07年12月18日祝!地下鉄開通80周年 メトロに乗って綾瀬検車区に行こう!! 後編
ゲスト:原田芳雄、松尾貴史(進行)、土屋礼央、南田裕介、原田喧太、田中要次、豊岡真澄、ダーリンハニー、東出有輝(案内)、大橋聡
先週に引き続き、メトロで乗り換えなしで、王子検車区から綾瀬検車区まで行く話である。先週は2度連絡線を通過し、千代田線に入ったところまでだった。

今回は大手町通過から。ホームで待機している撮影スタッフに手を振ったり、不忍池付近の留置線(折り返し可能な路線)を見たりしつつ、東出の一週間のタイムスケジュールを見る。8時間半勤務が1日、翌日は24時間勤務、24時間休んでまた24時間勤務、で、丸3日休み、というのが基本のスケジュール(24時間勤務の日は8時間程度の仮眠・休憩あり)のようだ。ダーリンハニー吉川はそんな東出の仕事ぶりを何度か見に行っているらしい。彼女とも順調で、結婚間近とのこと。ずいぶん差を開けられた感の南田はちょっと悔しそうだ。

東出だけでなく、電車クラブ初参加の原田喧と田中の鉄道エピソードもチェック。田中については、JR時代にどういうことをしていたかという方向に話題が流れた。保線マンだったので、線路の保全がメインだったようだが、サンダーバード4号を意識してマシンのカラーリングを行ったりもしていたよう。原田喧は子供のころにSL走行音のレコードを聴かされたり、身近にジオラマがあったりとやはりかなりの英才教育を受けていた様子。

そうこうしているうちに地上に出る。荒川を越えて綾瀬で一旦停車、さらに進んで6000系のハイフン車とすれ違い北綾瀬で再度一旦停車。いよいよ綾瀬検車区へ突入だ。ゴールが近づくと車両がいろいろと見えてきて、一同のテンションもさらに上昇。シャッターも止まらない。そして新型ロマンスカーMSEと並んで停車。検車区の見学へ。

最初はロマンスカーMSEへのおさわりタイム。タモリは標準軌になっていないことが不満のようでちょっとボヤいていた。次は有楽町線10000系の撮影会。キッチュが視界に入るように気取ってポーズをとると「邪魔ー」と一斉にブーイング。10000系が少し高い所にあって下から覗くような形で撮れるだけあって、みんな撮影に真剣だ。LEDライトをつけてもらったり、初代銀座線の音を再現した警笛を鳴らしてもらったりというサービスも受けた。

さらに車両を使ったアトラクションまでさせてもらう。千代田線の6000系の非常扉を開けて脱出する体験だ。これをくじ引きで決定する。くじは名前ではなく「お笑い」「俳優」などのジャンルが書かれており、当たった枠の中から1名が体験できるという仕組み。くじはミュージシャンだったが、本職の原田喧や土屋ばかりでなく大人げないタモリや原田芳も立候補する始末。結局は原田喧が体験することになり、「大統領、千代田線で来日」のような構図に。他のメンバーは体験できなくとも、先頭車両が開くところなど普段は見られないから、それはそれで楽しそうだった。もう一組体験できる枠があり、これはホリプロ枠で豊岡が体験することに。新婚とあって結婚行進曲と拍手に迎えられた。

アトラクションはもう一つ、ドアの開閉テストもさせてもらう。羽子板を閉まるドアに挟み、その車両だけ車側灯が消えなければよい、というもの。くじは俳優枠で2名1組なので、本職の原田芳と田中がコンビを組んで体験することに(タモリは不満げ)。田中が開閉操作を行い、原田芳が羽子板係。テストは成功で、田中も嬉しそう。ここまで特になにもしていなかった南田も、6000系の実際の設備を使って車内アナウンスをする機会に恵まれ、大喜びでアナウンスした。吉川やタモリも同様にアナウンス。

