原田義人
はらだ よしと
昭和期の文芸評論家、ドイツ文学者
東京出身。東京帝国大学独文科在学中に加藤道夫(3-1-16)、芥川比呂志、矢代静一らと「新演劇研究会」をつくる。1942(S17)卒業後応召される。
戦後、復員して東大独文研究室の助手、'50東大教養学部助教授、'54渡独し、ハンブルク大学日本語講師、'56帰国。
同人雑誌「方舟」の編集長も兼任し、評論、ドイツ文学の翻訳する。才を期待され、'60.7教授に昇任するが、一ヵ月後に天逝する。享年41歳。
主な著書に、'49『現代ドイツ文学論』、'52『ドイツ文学入門』、'54『ドイツの戦後文学 1951-3年の報告』、'60『文学に親しむために』、'61『反神話の季節 カフカ、ブロッホその他』。
翻訳に、'49『ゲーテの言葉』、'50ニーチェ『若き人々への言葉』、'53『ベートーヴェンの言葉』、'53カフカ『審理』・『城』など全集、'54カロッサ作品集など多数ある。遺作は『反神話の季節』。
＜評論家人名事典など＞
＊墓所は二基あり、和型墓「野島家之墓」（左面に野島親幸のみ刻まれる）。右手前側に洋型「原田義人 1918-1960」が建つ。裏面には「東京大学教授 原田義人 / 妻 蘭子 建之 / 昭和三十五年十二月六日」と刻まれる。
＊「原田ギジン」という名でも活動した。