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パリ39日目 (2006.10.28)

きょう、電話で、家族が事故にあったことを知る。
幸い好条件が重なって軽症ですんだようだ。
なにもできない自分。日本から遠く離れたところにいることを初めて強く自覚する。
きょうは、手紙を書いたり、練習したり、フランス語を勉強したりして部屋で過ごす。


部屋の天井


フランスでは、きょうでサマータイムが終わるらしい。
きょうの深夜12時1分から時刻が1時間遅くなる。きょうは1日が25時間ある。

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No.38: ピカソ美術館 (2006.10.27)

せっかくのバカンスなんだし・・・と、きょうは早めに起きて練習してから、ここから歩いて10分くらいのところにあるピカソ美術館に出かける。
地図でみたかんじでは小さな美術館のようだ。
まだ学生証はもらってないが、なんとか学割にしてもらおうと思って、音楽院の登録証明書とアリアンス・フランセーズの写真付の学生証をいちおう持っていく。

ピカソ美術館に行く道すがら、いろいろ行き当たりばったりにいろいろ入ってみる。

最初に道草したのは、モーツァルトが7歳のときにお父さんといっしょに滞在したらしい館。中はオフィスかなにかになっているようで、入れないので、外から見物。



ホーヴェ館。『モーツァルトが滞在した家です』という案内板がある。


建物の中は見れない。のぞいてみると普通の事務机がある。
モーツァルト、このあとイギリスに渡ったんだったよな。
モーツァルトの父ちゃん、バイリンガルか?


少し歩くと、なにかそそられるかんじの建物があって、ふらふら行ってみると、なぜだか無料で中に入れてくれる。入ってみると、なんとも美しい気持ちのいい庭だった。



カルナヴァレ博物館というとこの庭のようだ。


美しいだけでなく、とても気持ちのよいところだ。秋色。


ん? これは修復中のものかな?


隣接している博物館にもはいってみるが、ここもなぜだか無料で入れてくれる。
ルイ何世かの部屋や調度品などがたくさん。
ひとつ、釘付けになってしまった小さなかわいらしい部屋があって、写真をとってよいのかどうかわからないが、館員がいなくなったときについ撮ってしまう。
だれも撮ってないから、ほんとうは撮影禁止なのかも!?
ふと気づくと館員が戻ってきていたが、見て見ぬふりをしてくれたのかどうかは不明だ。



「うわー、すばらしい!」と、日本語で大きな声で独り言を言ってしまう。
カルナヴァレ博物館の、夢のような部屋。なんともいえない絶妙な色。


部屋だけでなく、調度品のひとつひとつ、どれもが美しい。
ルイ16世のころの、女性用の居間かなにかようだ。


この表情! これ、欲しい・・・


そのあと、ピカソ美術館へ。
どういう理由でなのかわからないが、なぜかここでも無料で入れてくれる。
(いままで行った所、なぜかすべて無料。無料運が強いのか?)

素描のほかキュビズム作品もたくさんあったが、画集で見た印象とぜんぜんちがう。
ピカソというと少しどぎついようなイメージを持っていたが、そんなところは全然ない。
むしろ、素朴で、やさしくて、あたたかい。
一本一本の線を、丁寧に、いつくしむように描いている。
色調も、心にしみるようにやさしい。
キュビズムで描かれた女性の顔が、なんともかわいらしく、柔らかい眼差しでこちらを見つめて、そっと微笑んでいるように見える。
なにか、やさしい、癒されたような気分に頭がぼーっとなりながらふらふらと帰宅したのだった。



ピカソ美術館。と、ポスター。いい顔しているなぁ、このじいさん。

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No.37: お休み (2006.10.26)

きょうも昼まで寝てしまう。幼児なみの睡眠時間の長さだ。
アリアンス・フランセーズの登録&いきなり試験、パリの散髪初体験と、2日続けて初体験をしたので、また脳みそが疲れてしまったのかもしれない。

とにかく、文字も言葉もろくにわからず、見るもの聞くもの初めてのものばかり。なにか些細なことひとつやるにも、わからないことだらけ。
・・・まるで子供に戻ったような気分だ。
そう! なにかひとつ買い物するにしても「○○ちゃんのはじめてのおつかい」みたいなかんじ。ほんとうに子供のようだ。
そういえば、モーツァルトは幼少のときからずっと外国から外国への旅ばかりの生涯だったな。モーツァルトが生涯 子供のような無垢な音楽を書き続けたのは、そういうのと関係があるんだろうか???

