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N323  障害児教育
紹介記事目録
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記事紹介の留意事項








毎日
2002/07/26
朝刊 No .N323m020726mxx





シリーズ・特集;  http://www.mainichi.co.jp/women/news/200207/26-2.html
見出し:
児童虐待 障害児の被害7.2%/児童相談所2000年度受理
メモ :
全国の児童相談所が2000年度に受けた児童虐待の相談中、障害児の被害は少なくとも1008人と全体の7.2%を占めたことが、2001年度の厚生労働省厚生科学研究班(本間博彰・主任研究者)の調査で分かった。このうち知的障害児が788人と最も多い一方、加害者は実母が700人と69.4%に上った。児童相談所を通して障害児の被害実態を調査したのは初めて。研究班は「虐待を受ける障害児は健常児の4〜10倍とも推計される」と指摘している。

研究班の細川徹・東北大大学院教授らが2001年12月、全国182の児童相談所(当時)に郵送で調査を実施、141相談所から有効な回答を得た。それによると、2000年度に児童相談所に寄せられ、虐待として受理された相談は1万3983件で、うち被虐待児が障害児だったのは1008件(男児588人、女児420人)に上った。

障害別の内訳は▽知的障害児788人▽身体障害児159人(肢体不自由児87人、聴覚障害児31人、内部障害児22人、視覚障害児19人)▽注意欠陥多動性障害(ADHD)児91人――など。

主な虐待内容は▽ネグレクト(養育放棄)416人(41.3%)▽身体的虐待398人(39.5%)▽心理的虐待65人(6.5%)▽性的虐待32人(3.2%)。また、主な虐待者(複数回答)は▽実母が700人▽実父265人▽義父57人――などだった。

2001年障害者白書などによると、障害児中の被虐待児割合は1000人中5.4〜7人と推計される。一方、未成年者中の被虐待児は1000人中0.6〜0.7人と推計され、「障害者統計にないADHD児らの存在に配慮しなければならないが、障害児は健常児の4〜10倍の割合で虐待を受けるとも推定される」(細川教授)という。

本間博彰・宮城県子ども総合センター所長の話

知的障害は乳幼児期に分かりにくく、親が言うことを聞かないと思ったり、障害が判明して落胆し、養育放棄につながる場合もある。被害実態を把握することで、障害児と親の支援につなげたい。(野倉 恵)


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朝日
2001/08/09
朝刊 1
No .N323a010809m1
愛媛県




シリーズ・特集;
見出し:
「つくる会」教科書/愛媛県教委も採択/公立で2例目/養護・ろう5校分
メモ :
愛媛県教委は2001年8月8日、愛媛県立の養護学校2校と1分校、ろう学校2校の計5校で「新しい歴史教科書をつくる会」主導でできた中学校の歴史教科書(扶桑社発行)を採用することを、全会一致(委員6人)で決定した。

同県教委によると採択したのは県内に13ある盲、ろう、養護の県立学校のうちの5校。そのうち松山ろう学校と第一養護学校は来年度の入学予定者がいないため、教科書を使うことになる生徒は3校計5人。

県教委になどによると、県教委障害児教育課などが7月末、対象になった学校の校長4人から聞き取り調査をしたところ、特に反対意見は出なかった。

土居教育委員長
「わが国の文化と伝統の特色を広い立場から考えさせ、わが国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を深めるという、学習指導要領の目標に最も添った教科書だと判断した」



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関連記事 :同日付 朝日朝刊31面

見出し:「つくる会」教科書採択/愛媛県教組が猛反発/知事「見識を評価」

内容:
関係者によれば、採択について6人の教育委員が話し合ったのは7月2日の県教委の協議会と、この日の会議だけ。教科書以外の案件も含めて1時間半の議論をしたという。

愛媛県教職員組合の山本宏充書記長
「何としても公教育の場で採択するため、採択しやすいところを探したとしか思えない」

岡村茂・愛媛大学教育学部教授
「愛媛県は戦後、全国で初めて教職員の勤務評定を導入したり、靖国神社などへの玉ぐし料の公費支出を長年続けたりした政治的風土がある。今回の採択もその延長線上にある。この教科書で学ぶ生徒数が少ないということがあったにしても、問題性は薄まりはしない」



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朝日
2001/08/08
朝刊 29 No .N323a0010808m29
東京都
作家


教育委員会/大江健三郎
シリーズ・特集;
見出し:
「つくる会」教科書採択/教育現場の声届かず/意見聴取なく「反対」、3000件越える/弱い部分狙う  むごい御都合主義/大江健三郎氏に聞く
メモ :
「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版の教科書が東京都立養護学校の一部で採択されることが、2001年8月7日の都教委で決った。
今回は事前に学校側から意向の聞き取りがなかったのが従来との大きな違い。採択を前に石原慎太郎都知事が教育委員会主体の判断を強く求めていた。