さらに車両自動洗浄機を、車両に乗ったまま体験。内側のままということで一同大興奮、できるだけ洗っているところを見たいのか、みな車両を走り回っていた。そして最後は電車クラブ会員証の贈呈式。原田喧・田中にはシルバー会員証が、豊岡にはメタリックピンクの会員証が贈られ、副都心線開通時の再会を約束する運びとなった。なお、12月15日の10〜15時に、綾瀬車両基地見学会と車両撮影会が挙行されるとのこと。

いや今回も東出はいい感じだ。前職当時から南田のように大興奮したり挙動不審になったりすることはほとんどなかったとはいえ、出る光景出る光景が普段見慣れているためか、常に一歩引いて適宜解説を入れていくところがいい。普段進行するキッチュはたまたま毎回担当しているだけで本質的には電車に詳しくないと思われるだけに、電車クラブには常に欲しいところだが、いわゆる芸能界の人間でなくなっただけに、メトロが関わらない限り今後出演することはないか。それにしてもあの勤務スケジュールはうらやましい…。他のメンバーのはしゃぎぶりはいつものこと。タモリが不満そうでありながらも、アトラクション参加を我慢できているのはちょっと大人になってるなと感じた。C

関連リンク:東京メトロ


空耳アワーの結果

安斎、毎年恒例の東京ドームシティのイベントの紹介をしていた。

ミュージシャン曲名賞品
ララ・ファビアンオトロ・アモール・ヴェンドラ手ぬぐい
Mr.バングルスタブ・ア・ダブ耳かき
キング・クリムゾンエレファント・トーク耳かき

 

07年12月11日祝!地下鉄開通80周年 メトロに乗って綾瀬検車区に行こう!!
ゲスト:原田芳雄、松尾貴史(進行)、土屋礼央、南田裕介、原田喧太、田中要次、東出有輝(案内)、豊岡真澄、ダーリンハニー
ことしは番組内では鉄道企画が充実していたが、今回はその中でも一、二を争う特大スケールの企画。余計なゲストのカットインも排除して、のっけから臨戦態勢で何をするかといえば、東京メトロの全面バックアップの下、タモリ倶楽部専用の臨時列車を走らせるというものだ。それだけでも大がかりなのに、王子検車区を出て南北線、有楽町線、千代田線を乗り換えなし(連絡線を使用)で縦断、綾瀬検車区に入ったら綾瀬を見学という通常ありえないコースだけに、タモリも番組開始時からかなり興奮ぎみ。

メトロに乗るべく王子検車区を進むと東出がお出迎え。マネージャー時代に番組に出演していただけあってすんなり溶け込み、専用車両の南北線9000系(ヘッドマーク付き)へ。その姿が見えただけで興奮する一同、さっそく即席撮影会のスタート。既にテンションは最高潮、扉が開いただけで拍手喝采だ。東出お手製の今回の旅のしおりで行程を確認し、いよいよ出庫。

動き出したとたん、一同かぶりつく。保線用のモーターカーを見て歓声、停止して本線を列車が通過すると歓声、ポイント切り替えで歓声、駅に止まらず通過するだけで歓声、複線シールドトンネル内を車両がすれ違うと歓声、通過の様子を撮るため駅で待機しているスタッフを見つけて歓声と、鉄道ファンというよりJR保線マン出身という経緯で今回のメンバーになっていた田中はその様子に少々驚いているようだ。駒込を通過してレールに継ぎ目がない路線に入り、なお快調に飛ばすタモリ倶楽部号。S字カーブの連続を越えると南北線最大の下り坂、息つく間もなく南北線最大のカーブをクリアして市ヶ谷で一旦停止。扉は開かなかったものの、東出の同期の見送りを受けて再出発。

