リールは釣行毎に手入れしているつもりでも、ハンドルを回した時にシャリシャリと音が出てきたりゴリゴリ感が出てきますね。
そんな時はメーカーに依頼してオーバーホールが良いのですが、お金も時間も掛ってしまいます。
ですので僕は、年に1回か2回程度ですが自分でオーバーホールしています。(お金無いので・・・笑)
「よし!俺もやってみよう!」と思ってくれた方、自己流の分解手順等になりますが
これから説明していきますので参考になれば幸いです。
※もし、やってみて組み立てられないなど失敗しても責任は負えませんので自己責任でお願いします。※
@使用工具や油脂類の準備
・精密ドライバーセット
・普通のドライバーセット
・12ミリのレンチ又はスパナ(リールの機種によりサイズは異なると思います)
・ピンセット
・リール用オイルとグリス
・古新聞など下に敷くもの
★写真には載っていませんが、パーツクリーナーや歯ブラシがあると大変楽に部品洗浄できます。
クリーナーやブラシが用意出来ない場合、テッシュ等で付着したゴミや劣化したグリスなどを
拭いてからグリスUPするだけでもOKです。
Aスプールとハンドルを外します
この作業は誰でも出来ると思いますので説明は省略いたします。
Bまずはベール部分から分解してみましょう
・赤矢印で記してある部分のネジを外します。
・次にベールを少し広げるようにしてローター本体からベールを外します。
※スプリングが両側に入っていますので飛び出さないように注意して外してください。
(特にラインローラー側には強いスプリングが入っていますので気を付けてください)
・ラインローラー側のアームレバーカバーのネジを緩めてカバーを外します。
・ラインローラーと反対側のホルダーカバーを上記と同じ要領で外します。
※こちら側には細いスプリングが入っていますので紛失に注意してください。
ちなにみに、こちら側はベールのストッパー機構になっています。
・赤矢印で記してある場所のネジを外すとラインローラーが外れます。
(写真には1つしか写っていませんがラインローラーにはカラーが3つ入っています)
尚、このリールにはラインローラー部にベアリングが入っていませんので
ハイパーレジストケミカルベアリング(HRCB)などオーバーホールついでに
購入されてみるのも良いと思います。
これでベール部分の分解が完了です。
あとは汚れている部分を洗浄して注油します。※注油は摺動部分全てに必要です。
洗浄と注油が完了したら、分解と逆の手順で組めばベール部分のオーバーホールは完了です。
※分解する時に位置関係を確認しておかないと組めなくなる危険性があります。
C次は本体からローターを外します
・上の写真のようにメインシャフトから・スプリング・カラー・ピン・を抜きます。
・ローターナットスクリュー(普通のネジです)を外します。
※このネジを外さないとローターナットが外せません。
(つまり、このネジはローターナットの脱落防止です。)
・12ミリのレンチ又はスパナでローターナットを外します。
これで本体からローターが外せるようになりました。
外したローターと本体。
ローターの裏側はこのようにラチェットになっています。
劣化したグリスを洗浄して新しいグリスを塗っておきます。
Dブレーキレバーを外します
・赤矢印で記してある部分のネジ(ブレーキレバースクリュー)を外します。
・反対側のメネジ(ブレーキレバーナット)も外します。
※メネジの外径はDカット形状になっていますので組む時は本体の穴と形状を合わせます。
・本体からブレーキレバーを抜きます。
※黒矢印の方向に抜くと楽に抜けます。
※ブレーキレバーに小さなスプリングが組み込まれていますので紛失に注意してください。
・赤矢印の所が小さなスプリングです。紛失注意です!
