◆ No.44: 国立近代美術館 (2006.11.2) ◆
もう家の中にいても寒い。
ちょっと外に出るのもおっくうで、たくさんあるフルートの宿題をずっと練習していたが・・・やっぱり出かけることにする。
外に出ると、やっぱり寒い! コート来て来ればよかった。手袋も欲しいかんじ。
国立近代美術館へ向かう。
こんどの日曜日が無料のようだが、有料でもいいからゆっくり見たいので、ま、ケチらずに行くか、と思って。
途中で、映画かなにかの撮影現場に出くわしたり、画廊を外から覗いたり、パリ市庁舎の建物に見とれたり・・・、やっぱり出かけると「ぶんげんも歩けば棒にあたる」みたいなかんじでいろいろと面白い。
ふらふらと道草をくいながら国立近代美術館方面に歩いていくと、古い町並みの中から突如として異様な建物が現れる。
これか・・・。(ちなみにこちらは美術館の裏側)
古い町並みに、強烈な異物感のある建物が現れる。
それにしてもすさまじい破壊力の建物だ。
国立近代美術館についてからも、隣接のブランクーシのアトリエを見にいったり、館内の地下にある無料のスペースを見に行ったり、いろいろと面白いものがありすぎて、なかなか美術館にたどり着けない。
もうちょっと見たいのを我慢して、チケットを買って、チューブのエレベーターにのって美術館へ向かう。
正面。この斜めのチューブが美術館に通じているようだ。
建物の中からでないと、このチューブに入れないようだ。
建物の正面でボディーチェック。なにをチェックしているのかは不明。
(ついでにパリジャンのファッションにも注目!)
地下の無料スペース。こちらは本当にリアルタイムの「いま」な感じがあり、
美術館所蔵作品にはない魅力がある。(所蔵作品はすでにちょっと古臭い)
チケットを買ってチューブを昇っているところ。(上から下を見下ろしてます)
チューブの中から、夕焼けのエッフェル塔が見える。きれい。
最初に見に行った6階では「Raushcheberg 展」と「Klein 展」というのをやっている。
(名前の読み方はわからない。)
最初に見た「Raushcheberg」の方は、戦後の「前衛」なかんじの作品。そのころの「いま」が感じられてかなり面白かった。
かなり面白かったのは事実なのだけれども、突き放したような距離感がある作風で、どちらかというとあまり好きなタイプではない。
もうひとつの「Klein」の方、作品も面白いが、作家自身もかなり面白い人だ。
最初は「青」にはまっていたようで、青い作品ばかり作っているが、その青のうつくしいのなんの・・・。人類が始めて見た地球のような、深い水のような、ガスバーナーの青い炎のような、青い放射性物質のような・・・ なんとも筆舌に尽くしがたい青色をしている。
次は、ローズピンク色にハマってローズピンク色の作品ばかり作り、次は金色に、次は炎(焼き絵?)に、次は女の魚拓(きれいなお姉さんを全裸にして絵の具を塗り、紙に押し付ける版画みたいなもの)にはまる、というかんじ。
最後には、青と金とピンクが統合した作品群が展示されているが、これがまたきれい。
制作光景のフィルムなども上映されていたが、もう子供のような芸術バカだ。
バズーカー砲みたいなでかいガスバーナーを危なっかしい手つきで懸命に使っている姿や、裸のお姉さんで魚拓(女拓?)を懸命に作っている姿のカワイイこと!
(カメラもけっこう意識していて、蝶ネクタイなんかしちゃって、それまたカワイイ。) そのフィルム、真剣に見ている人もいるし、笑いながら見てる人もいる。
おもしろいね~
その後、下の階の常設展を駆け足で見に行くが、時間切れで少ししか見れず。
しかし、なんだかんだと4~5時間は見てまわったことになる。
・・・また来よう。
「Raushcheberg 展」の入り口。
「Raushcheberg 展」のポスター。これの実物を見たが、ヤギの剥製に
ペインティングしたり、胴体にタイヤをはめたり、ちょっと暴力的な印象。
* * *
「Klein 展」の入り口。
作品だけでなく、展示の仕方がまたすばらしい。
買ってしまった小さめな画集。でも、こんな「青」じゃありません!
(印刷物になった時点で、すでにあの青じゃないです。)
屋上(レストランがある)に出ると、きれいな月が昇っている。
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