1.5世代モバイルコンテンツ(2)

 

多様化するモバイル端末

最も普及しているモバイル端末は言うまでもな携帯電話だ。7月末の累計で6000万台(PHSを含む)を突破しインターネットに接続できる携帯電話は1300万台(携帯電話のみアステル、ドコモは加入者数を公表していないため不明)を突破している。

しかし、最近は徐々に携帯電話以外のモバイル端末には注目が集まっている。例えば、今年になってからPDA用のOSである。「palm OS」互換機が次々と発表されている。以前から発売されていた。IBMの「WorkPad」を palm社の創業者が作った 「handspring」という会社は3万円切る値段でpalm互換機「visor」を発売したpalm社は9月にさらに安いpalm端末「Palm Computing m100」を発売する。さらにソニーもpalm OS搭載機を発売する事を発表している。今までのpalm端末はパソコンとの連携が中心でインターネットへの接続はあまり重要視されていなかったが、最近のpalm端末はインターネットへの接続も重視されている。ソニーが発売するpalm OS搭載「PEG-S500C」には携帯電話とPHS用のネットワーク接続機器「モバイルコミュニケーションアダプター」が付属しさらに、Webブラウザーの「PalmScape」、電子メールソフトの「Multi Mail」が付属する予定だ。今までpalmはパソコンのデータを閲覧するための道具という意味合いが強かったが、インターネット接続が強化された事によって単体でも十分に利用できるようになるだろう。

また、ゲームボーイやワンダースワンといったゲーム機でもインターネットに接続できるようになろうとしている。バンダイが発売している「ワンダースワン」はインターネット接続キットの「MobileWonderGate」を使えばインターネットに接続しwebページの閲覧やメールの送受信が可能になっている。まだオプションキットが発売したばかりでどの程度の売り上げがでるかわからないが、ワンダースワン本体が実売3000〜4000円、 「Mobile Wonder Gate」の価格が1万2000円と両者をセットで買っても2万円以下という 非常に低価格である事と、ワンダースワンに「ファイナルファンタジー」シリーズで有名なスクエアが参入を表明している事を考えると意外にゲーム端末が普及しインターネット端末となる可能性も否定できない。さらに任天堂も開発中の新型ゲームボーイ「Game Boy Advance」で携帯電話やPHSによるインターネット接続が可能になる予定だ。 子供のうちからモバイル環境でのメールの送受信やweb閲覧などを日常的に行うようになれば、将来PDAに乗り換える時に抵抗感なくPDAに移行しそのままメール閲覧やweb閲覧を行えるようになるだろう。また、仕事でワンダースワンやゲームボーイを使うとは考えずらいが、外出時のメール閲覧など決してバカにできない機能が含まれている。

このように携帯電話以外でインターネットに接続できる機器が続々登場してきたが、まだあまりこれらに対応したコンテンツ作成の動きは進んでいない。もちろん、まだ携帯電話に比べれば非常に少数だし影響力も少ないが、今後大きく注目される分野である。今のうちからこれらに対応したコンテンツを考えておかなければならないだろう。

 

横田真俊

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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