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No.43: 万霊節 (2006.11.1)

きょうはトゥッサン(万霊節)。
もう昼間でも肌寒く、冬の始まりの気配がしている。日が暮れるのも早くなった。
きょうは、ひさびさに家でのんびりして、練習したり、片付けをしたり、メールを書いたり、靴を磨いたりする。
(話は飛ぶが、靴磨きセットについているブラシ、日本ではほとんど使わなかったが、こちらでは必需品だ。あと、こちらでは毎日ものすごくたくさん歩く。この1ヶ月ちょっとで、目に見えて靴底が減っていく。)

夕方、いくら祭日といえども、コインランドリーぐらいは開いているだろうと思って、たまった洗濯物をぶら下げてでかける。
と、家の前を旗のようなものを掲げて、歌いながら歩いている人々が・・・



たぶん賛美歌か何かを歌っているのだろう。


たぶんノートルダム寺院に向かっているのだろう。
小走りに先回りしてみると、旗の人たちはぞろぞろとノートルダム寺院に入っていく。
ノートルダムの中からは荘厳なパイプオルガンの音が聞こえてくる。
入り口に観光客が殺到してきて進行を妨げているようで、教会の人が怒っている。
旗の人が全員が中に入ると、扉をバタンと閉めてしまう。
おそらく大切な儀式なのだろう。

参列者用の小さな扉は開いていて、そこから入っていく人たちがいる。
ちょっと入ってみたい気もしたが、さすがに洗濯物をぶら下げて入っていくわけにもいくまい。



やっぱりノートルダム寺院に向かっているようだ。


殺到する観光客にもまれながら入っていく。


まさに扉を閉めようとしている瞬間に、一瞬だけ見えた中の美しい光景。
パイプオルガンの音色が聞こえる。(残念ながら、写真、ブレてます)
家を出てから扉バタンまで、あっという間の出来事。

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No.41: 楽譜店 (2006.10.31)

新しい呼吸法も、少しは慣れてきたかもしれない。
明日は、トゥッサン(万霊節)という祭日で、お墓参りに行く日らしい。
(お盆のようなものか?)
学校の1週間のバカンスも、このトゥッサンのためのもののようだ。
なので、きょうのうちに室内楽の課題を手に入れておこうと思い、サン・ラザールの楽譜店に行く。ところが、お目当ての楽譜屋さん、どうやら連休をとっている模様・・・



がーん・・・

しかし、せっかく来たので、付近の楽器店など、うろうろ見て歩く。
管楽器店もたくさんあるが、トラヴェルソはさすがになかなか扱っていないようだ。
普通のフルートは、ヤマハやサンキョウやパールなど、日本と同じような品揃え。
1件だけ、415Hzのトラヴェルソを置いていたが、値段は日本で買うのと大差はない。
ユーロ圏だから格安で手に入るというわけでもないようだ。

「アリオーソ」という楽譜店に入ってみる。
課題の楽譜は見つからなかったものの、リコーダー・アンサンブルの楽譜を破格値でみつけたので、4冊ほど購入する。



リコーダーの楽譜を買った「アリオーソ」という店。
建物ごと大改装中で、無残な姿に・・・


1.5~3.5ユーロという破格で買った楽譜たち。
処分品なのか中古品なのか、理由はよくわからない。


ついでに、サン・ラザール駅周辺をうろうろし、フナックという大型店に入ってみる。
電気製品・CD・本など、うろうろ見てまわるが、美しい絵本を見つけて、意味もなく買ってしまう。
パリだからといって美しい本ばかりというわけでもないようだ。美しい絵本にめぐりあえる確率は日本とそんなに変わらないのかもしれない。



人と車と物売りが入り乱れてぐちゃぐちゃなサン・ラザール駅周辺。
名古屋の栄近辺でみんなが信号無視しているようなかんじか。


「月の鳥」という本。中はもっと美しい。
今年出版されたばかりのようだ。


ちなみに、家へ帰って調べてわかったのだが、トゥッサンの前夜祭がハロウィンらしい。
そんなに多くはないが、おばけの仮装をしてはしゃいでいる子供を、帰りがけにちらほら見かける。まさかりをもって骸骨の格好をしている坊主や、魔女になりきっているちびちゃたち。かわいらしい。

夜の9時になると、近くのノートルダムや、あちこちの教会が、一斉に鐘を鳴らしている音が聞こえてきた。



道端でギターを弾いていたおじさんに群がって、はしゃぐ子供たち。

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No.41: 古楽器店 (2006.10.30)

きょう、家から歩いて3分くらいのところにある古楽器店に入ってみる。
目立たない通りにぽつんと一軒だけある古楽器店で、スーパーの行き帰りに気になっていたところだ。

吹かせてくれたので、フルート・トラヴェルソを4本ほど試奏させてもらう。
見たところ、ただの中古楽器でなく、どうも歴史的な楽器のようだ。
バッハの時代~初期ロマン派の時代の形をしているトラヴェルソが並んでいる。
おそらく中世の時代の形をした象牙のリコーダーもある。