それはともかく、きょうは昼まで眠り続け、部屋の照明器具の不調であやうく電気火災になる夢や、パリでの日常のとりとめもないことなど、断片的な夢をたくさん見る。(ちなみに、昨日の夜、実際に部屋の電球のひとつが接触不良かなにかで点かなくなった。)
日本の夢は見なかった。潜在意識のぼくも、ようやくパリに引越しをしたのかもしれない。

きょうはずっと部屋にこもって練習する。
(1週間の休みがあるので、いつもの倍の量の宿題が出ている。)
日が暮れたあと、島の近辺を少し散歩。
そして、アリアンス・フランセーズの予習。

ちなみに、こちらのテキストについているCD、けっこうおもしろい。
ビザの申請に行く場面などが収録されているが、事務の人の意地悪っぽい感じとか、申請者のおどおどしている感じとか、えらそうにいばっているやつが一瞬弱気になる感じとか、そういう雰囲気がリアルだ。
『そうそう、こういう感じ!』と笑ってしまう。


島の東の橋をわたったところにあった建物。
「アラブ世界研究所」というとこらしい。


島の東の橋についている、舟用の信号機(?)
張り紙をはったりはがしたりの激しい攻防の跡が見られる。


島にある画廊。左の小さいかわいい作品に少し惹かれる。
上の作品は、暗さを含んだ華やかなパリの雰囲気がでている気がする。
この二つは同じ作者の作品のようだ。(手前は別の人の作品)

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No.36: 散髪 (2006.10.25)

パリの地下鉄に乗っている人たちのファッションを観察してみると、みんな驚くほど地味。ほとんどの人がくすんだシックな色調の普通な感じの物をきている。
ジーパン姿が多いが、日本のようなボロボロのとか、個性的なシルエットをしているとか、そういう主張のジーパンも見かけない。
いかにもなブランドの服やバックを持っている人もほぼ皆無。
でも、みんな、それぞれ自分に似合うもの知っていて着ているような感じはする。

髪型は慨して、男も女も短い。
髪の毛ツンツンとか、くるくるとか、派手なカラーリングしてるとか、そういう主張をしている人もみかけない。(たまにいるけど。)
だいたいみんな似たような長さの短い髪形をしているが、これもやっぱりそれぞれ自分の顔に似合う髪形を知っていて、それそれにこだわりがあるのかもしれない。

銀行で小切手帳を受け取ったあと、昨日下見をしてきた美容院に行ってくる。
(そこは日本人の美容師さん。)
「地下鉄で髪型みてたら、みんな短くて、男の人はほとんど全員耳を出してますね。」と聞いてみたら「こっちの人はみんな極端に短いですね。こっちの人の髪の毛の質のせいもあって、刈り上げちゃってる人が多いですね。」とのこと。
ぼくは日本ではいつもけっこう長く伸ばしていたけれども、こっちにきたら妙にやぼったく見えるので、こっちふうに短くしてみようかと思っていたんだけど、美容師さんと相談して、そこまでやるのはやめておくことにした。

昨日、パレ・ロワイヤルに行ったのは夜だったので、ほとんどの店が閉まっていた。
それで、帰りにもういちどパレ・ロワイヤルに少し寄り道をしていく。

サン・ルイ島に帰ってから、滞在許可書の件、詳しいKさんに聞いてみたが、どうやら取り越し苦労のようだった。ああ、よかった。



パレ・ロワイヤルの中庭にて。ちょっとはパリ風に変身できたかな???


例の彫刻にのぼって子供たちが遊んでいる。いいね~!こういう作品。


アーケードの下には、おもしろいアンティークの店もいくつかある。
切手屋さん。アンティーク切手箱、意味もなくちょっと欲しかったりする。


こちらはいろいろアンティーク屋さん。これも意味もなく欲しかったりする。
(しかし、いずれも学生の身分で買えるようなお値段ではありません。)


パレ・ロワイヤルからルーブル美術館側に抜けたとこ。これは地下鉄の入口!
メトロの入口はいろんなのがあるが、これは今まで見た中で最強だ。

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