自分が乗っているL200Sミラについて、ちょうど手元にある「K-Carスペシャル「ミラ専科」」という、L500系が出たタイミングで出版された(すると平成6年かな?)本に詳しく書いてあるので、それを参考にしながら時系列で追ってみようかと思います。
その前に、ミラのターボ車の成り立ちから。
初代ミラ(L55)は1980年6月にデビュー。ボンネットを短くし、背高のキャビンをのせる「1.5ボックス」スタイルで、当時同様のコンセプトだったホンダシティ(初代)の影響もあり、大ヒットとなったようでした。
1983年10月、この初代ミラにターボエンジンが搭載されます。2気筒加圧式キャブターボ、41ps/6000rpm、5.7kg-m/2500rpm(う、回転数低い〜)。そのころの軽のエンジンはせいぜい30ps程度でしたので、「大幅に」パワーアップしたと言えるでしょう。
1985年8月に、ミラはフルモデルチェンジされます。形式もL70となります。ターボ車もラインアップされ、52ps/6500rpm、7.1kg-m/4000rpmと、当時クラス最強の出力を誇っていました。
同年10月に、最初のTR-XXが登場します。
赤黒の2トーンカラー、スポイラー一体型バンパー、バックドアスポイラー、イエローハロゲンランプ、ルーフセンターアンテナ、アルミホイールを装備、内装もセンタータコメーター、バケットシートと、やる気満々の内外装。今見てもカッコイイです(というのはオジサンだからか?)。
他社でも、ミニカICターボ、アルトツインカムなど、走りに振った軽自動車が登場していた頃ですが、1987年に「アルトツインカム」+「アルトターボ」のワークスが登場します。
ミラもEFI仕様のターボエンジンを搭載、馬力が58psとなりました。
1988年10月、マイナーチェンジで、SOHCエンジンながら64ps/7000rpm、7.7kg-m/4000rpmと、ついにアルトワークスと並ぶ出力となったのでした。
クオーレL55(gazoo名車館へリンク)←リンク切れ
ミラL70(gazoo名車館へリンク)←リンク切れ
【1990年3月】
1990年3月、軽自動車規格の変更(550cc→660cc、全長の拡大等)にあわせて誕生したのがL200です。ちょうど3代目ミラの開発がすすめられていた折でもあり、他社がマイナーチェンジで規格変更に対応した中、ミラはフルモデルチェンジされ、「ミラ・ニッポン」というコピーで登場しました。ターボTR-XXも引き続きラインアップされることとなりました。
※このフルモデルチェンジについては別のページを作りました。
デザインは2台目のL70の似ていますが、ボディーを50mm、バンパーを50mm拡大、ホイールベースも30mm延長された、まったくのフルモデルチェンジ。安全性向上のため、ボディ剛性は1.5倍になり、ドアにはサイドインパクトビームが内蔵されました。一部にはリアブレーキのみのロック防止機構「アンチスピンブレーキシステム(ASB)」(ABSではないです!)もこの時期搭載。
○グレード
・ターボTR-XX(ターボモデル)
・TR-4(4WS装備)
・グランリミテッド(電動パワステ、チルトステアリング、PW、パワードアロック、テレビの付いた豪華仕様)
・J(タイプQにエアコン、パワステ、パワーウィンドー、ステレオ標準装備)
・B(ベーシック仕様)
・PADi(ベンチシート・コラムシフト)の「PADi」となっていました。
○エンジン
4バルブ・EFI・ICターボ 64ps/7500rpm 9.4kg-m/4000rpm
2バルブ・キャブターボ 61ps/7000rpm 8.6kg-m/4000rpm
4バルブ・NA(キャブ)50ps/7500rpm 5.3kg-m/4500rpm
2バルブ・NA(キャブ)40ps/6500rpm 5.3kg-m/3500rpm
【1990年9月】
追加モデル・5ドアJターボ。4バルブEFIターボ、PS,PW、等長ドライブシャフト、タコメーター、イエローハロゲンランプなど装備。
TR-XXリミテッド(バン)に電動パワステ装備
