東京都出身。祖父は多磨霊園の生みの親の公園設計者である井下清(同墓)。
1971(S46)慶應義塾大学文学部卒業。'75シカゴ大学社会学研究科修士課程修了。'76立教大学社会学研究科修士課程修了。'79慶應義塾大学社会学研究科博士課程単位取得退学。 '83国際商科大学(東京国際大学)助教授。
'90(H2)慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部(SFC)創設の中心的人物である井関利明教授のブレーン的な存在として、SFC発足と同時に慶應義塾大学総合政策学部助教授となる。SFCの最も重要な看板のひとつであった「学生による授業評価」を主導し、日本の教育界に大きな影響を与えた。その後すぐ立ち上げられた「キャンパスライフ満足度調査」プロジェクトにおいても、SFCの革新性を実証的に描き出して、初期のSFCの評判を大いに高めた。'95同大学の教授。
専門は社会心理学、教育心理学、マーケティング・コミュニケーション。教授法研究の大家でもあり、グループワークを用いて受講生の気づきを促し、授業の満足度を高める卓越した講義力に絶大な人気を誇り、多くの門下を育てた。
2003.4慶應義塾湘南藤沢中・高等部長(校長)も兼任。学生生活をサポートするStudent Life委員としても精力的に活動された。2014停年退官、名誉教授。
共著に『現代日本のコミュニケーション環境』(関口一郎、田中茂範、平高史也、鈴木佑治、井上輝夫・1999)がある。また翻訳に『不安の心理学』(長谷川浩共訳・1979)、『合弁事業do & don't』(羽太邦子共訳・1987)、『グループ・インタビューの技法』(監訳・田部井潤、柴原宜幸訳・1999)がある。
妻の井下千以子(ちいこ)も心理学者・桜美林大学教授であり、『思考を育てる看護記録教育−グループ・インタビューの分析をもとに』(2004)は、グループ・インタビュー法を用いた臨床報告を、井下夫妻と教授仲間たち(柴原宜幸・中村真澄・山下香枝子)で共著刊行している。神奈川県相模原市の病院にて逝去。享年66歳。葬儀、告別式は近親者で執り行われ、2016.4.17「井下先生を偲ぶ会」が慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにて催された。