------8月8日(水) くもり(湯布院は比較的快適)------

 おはよう。今日は泊まりで湯布院に行く日です。今は朝の7時。道路を見ると濡れています。どうやら雨が降っていたようです。今はもうやんで、ギョイギョイが鳴きだしています。むぅ・・・。後ろでは西山がオニオンスープなるものをつくっています。朝食をとって、8時20分の電車で博多へ行き、高速バスに乗り換えて湯布院へ。では、いってきます。

 博多から湯布院までは高速バスで3時間半ほどの時間であった。湯布院温泉は九州の中では特に有名な温泉地らしい。大分県にあり、大分には他にも別府温泉といったメジャーな温泉地がある。12時に湯布院に到着した僕らはとりあえず昼食をとることにする。バスを降りた湯布院駅前の通りは、いかにも観光地といった雰囲気である。土産物やら食事処などがずらっと並んでいる。僕はひなびた温泉地を想像したのだけど、どうやらそうではないようだ。そんな駅前の通りにある「Denith Blue」というパスタ屋で昼食を食べる。ここは湯布院の観光地的空気とは若干違って、2回に上がる階段のペンキが適当に塗られていたり、手作りの雰囲気を持った良い店だった(音楽も良かった。コンポの上にエゴラッピンのCDが2枚置いてあった)。僕は完熟トマトのスパ&ビール、西山は夏野菜のタイ風カレーを食べる。トマトのパスタは、トマトの酸味と軽くふってあるバジリコが程良くきいていて美味しい。ランチにはサラダとコーヒーが付くのだが、サラダに添えてある湯布院豆腐もさっぱりとしていて美味しい。


(今日のビール 泡がきれいだった)

(タイ風カレー 甘辛スパイシー)

(脂とり紙がくっつくほどのデコ脂)
 昼食を終えてその後ブラブラとお店を見て歩く。西山が行きたいと言っていた雑貨屋「GALLERY BLUE BALLEN」にも行く。そのお店はショップとギャラリーが併設してあり、ショップにはアクセサリーなどの手作りの商品や、いろんな作家(地元のまだメジャーではないような)の絵が商品として飾られている。流木を使って動物をかたどったオブジェなども店内に置かれている。言ってみれば、「僕らでもやれそうなお店」なのだ。こういうお店を見ると、「ものをつくりたいなぁ」と強く思う。また、いつもそう思いながらなかなか実行に移せない自分に歯痒さを感じてしまうのだ。今、僕は絵を描きたいと思っている。

(店内の様子 商品がこまごまと並ぶ)

(隣のギャラリーでは個展が開かれていた)

(関係ないけど 木馬に乗りました)
 駅から20分も歩くと、観光地然とした雰囲気もしだいに薄れ、木々の緑が目に入ってくる。駅前ではゴミで汚れていた川も優しく流れるようになる。そんな小川の静かなせせらぎを聴きながら西山のお薦めの喫茶店「天井桟敷」へ。昭和初期のモダンをイメージしたような内装になっていて、なかなかに素敵な雰囲気のお店である。僕は桃のシャーベット、西山はモンユフ(チーズと生クリームに干しぶどうのトッピング)&梅みつ(梅と蜂蜜のジュース)。桃のシャーベットは「桃だ!」という味。おそらく10人が10人、そう言ってしまうはず。そんな味。
 深く沈むイスに座り、ゆるやかに流れるグレゴリア聖歌を聴く。とてもリラックスする時間。

(店内の様子 昔臭さが良い感じ)

(「桃だ!」な桃シャーベット)

(こっちはモンユフと梅みつ)
−湯布院のセミ事情−
 何と喜ばしいことに、こっちにはギョイギョイがいない!もちろんセミはいる。アブラゼミ5:ツクツクホーシ3:ミンミンゼミ2の割合ぐらいか? 駅の正面に湯布岳がそびえ立っていて、周りは緑に囲まれている。山があり緑が多いというのがセミの分布にも関係しているのだろうと思う。都市部とはやはり違う。とにかくギョイギョイが全くいないというのは何よりも素晴らしい!
 ついでに他の昆虫についても書く。湯布院では既にトンボが多く飛んでいる。気候は福岡に比べて過ごしやすくはあるが、それでも夏の暑さはある。しかしトンボ。僕の印象では、トンボは秋の昆虫なのだけど。ちなみに僕らが泊まった旅館のすぐ近くに小川が流れていたのだが、そこでは川トンボがたくさん見られた。エメラルドグリーンの体に真っ黒の羽がとてもキレイだった。

(アブラゼミ ジージー)

(川トンボ 羽の開き方が官能的)
 そんなこんなで今日宿泊の旅館「仙洞」には夕方の5時にチェックインする。周りは緑に囲まれていて、入り口もまた良い感じの旅館だ。6時に家族風呂を予約し、夕食は7時からにする。家族風呂とは要するに貸し切り風呂のことで、他のお客さんに邪魔されることなく、家族だけで入ることのできるお風呂のことである。もちろん家族に限らず、友人や彼女と入ることもできる(「福島の方には無いの?」と聴かれたが、僕の知る限りでは家族風呂というシステムは無い)。窓からは緑が見え、涼しい風も吹いてくる。とても気持ちよくゆっくりとお湯につかる。
 ゆっくりとお風呂でくつろぎ、7時から夕食をとる。予想以上に豪勢で洗練されたメニューに驚く。「25年しか生きていない僕が、こんなに良い思いをして良いのだろうか?」と不安になるほど。二人、言葉少なに「美味しい美味しい」と食べる。 以下、夕食の献立。

     食前酒
小 鉢  若布ソーメン山芋落し
造 り  鰻の焼霜洗い 海藻サラダ
炭合せ  ひら茸湯葉団子 揚げ茄子煮 鴨の山椒煮オクラ
替 鉢  鯉の南蛮漬 五色野菜
冷 物  滝川豆腐 順才
焼 物  山女魚の塩焼き ハジカミ
冷し鉢  冷シャブ 温野菜
     ご飯
     香物
デザート 柚子シャーベット

(仙洞の入り口 風情のある雰囲気)

(家族風呂 大人二人がちょうどいい)

(夕食 どれも美味しく腹一杯)


(今夜のビール すごいもみあげと髪型)

(真夜中の自動販売機にて)
 満腹になった僕らは部屋に戻りしばらく眠る。そして11時頃に目を覚まし、外に出て夜道を散歩する。夜の道は昼間と違い辺りを歩く人影は無い。聞こえてくるのは「リリリ・・・」という虫の音だけ。そんな夜道を二人静かにトコトコと歩く。

やっと8月8日分を打ち込み終わりました。9日以降の分は福島に帰ってからになるような気がします。とりあえず昨日は湯布院から帰ってきて「千と千尋の神かくし」に号泣しました。観るのは2度目でしたが、1度目より深く感じることができたからだと思う。今日(10日)はずっとアパートにいた。昼寝もした。これからブラブラとするつもり。仕事に就いてからというもの僕はずっと、「このまま大人になってしまうのだろうか?」という不安を抱いていたのだけれど、 福岡での数日を通して、やっと本来の自分に戻ったという気がしています。そして、そのことが僕を心からホッとさせてくれる。25歳にもなって、自分を大人ではないとは思わないが、僕はいつまでも、リラックスしたアホなままでいたいと思っている。うんこ。


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