東京出身。本名は三井鐵男。父は3代目 中村翫右衛門(同墓)、母は落語家の二代目談洲楼燕枝の娘の春子(同墓)、長男として生まれる。屋号は成駒屋。定紋は左巻三藤巴、替紋は裏梅。
1939(S14)9歳の時に中村梅之助を名乗り、新橋演舞場で初舞台。子役から舞台だけでなく映画にも出演した。旧制松本市立中学校を中退後、父が創設した劇団前進座の研究生となり、立役を修業。20代の時に結核を患うが克服。
芸風は父ゆずりで、黙阿弥物など世話物や新作を本領としており、飄逸(ひょういつ)で愛嬌のある芸を持ち味とした。当り役は「俊寛」「河内山」「魚屋宗五郎」「三人吉三」の和尚吉三、「四千両」の富蔵など歌舞伎の諸役のほか、「たいこどんどん」の桃八、「元禄御畳奉行の日記」の文左衛門、「続水滸伝」の解珍、「五重の塔」の源太、「赤ひげ」など、多数な演劇ジャンルに及ぶ。
'70テレビの「遠山の金さん補物帳」(テレビ朝日:1970-1973年・全169話)の遠山金四郎役(初代)で茶の間の人気者になる。NHK大河ドラマ「天と地」(1969)北条氏康役、「花神」(1977)村田蔵六(大村益次郎)役(主役)、「峠の群像」(1982)近松門左衛門役、「元禄繚乱」(1999)石束源五兵衛役、「八重の桜」(2013)松平容敬役に出演。'71「大忠臣蔵」に本多和泉守役では父の中村翫右衛門と共演。遠山の金さんでも父は何回か出演し共演している。'77「達磨大助事件帳」で達磨大助役、'85「真田太平記」で徳川家康役などで好演した。「必殺仕事人」のシリーズではナレーションをつとめた。
'82父没後は前進座を継いで幹事長。主な賞に、大阪市民文化祭芸術祭賞(1961)、京都市民映画祭テレビ部門主演男優賞(1970)、第14回 松尾芸能賞優秀賞(1993)を受賞。2015.5(H27)前進座国立劇場公演「人情噺文七元結」の家主甚八役で出演したのが最後の舞台となった。肺炎のため逝去。享年85歳。