労働保険料算定
=労働者=
労働者とは、職業の種類を問わず、事業に使用される者で賃金を支払われる者をいいます。
また、法人の取締役などの地位にある者は、原則として労働者とはなりませんが、
I.労災保険については、業務執行権のない看で業務執行権のある取締役などの指揮監督を受けて労働に従事し賃金を得ている者、
II..雇用保険については、取締役であっても同時に部長、支店長など、従業員としての身分を有している看で報酬などの面からみて労働者的性格の強い者は一般的に労働者となります。
なお、労働者であっても、次に掲げる者については、雇用保険の被保険者に該当しませんので、雇用保険に係る保険料の算定基礎から除外されます(3.の船員保険の被保険者以外は労災保険に係る保険料の算定基礎には含まれますのでご注意ください。)。
1.日雇労働被保険者とならない日雇労働者
2.4カ月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される者
3.船員保険の被保険者
4.国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等により支給を受ける諸給与の内容が雇用保険の失業給付の内容を超える者
=賃金総額=
賃金とは、賃金、給与、手当、賞与など名称のいかんを問わず労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものをいい、一般的には、労働協約、就業規則、労働契約などにより、その支払が事業主に義務づけられているものです。
また、現物給付については、原則として所定の現金給付の代わりに支給するもの、つまり、その支給によって現金給付が減額されるものや労働協約において支給が約束されているのは賃金となります。
このような現物給付でも、代金を徴収するものや福利厚生とみなされるものは原則として賃金とはなりません(裏面「労働保険料の算定基礎となる賃金早見表(例示)」を参照してください)。
なお、建設の事業及び立木の伐採の事業などについては、労災保険に限り賃金総額の特例が認められています。
=保険料率=
平成13年度の概算保曝料の申告から労災保険率、雇用保険
率とも新料率が適用されます。
○労災保険率
労災保険率は、事業の種類ごとに、業務災害及び通勤災害に係る災害率に応じ、52の区分に分類されて労災保険率表により定められています。保険料の申告・納付に当たっては、事業内容などから現在適用されている労災保険率が適正であるか否かに留意していただく必要があります。
また、一定規模以上の事業については、個々の事業ごとの収支率(保険料額(通勤災害に係る保険料額を除く)に対する業務災害に係る保険給付額と特別支給金額の合算額の割合)に応じて労災保険率を上げ下げする、いわゆるメリット制度があります。
なお、労災保険における一人親方等及び海外派遣者については、第2種特別加入保険料率及び第3種特別加入保険料率が定められています。
○雇用保険率
雇用保険率は、雇用の形態などに応じ旧料率1000分の11.5、新料率1000分の15.5(一般の事業)、旧料率1000分の13.5、新料率1000分の17.5(建設の事業を除く特掲事業)及び旧料率1000分の14.5、新料率1000分の18.5(特掲事業のうち建設の事業)の3種類となっています。なお、特掲事業に該当する事業は次のとおりです。
1. 農林水産の事業
土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(園芸サービスの事業は除く。)
動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業(牛馬の育成、酪農、養鶏又は養豚の事業及び内水面養殖の事業は除く。)
2. 清酒製造の事業
3. 建設の事業
土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体又はその準備の事業
=高年齢労働者に係る保険料免除=
64歳以上の高年齢労働者(年度の初日(4月1日)において満64歳以上である者)のうち、任意加入による高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く一般被保険者については、雇用保険に係る保険料が免除されます。
したがって、これらの高年齢労働者に支払われた賃金は、保険料算定基礎となる賃金から除外されます。
なお、労災保険に係る保険料については免除されませんのでご注意ください。
=保険料の納付=
保険料の納付は、原則として5月20日(平成13年度は5月21日)ですが、概算保険料の額が40万円(労災保険又は雇用保険のいずれかのみの保険関係が成立している事業については20万円)以上で延納を申請した場合には、3期に分けて納付することができます。
1期(4月1日から7月31日までの分)についての
納期限は5月20日(平成13年度は5月21日)
2期(8月1日から11月30日までの分)についての
納期限は8月31日
3期(12月1日から3月31日までの分)についての
納期限は11月30日
※なお、労働保険事務の処理が労働保険事務組合に委託されている継続事業(一括有期事業を含む。)については、平成13年度より、2期、3期の納付期限が14日間延長されました。
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