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いいやま としみち

飯山敏道

いいやま としみち

1927.10.25(昭和2)〜 2012.9.15(平成24)

昭和・平成期の地球科学者、岩石学者

埋葬場所: 12区 1種 4側

 東京出身。祖父は鉄道技師の飯山敏雄(同墓)、父は地理学者の飯山敏春・利他(共に同墓)の長男。
 1951(S26)東京大学理学部地質学科卒業。'54同大学院前期課程(旧制)修了し、理学部助手となる。'55東京医科歯科大学歯科材料研究所助手を経て、'57助教授となり、フランス政府給費留学生としてパリ大学理学部大学院博士課程入学。 '59フランス科学研究院(CNRS)副手、'60パリ大学理学部博士課程修了、フランス国家理学博士。同年フランス最大の政府基礎研究機関であるフランス国立科学研究センター(Centre National de la Recherche Scientifique,略称 C.N.R.S.) 助手、'64助教授を経て、'70教授。 '76帰国し、東京大学理学部教授(地質学教室)となる。'88東京大学名誉教授。'87千葉大学理学部教授となり、'93(H5)停年退官。'94〜2002国士舘大学教授を歴任した。
 この間、'79フランス鉱物学会副会長、'80日本資源地質学会(旧 日本鉱山地質学界)副会長、'84東京大学評議員、測地審議会臨時委員、鉱業審議会委員、東京大学理学部附属地殻化学実験施設長、千葉大学大学院自然科学研究科環境科学専攻長などの要職を務めた。 '86〜'88日本資源地質学会会長。'90フランス国立太平洋大学科学文化評議員、'92日仏政府間科学技術諮問委員会委員。'97日仏会館常務理事、2001日仏会館学術委員長、2004地球化学研究協会三宅賞選考委員長を務めた。
 英文校閲者として黎明期の『Joumal of Mineralogical and Petrological Sciences』誌を支え、英文国際誌として認められる基盤を作った業績は大きい。これにより、岩石学・鉱物学・鉱床学のそれぞれの分野において活躍第20回日本岩石鉱物鉱床学会 渡邉萬次郎賞を受けた。
 岩石や鉱物について、主に室内実験を中心とする研究をおこない、またそれを鉱床の生成機構の解明に応用する研究をおこなった。 特に合成実験に基づいて、岩石を構成する主要な鉱物である雲母や長石類について、固溶体の形成領域を明らかにし、また微量成分の結晶構造内における振る舞いや分布を明らかにした研究で知られる。 このことから「日本の実験岩石鉱物科学の父」と称された。また、日仏共同による深海潜水観察調査KAIKO計画を推進するなど、日仏両国の学術交流・大学院生交流に多大の貢献をした。 これらの業績にたいし、'83フランス・オルレアン大学名誉博士号、'85(S60)フランス国家功労章騎士号、'98(H10)フランス国家功労賞士官号の叙勲も受ける。
 主な著書に、'89(H1)『鉱床学概論』『地球鉱物資源入門』、'94『実験地球化学』(河村雄行・中嶋悟と共著)、2005『フランスワインテロワール・アトラス−フランスぶどう畑大図鑑』(ブノワフランスと共著)などがある。ロベール カンデルが著した『気候の未来』('93)の翻訳も手がけている。享年84歳。

<日本岩石鉱物鉱床学会 渡邉萬次郎賞審査委員会 表彰者略歴など>


 


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