市ヶ谷を出るといよいよ連絡線で有楽町線へ入る。本線を離れ、スイッチバックを繰り返して有楽町線の市ヶ谷駅へ出る格好。連絡線に入るのはもちろん初めてなのだろう、入るだけで「あーこりゃいい」と感嘆の声が次々あがる。ポケットに入るとスイッチバックのため運転士が最後尾車両へ移動。一行も当然それについて移動だ。有楽町線をまたぐ直前には有楽町線の市ヶ谷駅も見え、それだけでも悶える一行。そうするうちに2度目のスイッチバックになったため再移動。有楽町線本線へ入る。乗務員交代を経て、本線を突き進む。

有楽町線に入るとすぐにダイナミックな上り坂、そして二層構造の麹町駅と見どころ連発。次の桜田門駅でまたスイッチバック、千代田線へ移動するのだが、ここで豊岡とダーリンハニーが合流。連絡線は桜田門駅から外務省上の交差点の直下あたりを経由して霞ヶ関駅まで弧を描くように進む。ほとんどUターンに近い、かなり大きなRを描いて霞ヶ関駅へ。

千代田線に入って二重橋前駅を通過。そのホームにあったのは、「後編へ続く」のボード。今回はここで終了、当然ながら来週へ続くとのこと。


鉄道ネタも食傷気味ではあるが、ここまでスケールが大きくなると面白い。岸田繁がいないほかはほぼ電車クラブのオールスターだし。不勉強で連絡線の存在は知らなかったが、「乗り換えなしで他の路線へ」というのは夢のようで興味深く見た。このシリーズではメンバーは基本はしゃぐだけなので、常識人がいかに引き締めるかということになってくると思うが、今回は東出が冷静にツボを心得た解説をしていたおかげでバランスが取れていたように思う。さすが好きなものを仕事に選んだだけあるな。そしてこれだけメトロの全面協力が得られたのも彼がいたから、なのだろうか? 原田喧は「うっはっはっは たまんないっすねぇこれ」くらいしか喋ってないが、電車自体は好きそうなのでまあいいか。あと、毎回同じようなメンバー構成で見ていると、たとえば土屋は知識をできるだけためこみたいタイプかなあとか、各人の個性が見えてくるようで楽しい。ここまでスケールが大きくなると南田の出番がほとんどなくなるというのも面白い。B

関連リンク:東京メトロ


空耳アワーの結果

安斎、12月22日にチョコベビーズのライブをするらしい。

ミュージシャン曲名賞品
ニュー・ファウンド・グローリーウィスキー・ローズ手ぬぐい
サム・クック誰かがあわれみを手ぬぐい
ジョアン・ジルベルト夜明けのベランダ耳かき

 

07年12月4日散歩の足もとに美味いものあり! 都会の公園でキノコ狩りを楽しもう!!
ゲスト:ほんこん、梶原善、FUJIWARA、長谷川明(指導)
夢の島公園はごみ処分場を整備してつくられた公園だが、そのようなところにも秋の味覚・キノコは生えている。今回はそんなキノコを求めてやってきたほんこん一行に同行して、(台風雨の中)キノコ狩りを行う。日本にはキノコは5,000〜6,000種類もあり、うち毒キノコは200〜300程度とのこと、果たして食べられるキノコは見つかるか。

キノコ狩りに際しては、キノコが枯れ木・切り株・地面などあらゆるところにあるので、なるべく大勢で探すことが最大のポイントのようだ。それを踏まえてあちこちに目を配りつつ木々の中に入っていくが、いきなりタモリがキノコを踏んづけてしまう。踏んだキノコはベニタケの仲間(毒キノコ)。食べたら下す程度の毒だが、見た目は普通。実際、縦に裂けると毒キノコ、色が派手だと毒キノコ、といった噂は迷信にすぎないとのことだ。

再び探し始めて間もなく、今度は梶原がヤナギマツタケを発見。商品化もされている食用のキノコだ。ただ、古くなっているそうで見送られることとなった。続いて原西が霊芝のもとになるマンネンタケを発見。これも一応食用だが、漢方に使われるほどでおいしいわけではないので見送りに。次のキノコは発見者の手柄の奪い合いになるほどだったが、アカキツネガサなる食毒不明のキノコ。食毒不明であるがゆえに食べるかどうするか(芸人としてオイシイ画になるかどうか)という話になるが、結局チャレンジには至らなかった。