都教委は6人の委員で構成されている。このうち石原知事就任後に任命した委員は3人。教育委員人事は知事が都議会に提案し、了承される。
2人は石原知事が作った有識者による会議「東京の問題を考える懇談会」のメンバーで、1人は知事が就任した直後から約1年間、都総務局長を務めている。

今回の都教委の判断に、教師や保護者から「養護学校の現場を見ていない」と声があがる。従来は行っていた事前の学校側への聞き取りが省かれたためだ。

●健常な子にも記述難解
近藤原理・長崎純心大学客員教授 (障害児教育)
「扶桑社版の歴史教科書の記述は、健常な中学生にも難解だ。そうした評価などから各地で採択されていないにもかかわらず、様々なハンディを持つ養護学校の生徒用に採択した東京都教委の判断は理解しがたい。
他国から問題視される教科書を選ぶのもおかしい。
強者、国家の視点が貫かれた教科書であり、戦争を容認するような記述もある。
戦時中障害者ら弱者は迫害された。戦争の教訓は「平和なくして福祉なし」だが、それを意識した採択とは思えない。

●弱い部分狙う  むごい御都合主義/大江健三郎氏に聞く
知的障害のある息子と歩んできた作家の大江健三郎氏は、次のように語った。

「つくる会」の教科書は、市販されベストセラーになりました。
「日本は優れている」「誇りと自信がいる」と思い詰める大人に空元気をつける癒し系の本だからでしょう。
子どものためによく考えられた本ではありません。

でも、教科書の実物をこれほど多くの大人が読んで、考えたことはない。
その結果、公立で採択したと公表した教育委員会はこれまで一つもなかった。
父親や母親の反省が、日本人の世論として、力を持ったのです。
東京都教委の結論は、これに真っ向から対立しています。

沖縄や広島、長崎でこの教科書が使われたら、教師は子どもらの話し合いが、歴史の真実を逆に照らし出すでしょう。

しかし、養護学校とは……。
私の息子は知的障害で養護学校に通いました。
身体の障害を持つ子どもにも健常児より困難な勉強の場なのです。

一人当たり、障害を持つ生徒に使われる税金は健常児より多い。
そこに付け込んで影響力を示す都知事は国際的な感覚からズレています。

検定を通った以上、どんな考え方の教科書にしろ、採用する公立学校が出るのは仕方がない。そこで教室での、教え方、学び方に工夫がいります。
養護学校に使わせるのは、抵抗の弱い相手への狙い撃ちです。
権力を持った者と、その意を体する者らの、勘定合わせにすぎません。
どこに障害者への教育的配慮がありますか?

東京都教委のやったことは、もっとも弱い部分に向けられた、むごい御都合主義です。



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東京都教育委員会ホームページプレス資料
都立盲・ろう・養護学校(小・中学部)用教科書及び都立高等学校(都立盲・ろう・養護学校高等部を含む)用教科書の採択結果について」はこちらからどうぞ

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朝日
2001/08/04
夕刊 1
No .N3230010804e1
東京都




シリーズ・特集;  窓  論説委員室から
見出し:
なんで?
メモ :
「え、なんで?」つい口をついて出た。「つくる会」主導の歴史・公民教科書を、東京都教育委員会が都立養護学校の一部で使う方針を固めた。そんな記事を見た時だ。
この教科書の採択を公表した教委は、まだない。一般の中学校であまり採用されない教科書を、なぜ選ぶのか。

障害者や人権尊重の記述が多いというなら、わかる。
障害者への差別は依然厳しい。子どもも「ハンディを持つ自分が悪い」と後ずさりしがちだ。そんな彼らに生きる権利を意識させ、自信を持たせたい、と先生たちは言う。
だが、都教委がまとめた教科書調査研究資料では、逆である。

「つくる会」教科書は、歴史だと、人権を取り上げた個所が最も少ない。公民では自由・権利の記述が2番目に多いが、これは権利の制限に触れたところが多いからだ。
そうと知りながら選ぶ理由は何か。教委の教義は非公開だから余計わからない。

区立中学校の教科書は、区教委で選ぶ。石原晋太郎知事のおひざ元のと教委が自ら採択できるのは、都立の障害児の学校しかない。
知的障害と病弱の養護学校で使うというが、知的障害は重度の子が多く、障害の程度に合わせて別の教材を使う。

「とにかく採択できればよかったのでは?」「人数が少ないから文句が出ないと踏んだ?」。
関係者の間では、そんな推測さえ飛び交っている。
都教委は7日に正式決定するという。子どものことを考えた議論を期待する。


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