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パリ24日目 (2006.10.13)

そろそろ目先の生活資金のためのユーロを買わねばならならず、ネットがつながってから様子を見ていたのだが、あいかわらずユーロがどんどん高くなっていく。
現在、1ユーロ=約150円!
フランスの物価が高く感じるのは、ここ最近の外国為替の影響も大きいのだろう。
数日前に『北朝鮮が核実験を発表した』とやらで、さらにユーロが高くなった。
今日は福井日銀総裁が『今の水準は円安だと明言した』とやらで、ほんの少しだけユーロが安くなった。
まさかこんなことが自分の生活を直接左右するなど、今まで想像もしなかったことだ。
きょう、見切りで、とりあえず来月必要な分のユーロを買う。


どんどん上がり続けるユーロ。出発前はまだ130~140円台だった。

今日は、そのあと練習。そのあとコインランドリーへ洗濯に。
あいかわらず洗濯しながらお子様用の楽典ドリルをやる。
白い服や下着を何回か洗濯したら、ぜんぶ青みがかった灰色になってしまった。
石灰質の水質のせいらしい。
(ちなみに、ヤカンも使っているうちに内側に白い層ができてくる。)



洗濯の行き道で見かけた巨大なポスター。
建物とのコンビネーションが美しかった。


パリはそろそろ冬の気配がしはじめている。
フランスは失業率の高さが問題になっているらしいが、このあたりにはたくさんのホームレスの人たちがいる。
寒さのためか、コインランドリーの中にも2人のホームレスらしき人が座っている。
外にいるホームレスの人たちは、生暖かい空気が出てくる(たぶん地下鉄の)吹き出し口の上に座っている。
『私は空腹です。3日間食べていません』というようなダンボールの札を置いて座っている人もよく見る。

ところで、ぼくが当初入居予定だったのにいまだに入居できないアパートには、どうも現在、誰かが家賃未払いのまま不法入居しているようだ。
Mさんから聞いた話によると、冬になると、たとえ不法入居であっても強制的に退去させてはいけない法律になっているらしい。凍死するからだそうだ。



コインランドリーの向かい側に建っているサン・ポール・サン・ルイ教会。
この前にはいつも、学生やら、ホームレスの人たちやらが座っている。


コインランドリーの前から撮った、夕暮れ時のリヴォリ通り。

パリには、いろんな人種の人たちと、いろんな階級の人たちがごちゃごちゃに混ざって一緒に住んでいる。
たぶん、マダムたちも、ホームレスの人たちも、ぼくのようなへんてこな日本人も、みんな普通にパリの住人なんだろうな、と思う。
たぶんぼくも、だれからも歓迎されていないけど、だれからも拒まれてもいないんだとも思う。
そうなんだ。幼稚なフランス語しかしゃべれないけど、今は、ぼくも、あんたたちと一緒のパリの住人だ。

(・・・う~ん、なぜかコインランドリーに行くと悟りの心境になるようだなぁ)

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パリ23日目 (2006.10.12)

フランス製イソジンのおかげか、どうやら風邪を引かずにすんだようだ。
部屋にあった掃除機をかけてみる。やっぱりガッチャン系の重い掃除機であるが、とても合理的にできていて、性能もよさそう。
そのあと、エチュードをひたすらさらった後、フランステレコムの支払い手続きの手紙を出しに行く。



近くの画廊のショーウィンドウの隅に、テープで無造作に張って
あった誰かの手書きの個展のポスター。個展はもう終わってしま
っていて、すこし日焼けしている。ちょっと惹かれるものがあって
中のマダムに「これは売ってもらえる物?」と聞くと、冷たく「ノン」
と言い放ってそっぽを向かれる。こういっちゃなんだが、中の売り
物の絵より、こっちのほうがいい。