雨足が強くなったので、ここでキノコ狩りは一旦中断。長谷川によるキノコ雑学講座が展開される。有名な毒キノコ・ベニテングダケの陽気になるという毒の作用、致死量7g、じわじわと効く猛毒のドクツルタケ、食毒不明ながらカレーのようなにおいがするニオイワチチタケ、形からその名がついたがかなり臭いカニノツメ、やはり猛烈な悪臭を放ち、学名に陰茎が入っているスッポンタケ、公園にも群生するがおいしくて健康食品としても注目されるハタケシメジについて話してもらった。

といったところでキノコ狩りを再開。再開後最初に見つかったのはつつくと胞子を出すエリマキツチグリ。食毒不明なので回避。そしてついに藤本が食用のササクレヒトヨタケを発見したが、小さすぎて食不適という結果に。そうしているうちに雨足はますます強くなり、レンズが曇ってしまうほど。と、松の木のそばで大物発見。しかし食毒のサマツモドキだった。

結局今回の収穫はゼロ。スーパーで買ってきたシメジ、エノキダケ、シイタケ、マイタケ、エリンギを食べることに。タモリがエリンギをマツタケにする方法(松茸のお吸い物を溶かした水に焼いたエリンギを漬け、二度焼きする)を披露しつつ、みんなで舌鼓を打った。


キノコは種類が多すぎるので、いざ公園などに行っても今回の内容が役立つとも思えないが、やはり食用に適さないものが多いのだなあとは感じた。致死量の毒を持つようなキノコはなかったのだろうけれど、長谷川がニコニコしながら食毒だなどと言うものだから、かえって恐ろしさが出ていたような気がする。それよりも、途中で急遽企画変更ということもなく、台風接近中の中よくやるなあというのが最初の印象。最近よくある役者枠では梶原が出てきたが、こういう天候の時に呼ばれて災難だな…。大変なのはFUJIWARAも同様で、およそ3年ぶり、知名度が上がってからは初めての出演でこれというのはキツそう。いまいち番組のペースに噛みあっていない感じなのも大変そう。それでもみんな本気でキノコを探すあたり、プロとしての仕事を見る思いで感心。D

空耳アワーの結果

オープニングで「誰が言ったか言わ…」と言い間違い。また、モニタが故障して、ノートパソコンから直接鑑賞していた。

ミュージシャン曲名賞品
ソイルワークライク・ジ・アベレージ・ストーカー手ぬぐい
ロス・ロボスラ・バンバ手ぬぐい
クーリオシー・ユー・ウェン・ユー・ゲット・ゼア手ぬぐい

 

07年11月27日サンマ大漁記念! せっかくだからおいしくキレイに食べよう!!
ゲスト:石田靖、山崎樹範、田山涼成、勝田和宏(進行)、風間璋子、陦和幸
ことしはサンマが豊漁で、お値段も安くなっている。そこで石田らがサンマパーティーを企画、タモリはそれにお呼ばれする形になったが、実際のところ、果たしてサンマをきれいに食べられるものかどうか? そこで今回は、(タモリは「イヤだ」と言っていたけど)みんなでサンマの食べ方を学ぶ。

タモリは食べ方にあまり自信がないようだが、他の3人は庶民の食べ物であるせいか、なかなか自信を持っているようす。ということで、まずはじめに何の指導もなしで田山の普段の食べ方を鑑賞。全員でチェックしていく。正面に奥さんがいるというところからツッコミ入りまくりだが、ともかく食べ始め。背骨に沿って身をいくらかほぐし、そこへ醤油を垂らし、さらには大根おろしにすだちをかけ、一口目ははらわたごっそり、身を少し包んで、といった流れだが、メンバーの食べ方とは違うようで、山崎には「全然トンチンカンじゃないですか」とまで言われるほどだった。一方、他のメンバーの一口目はといえば、石田は背骨を外してしまってそれにしゃぶりつくところから、山崎とタモリは頭のあたりの身を普通に。ただ、タモリははじめに背骨を除くという石田のやり方に感心したようだ。

