レポート 投稿 マスコミ
レポート3 家庭教育プログラム:子育て編1
(めだか:児童福祉、養育家庭の専門誌 no.21 平成15年12月)

 これから数回わたってアメリカで実際に行なわれている家庭教育プログラムを紹介します。

  まず始めに、子育て関連のプログラムが日本でも見かけるので、ミシガン州インガム郡で行なわれている幼児と親対象のプログラム2つについてお話をしたいと思います。ひとつはAll children connected to succeed program (ACTS) が行なっている “乳幼児お遊びグループ(infant & toddler play group)” とChild Abuse Prevention Services (CAPS) が行なっている" 子育て養成講座 (nurturing parenting program)“を紹介します。今回はACTSのプログラムです。

 「乳幼児お遊びグループ」は乳幼児を持つ親が子育てや子供の発達(成長)を学ぶ場所として作られました。対象者は乳幼児とその保護者です。参加する保護者の大半は母親で、少数は祖父母と父親です。一講座に15組が参加可能です。60分間の講習の中には歌、お遊び、親への講座が含まれています。“お遊び”は身体、ことばの発達と、社交性、情緒を豊かにする為に考慮されたものが用意されています。週4回ある講座は無料で参加も随時できるようになっています。

 講習のトピックは参加者のリクエストを取り入れながら、インストラクターが子供発達学のリサーチをもとに行なわれています。講習の大半はこどもたちのお遊び時間で、子供同士、子供と親で遊ぶという自由な形がとられています。親への講座は“お遊時間”にインストラクターが保護者のところに回りながら、どうして、この“お遊び“が身体の発達や社交性を身につけるのに良いのかとか話をしていきます。また最初の挨拶のとき、簡単に説明し、壁には遊びのポイントが貼られています。講習の最後には、その日のお遊びのポイントや乳幼児の発達について書かれたものが手渡されます。たとえば、パズル遊びが用意されていたら、ハンドアウトには「思考力をつける」(more thinking skills)といったものが配られます。それにはパズル遊びについてと、その遊びがどうして思考力をつけるのによいとか、その他家庭でできる思考力をつける遊び(パズル以外)について書いてあります。

 参加者にお話を聞いたところ、うちではできない遊びができたり(水あそび、絵の具あそび、大きい遊び道具を使用したもの)、他の保護者と知りあい、情報交換ができたり、子育ての知識が得ることができるので、家に帰ってからも習ったことが実践できるといっていました。
私の感想は、この講座に参加することにより、今までは単なるお遊びや無意味に見えた子供の遊びや動作が知識を得ることにより、子供の成長がよくわかるようになるし、子育ても楽しくなり、仕方もいろいろと自分で工夫できるようになると思いました。また自由は雰囲気のなかで行なわれる講習は子育ての勉強に行かなくてはという観念を持つこともなく、子供と遊びながら、他の親とお話しながらできるので、親自身が子供を連れて遊びにいくという感覚で参加できるので来やすいと思いました。次回はACTSの乳幼児お遊びグループとはアプローチに仕方が違う子育て養成講座 (nurturing parenting program)を紹介します。