帰り道、ちょっといい感じの化粧品屋さんに、ラベンダーのドライフラワーがたくさん飾ってあったので、ちょっと迷ってから入ってみる。
お店のマダムに「ボンジュール。これは買うことができますか?」と聞くと「もちろんです。ひとつ4.5ユーロです。」とのこと。
ちょっと高いかな~と思ったが、ま、いいか、と、「ひとつください。」と頼むと、「お好きなのを選んでいいですよ。」とのこと。
よく見てみると、ちょっと貧弱なかんじのが多くて、比較的よさそうなのを選んでわたすと、「ああ、これはちょっとよくないですね。」と言って、別のを探してくれるが、やっぱりあまりいい状態のがなかったようで、店の奥のほうの束を見に行ってくれる。
そして「これがいいですよ。これはきれい。」といって、それを丁寧に包んで渡してくれる。

部屋に帰って無造作にぶら下げてみると、殺風景な我が家がちょっといい感じに変身。
・・・それだけのことなのだが、なんだかそれで今日はhappyな気分に・・・


化粧品屋さん(たぶん)。ここでラベンダーを買う。


こんな女の子チックな店ばかり行って、われながらどうかとも思うが・・・


試供品としてくれた「アフターシェーブローション」(たぶんジンの香り)と
ラベンダーの「フェイスローション」。案外男性客も来るのかもしれない。


その後スーパーに出かけるが、道すがら、道端に1ユーロ均一で食器を並べている店がある。ちょっとうすらでかいコップがあり、これで飲み物を飲むのはちょっと・・・な感じだが、ペン立てや歯ブラシ立てにちょうどいいな、と思って、いくつか買ってくる。


手ごろな価格帯の食器がたくさんあった店。


すべて1ユーロ。鉢はどんぶり大。コップはかなりでかい。


今日スーパー「MONOPRIX]で買ったもの。合計15EUR (\2250)。


スーパーでスープのブリックパックを6食分買ってくる。(風邪予防にいいかも、と、ネギのスープも買ってくる。これもけっこううまかった。)
とりあえずパンとスープ(+なにか適当な一品)があればそれなりにHappyな晩飯になるようだ。日本のご飯と味噌汁みたいなかんじか? (話はそれるが、パリに来て最初に恋しくなった日本の食い物は、米でも味噌汁でもなく、なぜかインスタントラーメン(しょうゆ味)だった。日本のラーメンが食いたい・・・。)
このスープのブリックパック、すごくたくさんの種類があるが、滞在中に全種類完食してみようかな。
いちばん手前の果物は、何かよくわからないが買ってみた。たべてみたらそれなりにうまかったが、けっきょく何かはわからない。(いままでに食ったことのない種類の果物のようだ。ぷよぷよしてて、みずっぽくて、しいて例えるならライチに近いような食感。)

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パリ22日目 (2006.10.11)

きょう、朝起きたらのどが痛く、これは風邪を引きかけてるかも、と思ってもう一度寝る。
けっきょく目覚めたのは夕方4時。
トータルで14時間ほど眠り続け、頭はぼーっとしているが、気分は良くなる。
その後、さっそくフルートの宿題に取りかかる。
エチュードも、この齢になってやってみると、それなりに楽しかったりする。

練習後、不動産屋に一昨日のフランステレコム電話の件を報告に行くと、事の次第がわかり、一件落着。

その後、『こっちで風邪引いたら面倒だな。病院のかかり方も分からないし。』と思い、薬局に「イソジン」のようなうがい薬はないか探しに行く。



近くの薬局。緑の十字が薬局の目印のようだ。


フランスのイソジン(?)、「Betadine 10%」。ちなみに5.1EUR。
『ぬるめの水に、コーヒースプーン1~2杯。』といういいかげんな指示。


家に帰ってドアを開けると、かすかにパスタソースの匂いがする殺風景な部屋なので、ラベンダーのドライフラワーが欲しかった。
それで、薬局の帰りに、ちょっと気になっていたアロマのお店(?)に思い切って入ってみる。でも、ラベンダーのドライフラワーはディスプレイ用だったようで、売ってくれない。
店内を見て回ると、手ごろな値段で、アロマオイルと素焼きのドーナッツの形がしたもののセットがあったので、
ぶん:「これは、使うとき、こうするもの?」(←ドーナッツにオイルを掛けるゼスチャー。)
店員:「そうですよ。」
ぶん:「私はラベンダーが好きなんですが。」
というと、2種類のオイルを持ってきて嗅がせてくれる。
そこで、「私はこっちの方が好みです。」と言って、一つ買ってくる。



