星
「凄い星だな…」
「ああ、そうだなー」
「…こんなに、空に星がある事なんて、すっかり忘れてた。」
「まあ、解放軍じゃあ、お前忙しかったもんなあ…」
「そうだな…そんな暇なんてなかった。」
「その分、今ゆっくりすりゃあいいじゃねえか。」
「うん…なあ、ビクトール。」
「おう。」
「俺は、お前と一緒に旅をしてなくても、こうやって空を見る事もあるんだと思う。」
「おう。」
「でもな、同じ空を見てもきっと、こんな綺麗だとは思えない気がするんだ。」
「……」
「何でだろうな。」
「…何でって…お前な…」
「ん?」
「そんなの、こっちが訊きてぇくらいだぜ…」
一緒に在るからこそ、湧き上がる気持もある。
2003.09.12