【1990年11月】
追加モデル・X4。EFIターボ、フルタイム4WD(ビスカスカップ式)。
【1991年2月】追加モデル。
追加モデル。X4−R。X4のモータースポーツ仕様で、クロスミッション、装備を簡略化。そういえばワークスRってのもありましたね、その頃。
発売11周年記念特別仕様車として、J11thAnniversaryEdition、ターボTR-XX11thAnniversaryEdition。固定式ガラスサンルーフ装備。
【1991年5月】
TR-XXシリーズに軽初の4速ATを投入(FF)。そして「アバンツァート」が登場! TR-XXのファッショナブル仕様として、ボディ同色アルミホイール、ピレリP700Zラジアルタイヤ、ティンテッドガラス、エアコン、パワステ、パワーウィンドー、パワードアロックなどを標準装備。2トーンボディカラー(ガンメタ/シルバー)も追加(あまり実車を見たことはありませんが)。
EFIリミテッドは「走り系」モデルとして、13インチ対応ベンチレーテッドディスクを装備、タイヤはポテンザRE71又はアドバンA02。
【1991年9月】
5ドアのグラン・リミテッドにエアコンが標準装備、EFI仕様エンジン(55ps/5.8kg-m)に4AT、リアヘッドレスト、リア3点式シートベルトを装備。テレビはオプションに格下げ。
ベーシックモデルのBが、エアコン、AMラジオ、カラードバンパーを装備して「ピット」となる。
TR−XXシリーズに機械式4WSを装備したモデルが追加。そして、アバンツァートの快適装備を一部省略し、Limitedと同様の走り重視仕様としたアバンツァートRが登場。カタログにはないので、限定仕様の扱いか?
【1991年9月】
特別仕様「ミラパルコ」。ルーフアンテナ装着・カラードホイルキャップとPARCOロゴ入りのメッシュタイプのアルミホイールが選択できた。ルーフスポイラー装備の55馬力EFIエンジン搭載車も設定、3ドアセダンには電動キャンバストップ仕様もあり。このキャンパストップ、いいです・・・今でもコペンと迷うくらい(笑)
【1992年8月】
マイナーチェンジされました。これ以降のものを俗に「後期型」と呼んでいます。
外装では、フロントグリル、バンパー、リアコンビネーションランプが変更されました。
RV-4が追加されました。ミラの「RV版」。X4のエンジン、足回りに、「カンガルーバー」を思わせる大型バンパーガード、アンダーガード、背面スペアタイヤ、ルーフレールを装備。よく同じボディでこうも変わるなと正直思ったのですが・・・
この頃、渋谷の街中(渋谷に限らないが)で歩道に片輪乗り上げて4駆を駐車するのがカッコイイと思われてたようですし・・・パジェロとか、サーフとか。
※手前が「後期型」。細かいところがいろいろ違っています。
【1993年1月】
バンパー、グリル等を専用デザインとし、装備を充実させたモデルノシリーズを追加。
【1993年9月】
3ドアリアウィンドーがはめ殺しとなる小変更。
【1994年9月】
フルモデルチェンジでL500系に。ミラは4代目となりました。
TR−XXシリーズには、新開発のDOHC16バルブターボエンジンを搭載。タイミングチェーン駆動、ボールベアリング付きタービンを採用。64ps/7500rpm、10.2kg-m/4000rpmの性能でアバンツァートRに搭載。従来の3気筒SOHCターボエンジンもアバンツァートに搭載されています。広告もサーキットのイメージ。
このツインカムターボのデビューは結構衝撃的でしたね。それまでは、ワークスに比べると「イマイチ速くない」的評価が多かったような気がしていましたので。特に赤黒ツートンカラーはかっこよくて、乗ろうかどうか、中古車屋さんに置いてあった数十万円の値札を見て、気持ちが揺れ動いたものでした。
こうして大きな性能アップとなったのですが、スポーツカー全体が流行らなくなったのでしょうか、ミラTR−XXシリーズはこのL500系が最後となってしまったのでした。
※K-Carスペシャル「ミラ専科」、ウィキペディア等参照させていただきました。