免許取得始末記      H15−7―15

 稲沢自動車学校に、申し込みに行ってみると、オジンやオバンはほとんど居らず、大学生や高校生が大半である。30数万円なりの金を払い、目出度く学生となった。学科や実地の申し込みは、このカードで、端末から行うのであるが、システムは、NECである。そういえば、市役所も、病院も皆、NECが多く、日立など見た事もないのは残念である。

 さて、教科書とボールペン、二色のマーカーを持って教室に入る。時間前に入らないと、鍵をかけてしまい、入れてもらえない。一般の学校よりよほど厳しい。
授業態度の悪い高校生どもに、どのように教えるのかと思っていたら、説明しながら、ここは試験に出るから、マーカーで塗れと言いながら講義を進める。
必要に応じて、解説をして、これを書き込ませる。机には、4つの押しボタンがあり、時々、質問を出して、皆に押させる。この答えは、座った机で分かる様になっている。

大抵は、3択問題だが、「会社が、左前になった時、営業と事業部と工場とどこから人を減らすか?」などと言う問題よりはよほど難しい。また、分からない問題があったら、YESの方を丸とせよ、その方が、あたる確率が高いなどと言う。
 高校生どもも、高い授業料をはらってこのようなやり方で教えられるから、中々、寝ている暇もない。

 これは良い方法である。会社で外部講師などがプロジェクターを使って講演などすると、寝ている不届きな奴がいるが、これでやれば、寝ている奴も減るであろう。ということで、部長研修でやってみたら、かなりの効果があった。

また、試験問題と復習をかねて、問題が出る。宿題も多い。自己採点で間違ったところは親切に教えてくれる。
単に、学校の問題をやっただけでは、面白くない。インターネットで調べたら、色々な問題集がある。カワイコチャンが質問を出して、「ピンポーン、当りです」などと言うのもある。

 次に、実地であるが、前後を確認して、前から回って乗れとか、色々と段取りがうるさい。教え方も、人によってまちまちである。中には、この学校が出来る前、ここにあった紡績会社にいた人もいて、「昔、仕事が無かった頃、御社に場所を貸して、四角い電気製品(MCSか?)の組み立てを手伝ったことがありますよ」などという。
S字だのクランクだの車庫入れだのやらされるが、要は、幾らゆっくりでも、標識にぶつかったり、縁石に乗り上げたりしなければよい。事業部の部長の仕事のやり方みたいで良いのだということで納得させられた。
 応急処置の実地訓練などもあり、模型を使ったり、誰かが被験者となって行うが、女子高生でもモデルにすれば良いものを、小生がモデルにされてしまった。

 かくして、仮免試験となるのであるが、会社の都合上、仮免試験の日の間が二週間もあいてしまう。これでは、自信がないので、教程終了の認定は、仮免の直前で良いから、あと二度ほど、自信のないところを練習させろと交渉し、二回分の費用を追加して練習した。
 試験の結果は、実地は問題なし。ペーパー試験も、インターネットのカワイコチャンのおかげもあり、100点満点である。

 さて、いよいよ、公道での本格的実習となる。「制限速度を守らないと合格には出来ないが、免許を取ってからは、流れに乗って運転したほうが良い」とか「黄色信号では、迷うことなく突っ走ったほうが良い」とか色々と教えてくれる。

後半になると、自分でコースを設定するが、どうせやるならと思い、雨の日に国府宮の駅前を通るルートなどで練習した。ともかく、ここは、不法駐車やら、周囲を良く見ない歩行者やら、何でもありだから、一人では、怖くて運転できないが、横に指導員がいれば安心である。 

 そして、いよいよ、本免取得の認定となった。所が、葬儀やらなにやら、重なって、最後の所で、実地練習に空白ができた。そんな状態で車庫入れをしたら、どうももたもたしている。
案の定、試験官が首をかしげている。「ともかく、一月九日が本免の日だ。そこしか、会社の都合で試験が受けられないんだから、OKの認定をしてくれ。落ちるのは俺なんだから」などと交渉し、承認印を押してもらった。

 しかし、今一、自信がない。そこで、イメージトレーニングを行った。それは、コタツの角を、車庫の入り口に見立て、左後輪の位置をイメージし、前輪の進路を想定しつつ、ハンドルを切りながらバックする。というものである。これをくり返し、軌道の位置を頭に叩き込んだ。
これで、実地も問題なく、ペーパー試験も一問、間違えたのみで合格となった。

最後は、平針の免許証交付所でのペーパー試験である。

行って見ると、色々な受験者が居る。試験の申込書は、10回分くらいの受験欄があり、ここに受験日が書かれて行く。小生の前に座った女の子を覗いて見ると、すでに5回ほど赤いはんこが押してある。すでにそれだけ受験しているのだ。(落ちていると言うこと)教習場で聞いたところによると、稲沢での最高記録は14回だとか。
 試験そのものは、問題なく、さっさと終わらせて、周りを観察してみて気が付いたことは、問題が出来ないというよりは、どうやら、読んで理解するスピードが遅いのではないかと言うことである。「読み、書き、そろばん」と言うが、若い人達の読解力と読書のスピードが遅すぎる。

 試験は、3問ほど間違えたが、無事、合格した。

これで、いよいよ、運転が出来る。乞うご期待!!!