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No.35: パレ・ロワイヤルにて (2006.10.24)

きょうはフルートと室内楽のレッスンを受けてくる。
呼吸法、まだ慣れてはいないものの、いちおう練習していた方向は間違ってはいなさそうだった。
きょう、帰り際に、先生が「ボン・バカンス!」と言っていたので、おや?、と思ったのだが、来週1週間は何かのバカンス休みのようだ。(これでアリアンス・フランセーズの予習ができるな。)

きょう、フルートの先生に、ぼくが持っているエディションの楽譜を貸して欲しいといわれ、帰ってから先生のうちのポストに届けに行く。(そんなに遠くはないとこに住んでらっしゃる。)

そろそろ髪の毛がかなり伸びてきたので、帰りにちょっと寄り道して美容院を2件ばかり下見に行ってくる。



日本人がやっている美容院。店に華やかさはないが、美容師の
ヘアスタイルのセンスは悪くない気がする。(勘だけど。)


ついでにさらに寄り道して、すぐ近くの「パレ・ロワイヤル」というとこを見物してくる。
中庭には、現代的な彫刻がいろいろ・・・



歴史のありそうな建物にぐるっと取り囲まれた中庭には、
現代的な作品がいっぱい。不思議とあまり違和感はない。


ちょっと面白いタマタマの彫刻。


これもちょっと面白いシマシマの柱の彫刻。全体を写すことができな
いので、この写真ではわからないが、柱の高低の変化がおもしろい。


アーケードの下にはギャラリーもいくつかある。
そのひとつになにやら人だかりがしているので見に行ってみると、おもしろいモダンな作品がたくさん展示してあって、たくさんの人がシャンパンを飲みながら談笑している。
誰かの個展かなにかのパーティーかなにかかもしれない。

外にあったグラスハーモニカのオブジェに釘付けになる。
外観もすごいが、音もすごい!
誰かがデモ演奏してくれるが、パイプオルガンとシンセサイザーとテレミンをたして3で割ったような音(?)だ。
しばらくずーっとみていると、だれか女性が「あなたはピアニストですか?」と気さくに話しかけてくる。なんだかぎこちない会話を少しした後、さらにしばらく見ていると、さっきのデモ演奏していた人が、演奏の仕方を教えてくれて、しばらく一緒に適当な即興演奏みたいなのをいっしょにやる。
(テレビカメラみたいなのも来ていて、撮影までされてしまって恥ずかしい。)

招待もされてもいないぼくのような通りがかりのものが勝手に中に入っていいのかどうかわからないが、中のものもどうしても見たくなってしまい、どさくさで、中に入ってしまう。
さすがにシャンパンをもらうのはやめといたが。(まだ腹の調子も悪いし・・・)

そこでも何人かが「これは素晴らしいね~」とかなんとか、いろいろ話しかけてくれたが、うまく会話はできない。
ああ、やっぱり、もっと喋れたらいいなぁ・・・



グラスを片手に持った人だかりと、釘付けになったグラスハーモニカ。
写真ではわかりづらいが、かなりインパクトのある造形をしている。


なかにもいろいろ面白そうなものが・・・


手前は、水で動いて面白い音を出す作品。「ししおどし」みたいな原理だ。
しまいにはどさくさで中に入ってしまう。

帰ってくると、滞在許可書関係の役所から、なにやらいやな予感がする書類が届いている。(帰国しないと手に入らないような書類のことも書いてある。そんな話は聞いたことはないので、たぶん日本人は不要な書類だとは思うが・・・)
取り越し苦労かもしれないが、いちおう明日調べてみないと。

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No.34: フランス語学校 (2006.10.23)

きょうは朝の6時ごろにすっきり目がさめる。

ところで、フランス語。近頃は、最初は模様にしか見えなかった看板や標識の文字が、いちおう情報として認識され始める。
同じく、最初はただの音にしか聞こえなかったフランス語も、いちおうなんとなく言語情報として認識され始める。

最初はみんな一緒に見えたフランス人も、ちょっとは風体から人物が推測できるようになる。特にマダムに関しては、怖い人が見分けられるようになってきた。

スーパーでは、もうマダムのレジには並ばないことにしている。以前など、もたもた袋詰めしているところにバナナやトマトをボンボン投げられ、ぐちゃぐちゃになった悲しい出来事があった。
そのスーパーに、所ジョージさんみたいな雰囲気のレジ係の人がいる。その人はもたもたしているとのほほんと休憩している。で、バナナ事件以降は、いつもその人のレジを探して並ぶようにしている。(あっちもこちらの顔を覚えたかもしれない。)

いや、そんなことはどうでもいい。(ついマダムで話がそれてしまった。)
フランス語のことだ。
渡仏して1ヶ月がたったのだが、あいかわらずぼくが喋るフランス語はひどいものだ。このペースでは、おそらく半年後もたいして進歩はないだろう。
こんなんでは、友達の一人もつくれやしない。

で、きょうはアリアンス・フランセーズという語学学校に、朝から万端の準備をして登録(入学手続き)にいってきた。
(ちなみに、アリアンス・フランセーズは名古屋に日本校があり、渡仏前に半年ほど通ったところ。そこでは、とてもいい先生に教えていただけた。)

いつでも入学できる昼間の集中講座では音楽院の授業との両立が無理なので、もう始まってしまっている夜間講座に中途から入れてくれるように頼んでみる。
すると、いきなり筆記試験があり、そのあと講師との面談があったが、無事に希望通りのクラスに入学できた。
来週からレッスンに参加する。(ここでもいい先生だといいなぁ・・・)