それにしても汚れていますね〜。
写真に写っている海苔カスの他、小さなゴミが沢山詰まっていました。
Eさて、いよいよ本体の分解です
・赤矢印で記してある部分、ドライブベアリングカバー(両側)とリヤーキャップの
ネジを計7ヶ所外します。
撮影の都合上、ブレーキレバーが付いた状態になっていますが
ブレーキレバーは外れていることにしといて下さい。(^_^;)
・リヤーキャップはネジ2ヶ所で固定されています。
左写真のようにドライバーを入れてネジを外すとリヤーキャップは外れます。
※ブレーキレバーを外さないとリヤーキャップは外せません。
・赤矢印で記してあるカラー2種類をメインシャフトから抜きます。手で簡単に抜けます。
尚、この作業はローターを外した段階で可能です。
・写真左、赤矢印のネジを外します。
・すると写真右のように
ブレーキプレートが開きます。
・赤矢印で記してある部分に切り欠きがありますので
精密ドライバーのマイナス、又はピンセットなどを
切り欠き部分に入れてリングを抜きます。
これでブレーキディスクASSYが外れるようになりました。
続いてボディーカバーを外す作業にはります。
・まずは赤矢印で記してある4ヶ所のネジを外します。
・白矢印のスプリングをボディーカバーから抜きます。
・赤矢印で記してある穴にスプリングの端が嵌っていますので
写真のように精密ドライバーのマイナスを使用して上に持ち上げるようにすると
簡単に抜けます。
※これ、抜くのは簡単ですが慣れないと組む時に苦労します・・・(^_^;)
経験上、ピンセットでの組み込みはスプリングの力が強いので無理があります。
ちょっとしたコツがあるのですが・・・なかなか文章での表現が難しくてスミマセン。
マイナスの精密ドライバーと指先の感覚を頼りにガンバって組んでください。
もしかしたらラジオペンチを使ったら楽勝かもしれません。
・長い期間リールを使用していて初めて分解する場合は塩分等で
ボディーカバーは固着気味かも知れませんが少し力を入れると
写真のように外れます。
・カバーが外れたら赤矢印に記してあるベアリングを外します。
※ベアリングはハメ合い精度(オスメスが同径のことです)
で組まれているので手で真っ直ぐに抜くのがコツです。
ハメ合い精度と言っても厳密には多少のクリアランスがあるので
斜めに力を入れて抜こうとすると引っかかって抜けなくなります。
・反対側のベアリングも抜きます。(ボディー本体側)
※こちら側のベアリングは手でスンナリとは抜けません。
その理由はベアリングの外径はボディー本体に嵌っていて
内径はドライブギヤーのシャフトに嵌っている状態だからです。
ドライブギヤーのシャフトをベアリングが抜ける方向に前後に動かしていると
少しづつベアリングが顔を出してきます。
指で摘める位まで出てきたらしっかり摘んで真っ直ぐ引き抜きます。
・ボディー本体側のベアリングが抜ければドライブギヤーは
フリーの状態になり簡単に外せます。
・次にオシレーティングポストと呼ばれているシャフトを写真のように抜きます。
・赤矢印で記してある部分のネジを外します。
ネジを外したら下の写真のようにメインシャフトが抜けるようになります。
・赤矢印で記してある部分のネジを外し
オシレーティングギヤーを外します。
※このギヤーにもベアリングやワッシャーが組まれていますので分解します。
・赤矢印で記してある2ヶ所のネジを外します。
・次にセットプレートを手前に抜くようにして外します。
※写真にはもう1ヶ所ネジが見えますが
セットプレートを外すだけでしたらこのネジは外す必要はありません。
・最後にウォーム形状のギヤーとベアリングを
矢印の方向に引き抜きます。
※ベアリングがやや圧入気味ですので抜く時に少し力を入れて抜いてください。
※寸法公差でバラつきがあるはずなので部品によっては
ハメ合いで組まれている物もあるかもです。
Fはい、これで分解は完了です!
・各パーツを洗浄したら今度は注油しながら組み立てます。
・組み立て手順は分解と逆の順番になります。
部品の位置関係を覚えておかないと組めなくなりますので
デジカメ等で要所要所を撮っておくと役に立つと思います。
※組み立ては分解より難しいです。
組み立て手順が合っていても組み付けが悪いと異音がしたりします。
自信のない方は、使い古したリールや既に壊れているリールがあれば
それで練習して慣れてからのほうが良いと思います。
G組み立ても完了しリフレッシュしたリールです
長くなりましたが、これで説明は終わりです。
尚、下記サイトでもリールの分解やメンテについて詳しく解説されていますので大変参考になります。
食いたい魚は己で釣れ!では下記のリールについて解説してあります。
・ダイワ エンブレムZ 2500LBC
・シマノ BB-X TECHNIUM Mg FireBlood 2500D
・シマノ TwinPower c3000
koppa's Web siteでは下記のリールについて解説してあります。
・リョービ ザウバーSS 1500LBG
・リョービ アプローズXS 1500I
・ダイワ エンブレムS 2500LB
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