女性の店員によくいじめられるので、それは覚悟で入ってみるが、
めずらしく怖くないかわいい店員さんだった。


かってきたアロマセット。気にならないよい香り。
ちなみに9EUR。たまにはこういう無駄遣いもいいかな。

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パリ21日目 (2006.10.10)

きょう、フルートの始めての本格的なレッスンへ。
言葉の問題でちゃんとレッスンを受けることができるのか心配いていたのだが、音楽に関しては『先生がなにを言っているのかわからない』ということはなく、ホッとする。
本当に音楽に国境はないんだなぁ、と実感。
もちろんそれは、先生が言葉に配慮してくださっているおかげもあるのだろうけど。

それよりもなにも、素晴らしいレッスンをしてくださる先生に教えてもらえることになったのが何よりもうれしい。
L先生へのメールに「もし尊敬するL先生が私のレッスンしていただけたなら、それは私の生涯にとってかけがえのない大きな喜びとなるでしょう」と書いたが、自分の心がけ次第で本当にそうなる気がする。
「あなたが私に教えてくださったことは、私にとって生涯の宝物です」と言って帰国できるよう、がんばろうと思う。

今日はパッハの1楽章を丁寧に教えていただく。先生がお手本で1楽章をほとんど全部吹いてくださったのだが、それはもう至福のひと時だった。
ああ、やっぱりぼくは音楽が好きだ。

最後にたくさんのエチュードの宿題をいただく。えらいこっちゃ・・・。
まるで音大生に戻ったような気分だ。(というか、いま自分は学生か。)

午後は室内楽の授業を受ける。
行くと、いきなり次々といろんな譜面を渡されて、(苦手な)初見で次々と演奏をする。
メンバーは、ピアノとフルートとヴァイオリン。(フランス人とイタリア人かな?)
なんとなく、アジアから来ている学生は『勉強しに来ています』って感じがするが、ヨーロッパ系の学生は『音楽を楽しんでます』って感じがする。なんというか、『まずは練習試合』というかんじでなくて、もういきなり『プレー・ボール!』な感じなのだ。
これも音楽が楽しい。

学校帰りに、この前のサン・ラザール駅の近くの楽譜屋さん「Flute de pan」まで、宿題のエチュードの楽譜を買いに行く。
日本にいるとき「フランスの楽譜はなんででこんなに高いのだろう。フランス国内だったら安くかえるかな?」と思っていたが、こちらで買ってもやはり高い。
6日分の食費相当額が楽譜で飛ぶ。
いろいろ見ていたら、リコーダーのクリスマス用のかわいらしいアンサンブル曲集を見つけ、それも買う。



楽譜屋さんから昼飯を探して南下していくと、なにやらすごい建物が・・・
マドレーヌ教会のようだ。巨大すぎて、カメラに収まらない。


それからさらに南下して、コンコルド広場から撮ったとこ。
巨大な建物なので、近くにあるような錯覚をするが、実際は遠くにある。


コンコルド広場。よく言えばエキゾチックで斬新な広場だが、
(こう言ってはなんだけど)ちょっと悪趣味にも見える。


これはウンディーヌ(水の精)だろうか?
これもこう言ってはなんだけど、んー、ちょっとなあ・・・


コンコルド広場から西をみると、おお、あれは凱旋門ではないか!


凱旋門のちょっと左側を見ると、おお、あれはひょっとしてエッフェル塔!
滞在中に、こういうスポットも1度は行ってみないと。
(東京に住んでいたときも、けっきょく東京タワーに行かなかったし)


ちなみに、きょう買った小さなかわいらしいリコーダーアンサンブルの楽譜。
(ちなみに、右の2ユーロ硬貨は500円玉くらいの大きさ。)
リコーダーの生徒さんたちでアンサンブルしたらきれいな響きがしそう。

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