半分食べたあとにどうするか、ということについては、ひっくり返して同様に、というのが大勢だが、石田のやり方にすればその必要もないとのこと。ここらで石田は誇らしげにするのだが、田山にしてみれば「育ちが悪い」とかで、何やら人格否定合戦の様相。と、ここで勝田の食べ方に振られて事態が急転。一口目は真ん中からというのはともかく、ハラワタは食べない(食べたことがない)、お尻のほうも食べないという発言、身がたくさん残っているのに終了という姿勢に、ブーイングを通り越して絶句する一同。何とか腸を食べさせようとするが素で嫌がる始末。

ということで急遽勝田にサンマのハラワタを食べさせるドキュメントとなった。ハラワタ周りの小骨で既に嫌がっている勝田に酒は呑まないのかと尋ねると、呑む、と。ただ、肴は焼き魚や塩辛ではなく、チョコレートなどの甘いものだとのことで、ここでもブーイング。で、恐る恐るハラワタを口にした彼は、「にがっ」と眉をしかめっぱなしだった。

後半にきてようやく本題の食べ方を風間から学ぶ。最も大事なのは、一緒に食べる人が食べる気をなくさないようにすること。勝田のような食べ方ではダメだということだ。箸をつけるのは手前(腹側)から、頭から尾へ。上身を食べたら尾側から骨を折り、身から外して皿の向こう側に置くのが作法のようだ。ひっくり返すのはご法度。風間によれば、田山の食べ方がいちばんきれいだったとのことだ。また、魚屋の陦からも時間がないときに有効な食べ方を学ぶ。それは頭に箸を入れ、一気に尾まで引くというもの。包丁でおろす感覚だ。これだと小骨も簡単にとれるとのこと。あとは骨を除いて、大根おろしや醤油をかけ、最後に身を戻して一気に食べる、と。当然風間には怒られる食べ方だが、一同は感心しきりだった。

最後はカレイの煮付けをみんなで食べる。エンガワは口に含んで骨を出すしかない、というような話をしている横で勝田が小声で「エンガワってどこですか」と。本日のMCとして果たして適格だったのか、最後まで疑わせる勝田であった。


田口が食べるときにコメントしたいときはベルを鳴らしてから、というわけのわからないシステムを導入していた序盤は、ベルがチンチン鳴ってギャラリーが言いたい放題、という構図だったが、勝田の食べ方が露見してから事態が急転していく(本題の食べ方はもはやどうでもいい)のが見ていて楽しかった。マズそうに食べる姿は見ていて気持ちのいいものではないが、そんな視聴者の心境を出演者一同が心を一つに代弁している感じがいい。この展開が台本上のものかどうなのかは知りようがないが、想定外の展開であるならこれは奇跡のような一本だ。台本どおりなら、まあよくできた話だという感じ。B

空耳アワーの結果

ミュージシャン曲名賞品
マルーン5アンティル・ユー・アー・オーヴァー・ミー手ぬぐい
エリス・レジーナマスカレードの夜耳かき
アイアン・メイデンキャン・アイ・プレイ・ウィズ・マッドネス耳かき

 

07年11月20日追悼“神様” カール・ゴッチ プロレスの芸術品 ジャーマン・スープレックス大賞
ゲスト:浅草キッド(博士が進行)、山本小鉄、吉田豪、三又又三
芸術の秋ともなれば芸術鑑賞をしよう、ということで俎上に載せるのはプロレスの神様ことカール・ゴッチ。彼は残念ながらことし亡くなってしまったわけだが、彼の遺したジャーマンスープレックスホールドはいまなお燦然と輝き、芸術の域にすら達している。そこで今回は、ゴッチを含めた名手たちのジャーマンを鑑賞し、神様の功績を称える。

