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つかごし つねじ

塚越恒爾

つかごし つねじ

1931.1.8(昭和6)〜 2016.3.21(平成28)

昭和・平成期のアナウンサー、児童文学家

埋葬場所: 21区 2種 34側 1番

 東京都大田区出身。祖父は弁護士・地方検事を務めた塚越金次郎(同墓)。祖母は英国人(離縁)。父は神風号で亜欧連絡飛行最短時間記録を樹立した機関士・飛行士の塚越賢爾(同墓)、長男として生まれる。弟はカメラマンの塚越貞爾。
 1955(S30)横浜国立大学工学部卒業。NHKにアナウンサーとして入局。ラジオ時代を経て、テレビの現場中継の黎明期には事件現場リポーターの草分けとして活動。主な報道ではアポロ11号月面着陸、よど号ハイジャック、安田講堂事件、浅間山荘事件などの現場実況中継を担当した。
 '65 NHK総合(月〜金)『午後のひととき』の司会を担当。家庭の主婦を対象に家事の合間にくつろぎながら知的教養を身につけてもらおうという教養情報番組として一年間放送。'74.4.1-'80.4.3 NHK総合(月〜金)主婦向け生情報番組『奥さんごいっしょに』の番組の司会を担当。この番組は暮らしに役立つ情報や実用知識を提供するとともに、家庭の主婦をとりまくさまざまな問題を、現場リポートやスタジオ討論で考える視聴者参加番組であった。言葉遣いやマナー、話し方なども取り上げられることが多く、'70『あなたも国際人 恥をかかなくてすむ旅行・交際・日常マナー』、'75『ディスカッション入門 会議を成功させるじょうずな話し方』(話し方シリーズ)、『話しべたに勇気を与える本 話し上手になる秘訣』の出版につながっている。他に、'78『文字と数は教えるべきか 討論幼児教育』で共著している。'87 NHKを定年退職。
 退職後は、カナダ国際大学初代専務理事・事務局長として創立にかかわる。また対話総合研究所を設立し所長に就任。「話しことば」コミュニケーション研究、話し方についての指導を行った。'90(S2)『口べたがなぜ人をつかむのか』を刊行。
 つかごしつねじ名義で児童文学を作画しており、童話「ファンタ爺さん」のシリーズ、『コッコとコッカの冒険 ファンタ爺さんの物語』(2004)、『金色の雲になったトラ(ファンタ爺さんの話の庭)』(2006)、『天馬と少年(ファンタ爺さんの話の庭)』(2006)を出版。2004(H16)「みんなのうた」で戸田昭吾との共同作詞をした『ファンタ爺さんのうた』がある。創作したストーリーのもとで作られ、作曲は たなかひろかず、歌は石川優美と森の木児童合唱団、イラストを担当したのは弟の塚越貞爾。CDと映像が収録されたDVDがセット販売され、「決定盤 NHKみんなのうた〜なつかしの名曲ベスト〜」「NHKみんなのうた50アニバーサリーベスト〜グラスホッパー物語〜」にも収録されている。
 ニューヨークに住む孫たちが日本語を忘れないようにと自作の童話を送っていたところ、地元の小学校で話してみたらという誘いを受け、東京都大田区にある母校の入新井第二小学校の1,2年生を対象に「口演会」として、授業のプログラムの中に組み込まれた。この様子が、NHKの番組で放映される。「子どもと向き合って夢を追いかけ、その夢が未来につながっていくことを教える、そんな作業がなかなか難しくなってきています。今こそ、爺さんの力と経験が必要とされている」という思いのもと、子どもに夢を伝える「ファンタ爺さん」として全国の小学校で講演活動(口演会)を行った。享年85歳。

<わがまち新井宿 第33号>
<NHK放送史>
<著者略歴など>


 


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