試奏させてもらった4本のうち、1本がよい状態で、しかもピッチが(聞いたかんじでは)440Hz。接合部の糸を巻きなおせば実際にコンサートで使用できそうなコンディションだ。
音量は小さいが、音色が甘くて繊細。
一粒一粒の音が、ちいさな真珠の粒のようで、なんともかわいらしい。
その時代の演奏の様子を彷彿させるような、そう!、先日見たかわいらしいロココの部屋を思い起こさせるような、そんなニュアンスを感じる。
(しかし、このヨーロッパの石造りの部屋だからよいのだろう。日本の響きのよくない、湿った環境では、なさけない音になってしまうかもしれない。)

それで2曲ほど試奏してから値段を聞いてみると、なんと2700ユーロ(約40万!)。
いや~、しかし、この時代の楽器がよい状態で保存されているのだから、それぐらいはしても当然なのかもしれないけど。
それで、「これは素晴らしいけれど、私にはちょっと高いです。」と言って店を出たのだが、店主がいやな顔ひとつせず、にこやかに送り出してくれた。

買えないけど、この楽器にはよい経験をさせてもらった。
その時代の楽器には、その時代の音楽がしみこんでいるのかもしれない。



こんな店。昼休み時間を過ぎているのに店主がなかなか現れない。
でも、どこの店もそんな感じだ。


40分ほど店主を待ちながら、店内を撮影。
(写真を撮っているぼくが、鏡に映ってます。)


お目当てのトラヴェルソたち。ガラスに鼻をひっつけて
覗いていると、店主がどこからかかぎ束を持って帰ってくる。


そのあと、フランス語の予習をしてからアリアンス・フランセーズの初レッスンへ。
ぼく以外の生徒は、アメリカ人とブラジル人とベトナム人。
そっか。みんなここに来て同じように苦労してるんだな、きっと。



アリアンス・フランセーズの帰りに撮った、シテ島のメトロ構内。
ゲームの要塞のような、金属質の巨大な円筒形をしている。
(写真には納まらないが、長い円筒形の構内を階段で下っていく。)


ノートルダムとおぼろ月。
家族は、後遺症もなく、経過も順調なようだ。

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No.40: アンティーク (2006.10.29)

起きて、時計の針を1時間戻して(変な感じだ)、3時ごろまで練習。
きょうは日曜日なので、ほとんどの店が閉まっているとは思ったのだけど、ルーブルの近くのアンティーク店があるあたりまで歩いて見にいく。
せっかくルーブルまで来たのだから、ついでにルーブルのピラミッドくらいは見てみようかとも思ったのだが、すごい人だかりにひるんで、けっきょく行かず。
ちょっと見てみたかったアンティーク店のパサージュはやっぱり閉まっていた。



「ギャルリー・ヴェロ・ドタ」というパサージュ。
古楽器店もあるらしい。また来よう。


ルーブルの向かいにある、アンティーク店が集まっている大きな建物に入ってみる。
・・・圧倒される。
どこも店というよりはギャラリー的雰囲気を放っていて、気軽に入れる雰囲気ではない。
ラリックの作品集で見たことがある、本物のラリックの作品(オブジェ・香水瓶・シャンデリア等々)まで売っている!



「Le LOUBRE des ANTIQUAIRES」というところ。
直訳したら「骨董屋街ルーブル」みたいなかんじ??


うわー・・・ どれもお金を払えば買えるもののようだ。
値段表示はなく、店員に聞かないとわからない。


うわー・・・

一通り見てまわったあと、真鍮のような控えめな光沢をしている、なんとも清楚でかわいらしいバラのネックレスがどうしても気になってしまい、思い切って中に入って値段を聞いてみると、1200ユーロ(18万円)とのこと・・・(^^;;;
18金製で、1900年ごろに作られたものらしい。ルーペで見せてくれたが、なんとも繊細な作りで、バラの花びらの柔らかな感じが見事に出ている。
いや~、しかし、職人が丹精こめて手彫りしたものだろうし、やはりそれぐらいの値段はしても当然だろうな、というような美しいものだった。

こういうときは、ちょっとお金持ちがうらやましいね。



サン・ルイ島から撮った、セーヌ川の白鳥。
日本と同じ月が見える。

ああ、あしたはアリアンス・フランセーズの初日だ。
帰ってからよく調べてみると、初級者クラスではないクラスに登録されているようだ。
レベル分け試験のときに、運悪く(?)良い点数を取ってしまったのかもしれない。
(ちなみに、ぼくは子供のころから選択式のテストの勘がよい。)
とりあえず勉強しておこう・・・。

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