まずは本家のジャーマン。本家だけあって美しさは随一だ。身体が硬くブリッジの体勢が苦しかったにもかかわらず美しいというのが見事。次は初代タイガーマスク。上から角度をつけて落とすだけでなく、技をかける側の反りがすごい。藤波辰巳のジャーマンは滞空時間が長く、そういう綺麗さがあった。前田日明は身体の柔らかさを活かし、実にスムーズなジャーマンを披露。高田伸彦は膝が悪い時期で一度バランスを崩しながら立て直して落とすジャーマン。山崎一夫は落とすというより投げるジャーマン。越中詩郎のジャーマンは投げ終わってもブレがない綺麗なもの。ヒロ斎藤は隠れた名手で、柔らかい身体を活かした高速ジャーマン。VTRのレフェリーが山本でひとしきり盛り上がった。馳浩は低い体勢でしっかり踵を上げて投げていた。亜流というか、一風変わったジャーマンも見せる。リック・スタイナーは怪力を活かした投げっぱなしジャーマン。関本大介は山本によればあまり綺麗ではないようだが、下から持ち上げてそのままジャーマンに持っていくというもの。

また、ジャーマンにちなんでドイツ料理を食べながら、ゴッチに関するさまざまなエピソードも語られる。ゴッチと猪木の師弟関係とか、実はベルギー出身だとか、60歳を超えてもスクワットを3000回こなしていたとか、タモリが前田日明の後援会長をやっており、彼の凱旋帰国の際に来日したゴッチに会っているとか、社交的ではなくいつも黒い服ばかり着ていたとか、ストーンズTシャツを着ていた佐山聡に説教したとか、虫歯が見つかったので全部抜いた(バランスが悪くなるので)とか、ロックスターの伝説のようなエピソードがずらり。

さらに、ゴッチ門下生の山本がゴッチ式の練習を三又に指導する場面も。バラエティー的おいしさを求める三又だが、おいしい練習などないということで、鬼コーチの山本のもとトレーニング開始。トランプを交互にひき、黒が出たらスクワットを、赤が出たらプッシュアップを、それぞれ数字の数(スクワットは数字の倍。絵札はスクワット50回、プッシュアップ20回)だけやるというものだが、あっという間に三又はバテバテだった。

最後は今回見たジャーマンを一気に見て終了。玉袋の「ニュー・シネマ・パラダイスのラストシーンのよう」という発言は言いえて妙というか。


プロレスのことはよくわからないが、ジャーマンはもちろん知っているし、その美しさもわからんでもない。おそらく選りすぐりのジャーマン集なのだから、出演者と一緒に「おおー」となれるところもちょっといい。直接関係なかったとはいえ、豆知識に関しては随一の吉田豪を呼んでいるところも好感。浅草キッドもこのジャンルについては専門だが、かといって出すぎずゲストを前面に出すあたり、心得ているなあといった印象。そんな中で玉袋はしれっとヌルヌル事件に触れていたが大丈夫か。山本がいまいち周囲と噛み合っていないように思えたが、おそらくはトーク自体不慣れなのだろう、仕方ないか。C

空耳アワーの結果

ミュージシャン曲名賞品
TOTOエンジェル・ドント・クライ手ぬぐい
KISSシークレットリー・クルエル耳かき
システム・オブ・ア・ダウンユー・フィグ耳かき

 

07年11月13日首都圏日帰りエレベーターガイド!!
ゲスト:江川達也、堀部圭亮(進行)、おぎやはぎ、塚田典彦(解説)
「毎度おなじみ・・・」といつものオープニングが始まるが、謎の音声トラブルが発生。武田広により企画紹介がなされる。今回は、乗るだけで楽しい個性的なエレベーターを紹介する企画。企画にちなんでロケ地はテレ朝のエレベーターホール。両脇にエレベーターがあるナイス環境だ。各々のエレベーターで上る様子をVTRで見ていくのだが、見る前に両側のエレベーターから小木や矢作が当該機の趣旨を表すプラカードを持って現れるという趣向もある。

