87日目 88日目 89日目

No.89: ノートルダムの「ショー」 (2006.12.17)

日曜日。もうこれは毎週お約束というかんじで、宿題が仕上がらず、追い詰められた気分になる曜日だ。・・・明日一日で、できるとこまでなんとかしよう。

日が暮れてから、ノートルダム寺院の「Projection exceptionnelle」(特別映写。「スペシャル・ショー」と英訳されている)に出かける。

教会内部に入ると、教会前面に巨大な半透明のスクリーンが張られている。
スクリーン後方(つまり教会前方)からプロジェクターで映写されているようだ。
「上映」がはじまると、控えめなCG(コンピューターグラフィック画像)を背景に、中世の宗教画や彫刻などが浮き上がり、主にイエスの誕生までの物語を解説しているようだ。
マリアの話が多かった気がする。(フランス語音声の英語字幕付だった。)
時折、現代の写真もはさみこまれる。(ノートルダムの宣伝チックな写真も少しもある。)
音響も凝っていて、背面からナレーション、教会前方の奥(スクリーンのうしろ)から合唱、左右から効果音などがきこえてくる。
そんな感じで、思っていたよりもかなり凝ったものだったのだが、でも、映像・音声共に適度に抑制されていて、教会内の上映に違和感のない仕上がりになっていたように思う。

・・・大学時代の親友、M君は、敬虔なプロテスタントだったが、彼はカトリックを良く思っていなかった。
カトリック教会の華美さ、「免罪符」などいろいろなものを売る俗っぽさ、それから、なによりも、イエス以外にマリアや12使徒を祭ってしまういいかげんさが我慢ならないようだった。
「ノートルダム」は直訳すると「私たちの女性」(←マリアのこと)。そして華美な教会。そして「スペシャル・ショー」などをやってしまう俗っぽさ。教会のことにはあまり詳しくないけれども、ここは、ほんとうにカトリックっぽいカトリック教会なのかもしれない。

でも、ぼくは、このノートルダム寺院になにか愛着のようなものを感じてしまう。
この、ある意味の「いいかげんさ」は、ぼくには「だれでもいらっしゃい」という、ふところの広さに感じる。
ぼくは、この教会の中にいる間、教会独特の身の置き所のない感じがしなかっただけでなく、帰り道では、なにか静かな癒されたような気分にさえなったのだった。



特別映写の案内。前からしばしばチェックしていた。


扉から入ったところ。各国語の「ようこそ」。
(日本語の「よこそう」はご愛嬌!)


側面のイエス像の前。


上演前。映写が始まると真っ暗になる。


終演後。側面。

87日目 88日目 89日目

No.88: 土曜日 (2006.12.16)

きょうも部屋にこもって練習に明け暮れる平凡な一日。
きょうはずっと雨がびしょびしょ降っていて、どこにも出かけたくない気分だったが、今日のうちに食料を調達しておかないといけないので、日が暮れてから買い物に。
気分転換にパスティーユ経由でMONOPRIXに行く。

すると、あらら、パスティーユ広場近辺がなにやら派手にクリスマスモードになっている。
それからなんと、オペラ・パスティーユで、バレエ「コッペリア」がやっているではないか!
バカンスに入ったら、ちょっと奮発して絶対に見に行くぞ!

帰ってから、ネットで公演スケジュールを見る。
いや~、しかし、本物が生で見れると思うだけで心臓がバクバクしてくるなぁ。
(期間限定リンク: オペラ・パスティーユコッペリアのビデオ



パスティーユ広場近辺。お祭り騒ぎっぽいクリスマス。それからオペラ座。

87日目 88日目 89日目

No.87: 国際電話 (2006.12.15)

今朝、今回の留学の件でお世話になった母校の先生にお電話して、こちらの音楽院の卒業のシステムがどうなっているのか教えていただく。
もともと卒業が難しかったのに加えて、今年あたりから、さらに卒業の基準が厳しくなったとのこと。
先生が、最後に、「(あなたの出身校からこの音楽院へ行った生徒は、)フルートではあなたが初めてだから、(あなたの出身校から、後に続く)後輩のためにも、がんばってね。」とおっしゃってくださる。
ああ、お世話になった母校に少しでも恩返しできるといいなあ・・・
「はい、がんばります!」



わーっ、いつものパン(&お菓子)屋さんの品揃えが、クリスマスに!
下から2段目のロール・ケーキみたいなの、きっとパリで流行っていると
いうウワサのクリスマス・ケーキだ。うーむ、男一人でこれを食べている
姿は微妙な感じだが、でも、クリスマスには買って食べちゃおうかなぁ。


わーっ! やっぱりこれがナンバー1かな。 「おばあさんのタルト」。

87日目 88日目 89日目
home