1から4の数字を1回ずつ使って引き算をして、1番小さな答えをつくる問題である。
この問題は、かなり難しい。 そこで、少しずつヒントを出しながら、自力解決の時間を小刻みにとることにした。 まずは、自力解決の時間を3分間とった後、ヒントを出した。 ヒントは「十の位から考えること」である。 「十の位がどうなればいいですか」 と子どもたちに尋ね、十の位の数がどんな組み合わせになればよいのかを考えていった。 第1問と異なり、十の位に小さな数字を入れればよいわけではない。 十の位の差を小さくすればよいのである。 そう考えると、十の位は、「4-3」「3-2」「2-1」の3種類に絞られる。 十の位は3種類になることを確認し、もう1度、自力解決の時間をとった。 しばらくすると、 「13ができたよ!」 「11ができたよ!」 と子どもたちの嬉しそうな声があがり始めた。 そのうちに、一人の子が、 「9ができたよ!」 と声をあげ、まわりの子たちを驚かせた。 さらには、 「7ができたよ!」 という子が出てきて、教室が騒然となった。 「7」をつくった子に、ヒントを言ってもらうことにした。 分かった子にヒントを言わせるという活動は、 言う子にとっては、自分の考えを簡潔にまとめることになり、 聞く子にとっては、考える見通しを持つことになる。 ここでのヒントは、「繰り下がり」であった。 このヒントの後、再度、自力解決の時間をとった。 「繰り下がり」というヒントを聞いて、「分かった」という子がどんどん増えていった。 答えは「7」。 次のような筆算になる。 筋道を立てて考える楽しさを味わえる授業となった。 |
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