Top Pageへ戻る

考えるヒントのお蔵  性と人権の棚  第3番
結婚している人との恋愛は「犯罪」なの?

10年以上前でしょうか?「金妻」と言いう言葉を流行らせたテレビドラマが流行ったのは。最近も、「不倫」と「心中」を抱き合わせにしたドラマや映画がヒットしていました。近松門左衛門の時代と、余りにも変わっていないこの状況をどう捉えるべきでしょう。

明治憲法では、まだ姦通罪が存在していましたが、それは、男の「所有物である妻」と他の男性との関係に付いてのみ罰せられたと言うのが実態です。夫がいくら他の女性と遊んでも、罪にはあたらないどころか、「別宅のお妾さんは男の甲斐性」とさえされていたのは、ついこの前です。

日本国憲法下でも、夫が妻の浮気相手に対して「貞操権の侵害」で訴えて、妻の恋人から慰謝料をとる言う判例があります。

しかし、結婚していない恋人同士に、いくら「浮気」「フタマタ」があったとしても、それが法律上の問題にはなりません。

では、問題の本質は何なのか。法律上守られた男女の関係、すなわち「夫婦と何か」と言う問題にたどり着かざるを得ません。

そして、もっと認識すべき事は、結婚も離婚も不倫も、みな当事者である二人の問題であって、他人がとやかく口を出したり、酒の肴にする問題ではないと言う事です。ましてや、私的な倫理の問題を、会社や学校の信用や風紀の問題と混同させ、不倫で職場をクビにするなどと言うのは、とんでもない間違いです。

職場の就業規則違反による懲罰行為は、刑事上の刑罰にあたるものです。クビは、その社会(会社)での生存権を奪うものですから、国外追放か死刑と同じようなものです。だから、姑息な経営者は、法律上問題にされないようビクビクしながらも、依願退職(自殺)に追い込むような圧力をかけがちです。

  「性」にまつわる問題は、優れて社会的、政治的な課題ではありますが、根本は人と人との関りを、どうつないで行くのかと言う事に尽きるのではないでしょうか。

図書紹介
サイト紹介
記事紹介
性と人権の棚の目録にもどる