それで、けっこうHappyな気分で帰ってきたのだが、家に帰ってくると腹痛が・・・。
昼飯を食べてからの時間を計算してみたが、時間的に考えて食当たりではなさそうで、たぶん神経性のものだ。
明日はフルートと室内楽のレッスンがあるから、練習しなければならないのだが、少し吹くとさしこみがあり、吹いてはトイレを数回繰り返し、とうとう断念。
あした、大丈夫かなぁ・・・

アリアンス・フランセーズに行ったの、それなりに楽しかったのだが、やっぱりなれない環境となれない言葉でいろいろストレスになるのかねぇ・・・



朝のシテ島のノートルダム寺院。


シテ島のメトロ。ちょっと写真を撮りそこねたが、ここの
改札からの通路がかなりおもしろいデザインをしている。


あったあった! アリアンス・フランセーズ・パリ校


入り口。クラシックとモダンがいい感じでミックスされている。


校内にはいろいろおもしろいスペースがある。


学食だ! さっそく昼飯を食べてくる。


テキストと学生証をゲット!
中途入学なので勉強しておかなくちゃ。

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No.33: 雨の夜 (2006.10.22)

きょうも1回起きてみたものの、やはり体が動かず、また昼過ぎまで寝てしまう。
それしにしても、よくこんなに寝れるものだ・・・。
せっかくの滞在期間、こんなふうに1日がつぶれてしまうのはもったいないが、しょうがない。

6時半ごろまで練習する。呼吸法、10年以上吹いてきたスタイルを直すのは難しい。

そのあと、コインランドリーへ行く。きょうは雨。
いつものように子供用ドリルをやっていると、いつものようにホームレス風の人(今日は女性)が現れ、いろんな人(ぼくも含む)を呼び止めてはなにやら話しかける。(ろれつが回ってなく、なにを言っているのかわからない。)
洗濯しようとしているが、小銭がないのかもしれない。
しばらくすると、袋の中の服や着ている上着などを洗濯機に入れ始め、後から現れる人たちをまた呼び止める。
少々異臭も放っており、迷惑といえば迷惑なのだが、最後には少々気の毒な気もしてくる。でも、こちらも余裕がないのでどうしようもない。
(ちなみに、洗剤+洗濯+乾燥代で、1回に少なくとも6ユーロ(\900)はかかる。)



雨降る夜、洗濯の帰り道。(右上に傘が少し写ってしまった)


うしろに見える建物は「サンス館」という中世の建物らしい。
(15世紀末のもので、この界隈では最古の館とのこと。)

たくさんの文化遺産と、たくさんの人種と、たくさんの失業者を抱えているパリ。
夜になると、観光客もいなくなり、昼間の華やかさとは違った姿になる。
『物騒』、と、一言でいってしまうのもちょっと違う気がする。
もっと濃くて怪しい、独特の雰囲気だ。
ぼくは、そんな混沌とした夜のパリも、ちょっと好きだ。

・・・さあ、あすは早起きしよう。

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No.32: コンサート (2006.10.21)

昨日、郵便局の荷物の不在通知が入っていた。
『明日の10時にシテ郵便局まで荷物を取りに来てください』とのこと。
それで、パスポートを持って荷物をとりに行くと、日本の家族からの小包だった。


シテ島の郵便局。
(サンルイ島の郵便局は、改装のためか現在休業中)

きょうは洗濯や土曜日の買出しのほか、いろいろな雑事を片付けた後、コンサートに行く予定だったが、郵便局から帰ってきたら体が動かず、また寝てしまう。
けっきょく目覚めたのは午後6時ごろ。トータルで15時間ぐらい寝たことになる。
寝ているときは、ずっと脈略のない断片的な夢を見続けているようだ。
・・・1週間に1回くらいこういう状態になる。
体は疲れていないが、脳みそはだいぶ疲れているのかもしれない。

コンサートは8時半開始なので、1時間ほど練習してから出かける。
(えらく遅く感じるが、こちらはそれぐらいに開演するのは普通なのかもしれない)
きょうは雨。日本からの荷物に傘が入っていたので、ちょうどよかった。



雨の夜のマリ橋。(いつも渡っている橋)


サル・コルトー(学校のホール)の会場に行くと、日本のようにチケットをもぎったりしていない。戸惑うが、しばらく様子を見ていると、有料客が先着順に指定席を予約しているようだ。
学校で(たぶん)無料の招待の紙をもらったのだが、受付にたずねると、ゆっくりとしたフランス語でわかりやすく説明してくれて助かる。
どうも、有料客が全員席についた後、無料招待客は開いている席に座ってもよいというシステムのようだ。



サル・コルトー。お客は、みんな特に豪華チックな格好をしているわけで
はないが、みんなそれぞれ、それなりのおしゃれをして来ているようだ。


開演前のホール。無骨な素朴な感じの壁面。


演奏は、ヴァイオリンもピアノもおそろしく上手かった。一箇所も音をはずしたり音程をはずしたりしないが、神経質なぎすぎすしたところはまったくない。(さりげなく上手い)
プログラムも古典から現代までかなりおもしろいものだったが、気負った感じはぜんぜんしない。軽やかに楽しい演奏をしている。
お客も素直に直接的な反応をしていて、おもしろい。
真剣に聴いているが、おいしい料理のフルコースを楽しんでいるようだ。



帰ってきてから昨日作ったポトフを食べる。
昨日よりおいしくなっている。(例の正体不明の
植物はカブ類のようだ。これもうまい!)
派手なオレンジ色のチーズは、見かけによらず、
癖のないおいしいチーズだった。安ワインは
冷やしてみたが、やっぱりまずくて飲めない。

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