アルティーナ・ファーレル様 拝啓 お元気でいらっしゃいますでしょうか。 飲み会では、具合が悪そうでしたがその後回復されましたか? お酒って強い人には楽しそうだけど弱い人にはたまりませんよねー。 でもおつまみのホタテとかサザエとか美味しかったですね。 実は僕、以前…お酒をちょっと飲んだだけで理性をとばしてしまい、 周囲の人にそれはそれは失礼なことを言ってまわってしまったのです。 しかもわりとすぐに醒めて、自分の言ったことも全部はっきり覚えてて、 えらく気まずい雰囲気になってしまいました。 あのときの僕は、心に秘めていた言いたいことをすべて言い尽くしてしまいました。 言っていいことも。悪いことも。 ラーダ神官にあるまじき行為です。 だからそれ以来、お酒は飲まないことに決めました。 それなのにあろうことか、一昨日の飲み会の席で、うっかり 大人の味がするおいしいジュースを飲まされてしまったのです。 …飛びました。 ハリードさんに絡みました。 そして、寝ちゃったあなたに毛布をかけようとしたり(先越されちゃいましたが)、 お部屋まで運んでいこうとしたりしました。(止められましたが。) 周囲はハリードさんが運んでいく方向にもっていきたくてしょうがないようです。 そういう雰囲気を感じて、なんだか激しい嫉妬の念にかられました。 そこで僕は自分の気持ちをはっきりと自覚したんです。 僕は… あなたが、好きです。 初めていっしょに冒険した時は、同じラーダ神官の仲間として親しみを感じてて… それに、優しくてほんわかしてるから、いっしょにいると幸せな気分になれました。 でも、はっきり恋愛感情として自覚したのはこの前の飲み会の時です。 僕は彼に比べたら、あなたのことをよく知ってるとは言えない。 女々しい性格だし、臆病さからくる人当たりの良さぐらいしか取り柄はありません。 だから、選んでくれとは言えません。 今すぐに振ってくれとも言いません。 僕は何も大それたことを望んではいません…ただ、あなたのことを想って 一喜一憂してる人物がいるということを覚えていていただければ、幸いです。 それと、あなたの望む人との幸せを。 本当は…こんなことを言ってあなたを困らせたくなかった。 けど…言わなきゃ僕は気持ちの整理をつけられなかったんです。 僕のわがままです。ごめんなさい。 どうか、あなたのこれから歩む道に叡智の光がありますように。 シャルト・リュー |