この国で「タンデムツーリング」している人がどれだけいるのだろう?
残念なことに日本ではお世辞にもタンデムツーリングが気軽に出来る環境とは言えない。
街中を走ったり近場ならばいいのだろうけど、ロングとなるとパッセンジャーは勿論、運転する方もとてつもない労力が必要だ。
何せバイクはクルマと違ってもともと2人で乗ることを考えていないから、極端な話。
だがそれを楽しんでやってしまうのだからスゴイ!
スゴイというほかない!
ただし帰ってきた後のライダーの史上最高超絶疲労困憊っぷりには笑えたけど・・(苦笑)。
早朝、なんでそうなったのか思い出せないが愛甲石田の駅に集合する。
やたらと寒い・・。
今回はタンデムツーリングということもあり、久しぶりにオール下道のロングツーリングだ。
TDMに大量の荷物を積むのは容易ではないのでオレのバリオスにほぼ3人分の荷物を積み込む。
まあ全てでは無いのだが今までに積んだ事がないぐらい大量の荷物がリヤシートに鎮座する。
「おいっ、これすげーな!」
文字通り山のような荷物が無事積み込まれた。オレが跨るとヘルメットしか見えないらしい(笑)。 |
「さみー、生きた心地しねえ・・」という表情。
冬の早朝は骨の髄まで冷える。 |
さて出発と走り始めるとフロントが軽くてふらふらしてちょっと不安定だ。
へたれたリヤサスに女の子一人分ぐらいの荷物が載っているのだから当たり前なのだけど。
246はちょっと前に降った雪がたまーに残っていたりしてひやっとさせられたが、順調に距離を稼いでいく。
混まないうちにできるだけ先に進んでおきたかったのでハイペースで走っていく。
この246で行くルートは学生時代帰省するとき数え切れないほど走っているのだが、御殿場のあたりになるといつもはっきりと気温が下がるのを感じるのだ。
走ったことがある人ならわかるでしょ?
沼津に入り1号に合流。主要幹線道路だけに快適2〜3車線の道が続く。見慣れた景色だ。
富士の高架でいつも通り製紙工場の吐き出す臭い息を嗅がせられる。
ここを抜けると高速道路ペースにスイッチ。
由比のバイパスではさらにハイペース!
ここを60km/hで走ってたら逆に危険なので気をつけるべし。
横を併走する東名高速と同じようなペースで走っていく。
右に急峻な薩垂峠、左に広がる駿河湾。
ミラーで気をつけてさえいればすこぶる気持ちがいい。
刺すような空気に潮の香りが混じって地元に帰ってきたことを感じてしまう。
清水からペースの落ちる1号をパスし150号にスイッチ。
三保から静岡市へ抜けるこのは昔から好きな道だ。
高校をさぼって海を眺めに来たこともあったっけ(笑)。
山は有度山にへばりつくように石垣いちごのビニールハウスが並び、海側は冬の陽光に照らされ群青色に鈍く光っている。
少し走ると海側で焼津と静岡を結ぶ大崩海岸へ。
ここは自分がまだ産まれる前、貫いていたトンネルが崩れ死傷者が出てしまうような大惨事が起こってしまったらしい。
今ではその崩れた部分を迂回するように海上に迂回する橋が造られ、傍らには崩れた土砂とトンネルの痕跡と慰霊碑が建てられている。
大崩を抜けると焼津市。
マグロで有名な漁港の街だが今回はスルー。
大井川を渡り御前崎を目指す。
だんだん交通量が少なくなってきて走りやすくなる。
御前崎に寄ろうかと思ったが時間的に厳しいのでパス。
今回の目的はまだまだ先だからね。 |
浜岡の海辺の公園。
だあれもいない・・。後ろに広がるのは防砂林と遠州灘。 |
といいつつ休憩がてら浜岡のあたりで遠州大砂丘を見る。
白砂が見渡す限り広がっているのかと思ったら、場所が悪かったのかそんなにたいしたことはなくてガッカリ・・。
