待ちぼうけ


待ちぼうけ



「よぉ、ハンフリー、フリックの奴がよ、毎日オデッサの帰りがおせーと部屋の前で待ってやがるの知ってっか?」

「…ああ。」

「あれ迷惑だからよ、やめるよーに言ってもらえねーか?」

「迷惑?」

「ああ、狭い通路で邪魔だしよ、他の奴らも怖がってんしよ。」

「…なぜ自分で言わん。」

「あほ、俺が言ったってききゃあしねーだろ!て事で頼むわ。」

「…わかった。」

「ったく、あいつもなあ…心配なのは解るけどよ、この寒いのにあれじゃ風邪ひいちまわぁ。心配掛けさせやがっ…とと!」

「……」

「なんだよ?」

「いや…」

「言っとくけど、マジで苦情は出てんだからな。」

「そういう事にしておこう。」

「いやしておこう、じゃなくてよ…まあいっか…」





とか言って、ハンフリーは「ビクトールが心配するからやめておけ」とか言うんだよ。
2006.05.13