◆ No.38: ピカソ美術館 (2006.10.27) ◆
せっかくのバカンスなんだし・・・と、きょうは早めに起きて練習してから、ここから歩いて10分くらいのところにあるピカソ美術館に出かける。
地図でみたかんじでは小さな美術館のようだ。
まだ学生証はもらってないが、なんとか学割にしてもらおうと思って、音楽院の登録証明書とアリアンス・フランセーズの写真付の学生証をいちおう持っていく。
ピカソ美術館に行く道すがら、いろいろ行き当たりばったりにいろいろ入ってみる。
最初に道草したのは、モーツァルトが7歳のときにお父さんといっしょに滞在したらしい館。中はオフィスかなにかになっているようで、入れないので、外から見物。
ホーヴェ館。『モーツァルトが滞在した家です』という案内板がある。
建物の中は見れない。のぞいてみると普通の事務机がある。
モーツァルト、このあとイギリスに渡ったんだったよな。
モーツァルトの父ちゃん、バイリンガルか?
少し歩くと、なにかそそられるかんじの建物があって、ふらふら行ってみると、なぜだか無料で中に入れてくれる。入ってみると、なんとも美しい気持ちのいい庭だった。
カルナヴァレ博物館というとこの庭のようだ。
美しいだけでなく、とても気持ちのよいところだ。秋色。
ん? これは修復中のものかな?
隣接している博物館にもはいってみるが、ここもなぜだか無料で入れてくれる。
ルイ何世かの部屋や調度品などがたくさん。
ひとつ、釘付けになってしまった小さなかわいらしい部屋があって、写真をとってよいのかどうかわからないが、館員がいなくなったときについ撮ってしまう。
だれも撮ってないから、ほんとうは撮影禁止なのかも!?
ふと気づくと館員が戻ってきていたが、見て見ぬふりをしてくれたのかどうかは不明だ。
「うわー、すばらしい!」と、日本語で大きな声で独り言を言ってしまう。
カルナヴァレ博物館の、夢のような部屋。なんともいえない絶妙な色。
部屋だけでなく、調度品のひとつひとつ、どれもが美しい。
ルイ16世のころの、女性用の居間かなにかようだ。
この表情! これ、欲しい・・・
そのあと、ピカソ美術館へ。
どういう理由でなのかわからないが、なぜかここでも無料で入れてくれる。
(いままで行った所、なぜかすべて無料。無料運が強いのか?)
素描のほかキュビズム作品もたくさんあったが、画集で見た印象とぜんぜんちがう。
ピカソというと少しどぎついようなイメージを持っていたが、そんなところは全然ない。
むしろ、素朴で、やさしくて、あたたかい。
一本一本の線を、丁寧に、いつくしむように描いている。
色調も、心にしみるようにやさしい。
キュビズムで描かれた女性の顔が、なんともかわいらしく、柔らかい眼差しでこちらを見つめて、そっと微笑んでいるように見える。
なにか、やさしい、癒されたような気分に頭がぼーっとなりながらふらふらと帰宅したのだった。
ピカソ美術館。と、ポスター。いい顔しているなぁ、このじいさん。
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