ほとんど使われないであろう展望台から見た松林はなかなかのもんだったけど。
順調に150号を進んでいくとスズキの街・竜洋町へ。
ここにはスズキの開発中マシンが走るテストコースがあるのだ。
その竜洋が近づくにつれ
「たこまん」
の文字がやたらと目に入る。
どうやら地元のお菓子屋さんらしい。
三重の「赤福」の看板とまではいかないがとにかく気になる。
「たこやきがアンコに混ざってまんじゅうの中に入っているのだろうか?」
はたまた
「肉まんのように肉がたこに?」
などと勝手に想像してしまう。
亮やありこも当然のように気になっていたようで、走っている途中に見つけ、少し通り過ぎてしまったのだけれど引き返して店に行ってみることにした。
わかったのは、たこまんというのは店の名前であり、商品の名前でもあって、お菓子の方の「たこまん」は人形焼きのような感じのカステラの中にアンコが入っている何の変哲もないお菓子だった・・。
それ以上に気になったのが「でこぼこシュー」。
この店は洋菓子も扱っていて、そこに人気のあるらしいでこぼこのシュークリームがあった。
店の前でむさぼり食う。
「んま〜いっ♪」
どんなシュークリームか?ってのは行ってみてのお楽しみ。
天竜川を渡り国道1号へ。
さらに浜名湖を渡り、愛知との県境あたりで42号にスイッチ。知多半島へ。
知多半島に入ると途端に田舎の様相。
軽トラックの多い対向2車線の国道をひたひたと走る。
ここまで来ると寒さはだいぶ和らいだが、疲れがだんだん少しずつ忍び寄ってくる(笑)。
淡々とあまり風景が変わらない中走っていくと海が時折見える。
赤羽根のあたりは波乗りのスポットがあるので、農地の中にぽつんとサーフショップがあったりする。 |
日出の洞門。
どでかい岩にぽかんと穴が開いている。 |
海辺に日出の洞門なるものがあるとのことなので休憩がてら見ていく。
浜辺に出ててくてく歩いていくとでっかい岩の真ん中に少しだけ穴の開いたブツがあった。
どうやったらこうなるのか・・・?
そこから少し走り、くいっとカーブを曲がるといきなり伊良湖のフェリーターミナルが現れる。
受付棟に入って手続きを済ませると少し時間があるので土産物屋をひやかす。
「焼き大あさり発見!」
確かにあさりにしては大きいしうまいのだがうむむ・・。量が少ねえ。
フェリー乗船!
船は頻繁に往復するからかあまり大きくはないが波は穏やかなので快適。
鳥羽に着くと日は暮れかけている。
夫婦岩になんか目もくれず今夜は松阪牛だぁ!
県道をひたすら松阪市街へ。
走っている間に突然腹が痛くなってきて辛い。しかも見事に渋滞にハマり最悪・・。
苦痛に耐えつつ陽のとっぷり暮れた時間に松阪着。
寒さに耐えきれず思わず缶コーヒーに手が伸びる。
さあ今夜の夕食は豪勢に松阪牛!
ちゃんとした店で食べたら通常1食1万以上はするらしいのだが、オレたちは比較的安い店を選んだ。
以前亮が来たときに行った店らしい。 |
「まるよし」で松阪牛を食べました。
非常に満足そうです。 |
網焼き、牛刺し、肉鍋にごはんを頼むと、数分後松阪さんご登場!
牛刺しはさほど驚かなかったが網焼きと肉鍋は驚愕した!
今まで食べてきた肉は何だったのだろう?と思わせるうまさ。
自然と笑ってしまう。
幽玄亭ならいつもきっとこんな肉が出てくるんだろうな・・。
高いことは高いがやはりそれ相応の価値があると思った。
また来たら是非とも食べたい!
夕食で十二分に満足するとあとは寝るだけ。
本日は下道を頑張ったご褒美としてキャンプを回避して松阪駅前の安ホテルでまったりと眠る。 |