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No.258: 室内楽科合格! (2007.6.5)

きょうはフルートのコンクールの本選。
室内楽のお別れパーティーがちょうど重なっていて、でも、D先生(←室内楽の先生)と会えるのはこれで最後なので、コンクール直前にかけつけて、1曲演奏してきた。
「1曲、日本の小さな曲を演奏させてください。赤とんぼという曲です。私は、今年の夏に日本にかえらなくてはいけません。なので、わたしは、D先生に、私のすべての感謝の気持ちをこめて、これを演奏します」と、日本語に訳しちゃうとかなり恥ずかしいセリフをしゃべって、そしたら、会場のみんなが「おおー!」と言ってみんな聴いてくれる姿勢になって、それで、「赤とんぼによるポエム」を吹いてきた。
安田さんという、ぼくが大好きな作曲家がアレンジしたとても美しい響きの「赤とんぼ」なのだけれど、ちゃんと気持ちをこめて吹けたと思う。
伴奏は、コンクールの伴奏者のYさんにお願いしたんだけど、Yさんも、とても気持ちのこもった美しい響きのピアノを弾いてくださった。
演奏が終わったら、D先生が「ありがとう、アツィーロ!」と言ってくれて、D先生とキスして(ビズというフランスの挨拶なんだけど、ビズしたのは今日がはじめて)、先生といっしょに写真を撮らせてもらって、そして、いそいでコンクール会場へ。

ピアノのYさんに、「何回ミスがあると不合格とか、そういうのってあるんですかね?」と聞いてみたら、「いや、そんなのないでしょう。フランスは、そんなことより、いい音楽が作れるかのほうが大事なんじゃないかな。」とおっしゃっていたので、リスクを覚悟でおもいっきりはじけた演奏をしてきた。
ちょっと調子に乗りすぎて、いくつかミスを出してしまったんだけど、でも、楽しい演奏はできたんじゃないかなぁ・・・
Yさんは、「とてもノリのいい楽しい演奏だったよ」とおっしゃってくださってくれてたけど。

それにしても、本番の前にパーティーに行って演奏してしまったりとか、本番のステージへもいつもと同じ調子で出て行っていってしまったりとか・・・、Yさんが、そんなぼくのキャラクターを「なんだか思いっきりフランス生活を楽しんでますね」と言って面白がっていた。

そんなドタバタな感じの1日だったのだけれど、コンクールを受ける道すがら、通路の掲示板を見てみたら、なんと、室内楽のコンクールの結果が張り出されていて、なんと、合格していた!!



パーティー会場。左端で聴いてくださっているのはD先生。

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No.257: 明日はコンクール (2007.6.4)

きょうも一日悪あがきしてみたけど、かなり危ない箇所は多数残ったまま。
あとは運かな・・・

明日は、室内楽のお別れパーティー(先生は「ピクニック」って言っていた)があって、ちょうどコンクールの時間帯に重なっているのだけど、コンクールの直前にちょっと顔を出してくるつもり。
場の雰囲気を見て、お別れに1曲吹いてこようかな、などと、コンクールの直前にもかかわらず思ったりしているのだけど、でも、当日あたふたしてもどうにもならないしね。

きょう、待っていたカメラがやっと届いた。
配達員を逃すと受け取りが困難になるので(日本のような再配達のシステムはない。日本に送り返されたり、最悪、どこかに行って出てこなくなる)、けっこう必死で受け取った。
いままで使っていたカメラとかなり写り方が違って、明るいすっきりした色調に写る。
使いこなせるようにして、実際のパリの色に近い色が出るように、カメラの設定をいろいろ微調整する予定。



日本から送ってもらったカメラ。
あいかわらず箱はくしゃくしゃだけど、中身は大丈夫だった。


新しいカメラで撮ってみたMONOPRIX。1階。


地下の食料品売り場のレジ。

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No256: もうあさってか (2007.6.3)

