昌谷　忠

　東京出身。曽祖父の昌谷精渓は津山藩儒官の漢学者。祖父の昌谷千里は津山藩士で明治司法官、大審院判事を務めた。父の昌谷三雄は海軍造船少将、長男として生まれる。弟の昌谷孝は日本飼料協会理事長、全国牛乳普及協会会長、農林官僚。伯父の昌谷彰は大分・埼玉県知事、樺太庁長官を務めた内務官僚。
　旧制浦和高等学校（埼玉大学）を経て、東京帝国大学卒業。三井銀行に入行し、1969(S44)専務となる。'71銀行を辞し、ダイセル社長に就任。'79.10.1ダイセル化学工業に社名改称に伴い、会長となる。'83相談役。三井記念美術館に切手のコレクション89,490点を寄贈した。享年82歳。

＜物故者事典＞
＜森光俊様より情報提供＞

＊墓石に「昌谷家之墓」。右側に墓誌があり、俗名、没年月日、行年が刻む。墓誌は父の三雄から始まり、若く亡くなった清美、母のウメ、忠、妻の弘子(H11.12.23 85歳歿）が刻む。

＊妻の弘子は7代目 松本幸四郎の長女であり、市川・松本・尾上三兄弟の妹。よって、11代目 市川團十郎（子は12代目 市川團十郎、孫が市川海老蔵）、初代 松本白鸚（子が9代目松本幸四郎で孫が市川染五郎、松たか子）、2代目 尾上松緑（子が尾上辰之助、孫が4代目松緑）、4代目中村雀右衛門に嫁いだ晃子らは弘子の兄妹であるため、義理の兄弟にあたる。


※外交官でフィンランド公使などを務めた昌谷忠は同姓同名の別人。

昌谷三雄