最初に見るのは「日本橋の老舗」、日本橋高島屋のハンドルレバーでドアを開閉するレトロエレベーター。蛇腹形状でフロアも見える構造になっており、一同ノスタルジックな気分に浸っていた。続いて「日本最速」、横浜ランドマークタワーのエレベーター。宇宙空間をイメージした天井を備え、地上273mの69階までわずか40秒、最大時速45kmという速さ。また、高速移動にGはつきものということで、Gの話題で盛り上がった。

エレベーターの動く仕組みも学ぶ。基本は錘と籠との重量バランスを取って、巻き上げ機により駆動するというもの。吊っているのはもちろんワイヤーだが、これが万一切れたら非常止め装置が作動する。ロッドがガイドレールに密着することで停止させることができるのだそうだ。もっとも、事故などほとんど聞かないし、ワイヤーも安全率を10(通常の構造物だと1.5〜2くらいか)に設定しているようだが。

エレベーターガイドに戻る。「おしゃれ最先端」はアップルストア銀座のシースルーエレベーター。完全オート運転で各階停止、防音設備も備え構造が見られるらしい。アップルストアの中でも世界唯一の設備だそうで、行列ができたこともあるそうだ。「シースルーで地上210m」はカレッタ汐留のエレベーター。同じシースルーでも最大時速22kmとシースルー最速級の速さを持ち、さらにかなり高いところまで上がる。世界最速は現在時速60kmとのことだ。「宇宙旅行」は足立区立ギャラクシティの、宇宙船を模した内装が施されたエレベーターだが、インパクトは薄く、タモリは不満げだった。最後は「昭和7年生まれ」という銀座の奥野ビル。階層表示は半円のダイヤル、二重扉の手動式、メーカー不明、さらに7Fまで上がるのに34秒というレトロエレベーターだ。遅いながらも雰囲気は十分で、自然と一同に笑みが浮かんでいた。

ラストは適当な階層を押し、体感だけで何階にたどりついたか当てるというエレベータークイズをやろうということで一同エレベーターに消えていった。実際にやったかは不明。なお、オープニングの「謎の音声トラブル」は、オープニングトークが時事情勢にそぐわないために隠す目的で被せられている(はず)。今回は、撮影自体は06年4〜5月頃に行われており、放送直前にシンドラー社のエレベーター死亡事故が発生した関係で一旦お蔵入りした企画なのだ。


先日エレベーター企画はどうしたと思った矢先に放送。まさか陽の目を見るとは思っていなかったので嬉しい誤算だ。単にエレベーターに乗っている映像を見るだけと言ってもいい企画だが、それだけなのにけっこう面白く一同の食いつきもいい。最後に見たレトロエレベーターは乗ってみたい。先日うっとうしいなあと思った江川はこれくらい控えめだと感じよく見られる。一時期タモリが知ったかぶりを連発していたことがあったが、この回もその傾向が若干見られる。知ったかぶりというか空回りか。最近は見られなくなってきた大人気ないタモリが見られて新鮮だった。おぎやはぎの扱いが相当酷い。ここまで地味な使われ方をするとは…。C

空耳アワーの結果

安斎不在、塚田を除くゲスト一同で鑑賞。堀部が葉書読み。先週も不在だったのでそれに合わせてここにぶつけてきたのだろうか? ただ、今週の不在理由は遅刻ではなく諸事情によるとのこと。会話から察するに、かなり巻いた結果、安斎の入り時間より前に撮り始めたということか?