気がつけば、コンクール本選はあさって。
曲の方、なんだか危なっかしいところが大量にあるが、あした一日でなんとかなるかな?
あんまり部屋にこもりっぱなしで練習ももよくないと思って、きょうは、夜に洗濯に行く。
(コンクール前に風邪の菌を拾いたくないのでなるべく外出を控えていたのだけど、もう、たとえいま菌を拾ったとしても、コンクール本番はまだ潜伏期間中だから大丈夫だな、と思って。)

洗濯中に、バスティーユのクイック(ハンバーガー屋)に行く。
ハンバーガーを食っていたら、若い女の子が、レシートを見せてくれと言ってきて、よくわからないので「ごめん」といって断ってしまった。
後でわかったのだけど、この店、レシートの番号を入力しないとトイレに入れない仕組みのようだ。(普通のパリの店のトイレはチップがいるけど、ここは、レシートがあれば無料で使えるようだ。)
つまり、この女の子、買い物をせずに(無料で)トイレを使いたかっただけのようで、それだったら、見せてあげればよかった。
でも、けっこうおしゃれな格好をしたパリジェンヌのせこさには笑える。

ところで、日本から送ってもらったカメラ、まだ来ないなぁ・・・。
明日の朝、配達に来たら絶対逃がさないように、と、今日は服を着て寝る。
(配達員、たった1~2分が待てないんだよね~。たぶん、急いでいるわけではなくて、待つのが面倒なだけなんだと思うんだけど。)



バスティーユのクイック。「Giant」というハンバーガーを食った。

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No.255: まったくフランス人ってヤツは・・・ (2007.6.2)

きょうはピアニストとの合わせ。
なんとなくお互いにお互いの音楽が分かってきた感じで、楽しかった。
ピアニストのYさん、過密スケジュールで、きょうはかなりあわただしかったのだけど、またいろいろおもしろいお話が聞けた。

椿姫をやっているときのフランス人のリズムの感じ方の話も面白かったけど、なぜフランス人が技巧的な曲を軽くやってのけるのか、の話が面白かった。
フランス人、後先のことを考えずに生きていて、たとえば、3ヵ月後のことなんかまったく頭にないらしい。(日本人は考える。)
なので、すごく技巧的で難しいパッセージを演奏するとき、こんな早いテンポで吹くと、後が続くかどうかとか考えずに吹いてしまって、で、結果的にすごいことをやってのけちゃったりするらしい。
Yさんに、「テンポ、もうちょっと前向きに行けます?」と聞かれて、「いや、これ以上あげると、最後の難しいところで崩壊するんですよ」と答えたときにその話を聞いて、「ちょっとやってみて」といわれたので、「えーっ!? わからないなぁ、それ。」とか言いつつやってみたら、本当にできちゃった。
後先考えずに、今のことだけ考えていればいいみたい。

合わせはこれで終わり。あとは本番のコンクールを迎える。

* * *

ところで、電気代の過請求の件、抗議文を送ってから特に反応もなく、ひょっとしたらこのまま何事もなく過ぎていくのだろうか?と思い始めていたら、とうとう来た!
結果は予想した通り・・・というか、予想以上で、うーん、さすがフランス人! 日本人の負けです。

送られてきた文面は、「我々の最後の手紙の通告にもかかわらず、あなたの110ユーロの支払いは、とうとう我々の元に届きませんでした・・・」に始まり、「あなたが即時に支払う能力がなく、そして、すべての給電の中断を避けたいのであれば、社会福祉の・・・」と続き、「あなたの回答がない場合、15日後、我々はあなたの電気提供停止の処置を実行するでしょう。そして、この介入のための費用45ユーロの出費はあなたが支払うことになるでしょう」(←なぜか金額が増えている)に終わる強烈な文面で、こりゃもう、かわないね。
とりあえず、おとなしく払うとしようか。(おとなしく受け取るだろうか?)

しかし、この強烈さもフランスっぽいけど、社会福祉による救済手段があるところもフランスっぽくて、なんというか、この平等な友愛みたいな精神には感激するな。
ぼくなんか外国人の留学生なのに、住宅手当(家賃の25%程度)をフランス政府からもらっていて、これはフランス人の学生と平等な扱いだ。



スーパーで買ってみたアプリコット。
食べてみたら、ちょっとすっぱい桃みたいな食感。

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