写真を見てもわかるように室戸の時点で既に日が傾きはじめ、かなり影が長くなっている。
海岸線を今度は北西に向けて一路高知へと走る。

市街地につく頃にはすっかり日は落ち、辺りは暗闇に包まれていた。
気温もぐっと下がってきて今現在のオレなら今日ぐらいはビジホに泊まろうか、と思うのだろうけど当時は金銭的余裕は全くなくキャンプしなければならなかったのだ。

高知市街を抜けて仁淀川沿いで適当にテントを張る。
真っ暗な中でテントを張るのはかなり難しい・・。
あたりに街頭すらないので手探り状態で適当に平らな場所を見つけてテントを張った。

この日は初日の夜寝ていない疲労も蓄積していてシュラフにくるまるとあっという間に眠りに落ちていた。
上:室戸スカイライン。日が傾きバイクの影も長い。
左:四万十川へ向かう国道56号の途中で。缶コーヒーを飲み一服するオレの肩もすくむほどの寒さだ。田圃にも霜が残る。


翌朝起きて辺りを見回すと、だだっ広い川っぺりにぽつんと佇むオレのテントがあった。
犬を散歩する人たちも不思議そうにこちらを見ていた。
まあ今考えればそうだろうなあと思うけれど・・。

テントを撤収し56号を中村へむけて走る。
四国はクルマの流れが早くて気持ちよく走れた。

中村市から四万十川を遡上するように走る。
とても国道とは思えない1〜1.5車線が多い道を慎重に。
横を見ると川面が見えて四万十川まで来たんだという実感が湧いてきた。
雑誌などで見た沈下橋が目の前にあって普通に嬉しかった。
今日はあまり走らずのんびりと川を眺めながらキャンプすることに。

四万十川の河原は広くてたき火のできる場所がたくさんあった。
誰も来ないような適当な河原を見つけてテントを張る。でっかい静かな河原を独占する。

西土佐村の中心部には小ぎれいなスーパーもあって食材がふんだんにあるのでうれしい。
テントに戻り、焚き付けと流木を集める。
焚き火をしてようやくおだやかな気持ちになったような気がする。

焚き火は豪快に燃やすのは誰にでもできるが、長く燃やすのにはちょっとしたコツが要る。難しい・・。

焚き火を消してシュラフに潜り込むと静寂が暗闇を支配する。
遠くからかすかに犬の鳴き声が聞こえた様な気がした。

右:ネームバリューでは日本を代表する四万十川。くだらない護岸工事が増え、景観、水質ともかなり昔に比べ汚くなってしまったというがそれでも普通の川に比べればきれいだ。フレームに納めればまさに日本の原風景。

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