ミュージシャン曲名賞品
イエス遥かなる思い出手ぬぐい
ルベッツシュガー・ベイビー・ラヴ手ぬぐい
グレース・ジョーンズスレイヴ・トゥ・ザ・リズムTシャツ

 

07年11月6日半田健人の歌謡曲インストナイトプレ視聴会
ゲスト:クリス・ペプラー(進行)、近田春夫、山田五郎、半田健人
六本木で半田主催のクラブイベント「'70s NIGHT」が催された。何をかけるかというと、70年代歌謡曲のインストLP、いわゆる歌のない歌謡曲。ボーカルがないのをいいことに自由なアレンジが施されていることが多いというこのジャンル、今回は半田の秘蔵コレクションから選りすぐりの名曲の数々を鑑賞する。原曲のさわりを聴いてインスト版、というのが基本の流れだ。

まず市原明彦とワーナー・ビートニックスの「あなたの灯」(五木ひろし)。ハモンドとドラムが大活躍するプログレ風味のアレンジに一同大ウケ。「つながりがいいのか悪いのかはわかんないけど衝撃がある」とは近田の言だ。続くありた・しんたろうとニュービート「じんじんさせて」(山本リンダ)もドラムが大フィーチャー。クドいくらいに何度も挿入されるうえにパンするドラムソロが出てくるたびに笑いが起こる。特に山田の受けようが尋常ではない。この曲は市原明彦とワーナー・ビートニックス版もあるとのことで聴いてみるが、こちらは普通にかっこいいバージョンだった。

ジミー竹内とエキサイターズの「恋する夏の日」(天地真理)もドラムソロが長いパターン。原キーよりも低い入りに疑問が出たが、徐々に転調して原キーに戻すという展開だった。その後のドラムソロが約4分という驚異的な長さで会話が弾む弾む。CD化もされているというクニ河内とその仲間「純潔」(南沙織)は一筋縄ではいかないクニ河内のアレンジということで、主旋律を尺八で演奏するというとんでもないバージョン。「純潔」なのに尺八、クニとエロ満載だ。佐藤允彦と1864コットン・フィールド・ロックバンドの「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)はモーグが出たばかりということで、モーグを大フィーチャー。「ちっともいい音じゃない」のもポイントだ。ゴールデン・サウンズの「ブルー・ライト・ヨコハマ」(いしだあゆみ)はコーラスが意表を突くところに入っている。「今度は入らなかったね」と近田が言ったと思ったら入ってくるという唐突さだ。

最後は寺川正興とニュービート「白い蝶のサンバ」(森山加代子)を聴く。これはドラムフィーチャーものに対抗してか、ベースをフィーチャーしているのだが、何をやるかというとメロディーライン。この予想を裏切る展開にはやっぱりみんな大ウケだった。また、このジャンル特有の、まったく関係ない外国人モデルを起用したジャケットの話題もした。脱いでいるというのはよくあるが、スネ毛の処理が甘いものまであるとのことだ。


「視聴会」じゃなくて「試聴会」じゃないの?と思わないでもないが、とまれ今回は水準が高くていいと思う。「好き放題やっているので音楽的水準は意外と高い」という半田の言葉も納得で、思わずブックオフに走りそうになるものがある。歴戦の兵を向こうに回しながらも決して引けをとらない半田の素養の高さが、よりこの企画を面白くしているように思った。半田の変態性がよく出た快作。オリジナル楽曲を聴く際に、作曲者と編曲者のクレジットのみが出てくるのも些細なことだがうまいと思う。ところでカメラがしょっちゅう無言のクリスペプラーを抜くのは何か意図があったのだろうか。保存版。A

空耳アワーの結果

前回の撮りで遅刻したばかりだというのに、今回の安斎はなんと来なかった。タモリも「これ2本撮りなんでどうなるかな」と若干不安げ。ということで半田がはがき読みで全員で見た。

ミュージシャン曲名賞品
ザ・ビートルズカム・トゥゲザー手ぬぐい
ビースティ・ボーイズネッティーズ・ガール耳かき
ジョアン・ジルベルト許してあげよう耳かき