兵庫県淡路薦江(こもえ)出身。本名は栄雄。別名は南陽外史(なんよう がいし)。立教大学卒業。
1889(M22)東京能弁学会に加盟し、機関誌「能弁」にシェークスピアを翻訳。東京能弁学会の幹事である大岡育造に認められ、「能弁」の編集参加した。
1891ごろ大岡育造が経営していた東京中新聞(中央新聞)に入り、同紙にガボリオの「オルシヴァルの犯罪」を『大探偵』と題して訳出したのをはじめ、『夢中の玉』『珊瑚の徽章』などを次々に発表。
1896〜99渡欧し、英国滞在中にコナン・ドイルを知った。帰国後、『不思議の探偵』の総題目で「シャーロック・ホームズの冒険」を翻訳、日本のホームズ紹介の先駆となった。
これを機に、それまでの翻訳はフランスものが主流だったが、イギリス作品に移行する転機となった。
1900アーサー・モリスンの「探偵マーチン・ヒューイット」から八編を「英国探偵実際談 稀代の探偵」として初めて邦訳した。
また『大英国漫遊実記』を博文館から刊行。1910大岡育造が中央新聞を手放すとともに、編集総長の役職にて退社。その後、糖業連合会の主事を勤める等、実業界に入った。
*墓石正面「水田家之墓」、裏面「水田榮雄建之」。墓所左右に墓誌が建つ。左側の墓誌は「唐津 水田 家先祖代々之墓誌」と刻み、唐津乙吉 夫妻、兄 水田力蔵ら江戸後期から明治期の人物が刻む。右側の墓誌は「水田家墓誌」と刻み、水田南陽は「水田榮雄」と共に「南陽を号す」、行年90才と刻む。妻はヤイ。4男の水田義雄(同墓)は法学者。
*水田南陽は砂糖や精糖に関する書物は本名の水田榮雄(みずた ひでお)名義で編者として出版している。主に糖業連合会から編者として出した書物に『糖業関係法規集』『糖業関係法規集』『製糖会社要覧』『臺灣各製糖会會社原料甘蔗採收區域圖』『国際聯盟に於ける砂糖問題』『製糖会社要覧』などがある。