>> ロックブーケはお兄さまを労いたい





 ロックブーケ様は、兄・ノエルの愛情を一心に受けてやんごとなく育っている訳でありまして……。


ダンターグ  : 「今日は鶏がアホほどとれたな、唐揚げにでもするか。それとも半日つけ込んでタンドリーチキンでも作るか……」


ロックブーケ : 「ダンターグさまー、ダンターグさまー」


ダンターグ : 「? 何だロックブーケじゃねぇか、どうしたんだ?」


ロックブーケ : 「あの、あの……ロックブーケに、お料理を教えてくださいませんか?」


ダンターグ : 「料理? 別に構わねぇが、どーいう風の吹き回しだ?」


ロックブーケ : 「ロックブーケ、たまにはお兄さまにお料理を作って頑張っているお兄さまを労ってあげようと思って……ヘンですの?」


ダンターグ : 「なるほどな……いや、兄を気遣う妹ってのは別におかしくねぇと思うぜ。よし、そういう事なら任せておけ。簡単な奴、2,3教えてやるからな」


ロックブーケ : 「よろしくおねがいしまーす! ですの!」 (ペコリ)


ダンターグ : (こーやって素直な所は普通に可愛いんだよな、ロックブーケは……)


ロックブーケ : 「ううう、でも、ロックブーケ、包丁は憎たらしい奴をザックリ☆やる時以外に使わないですの。ちゃんと料理出来るか心配ですの……」


ダンターグ : 「はは、まぁそう気負うなよ。最初は簡単なやつにするからよ!」


ロックブーケ : 「でも、失敗したらお兄さまに会わせるロックブーケがおりませんの……」


ダンターグ : 「心配すんなって。大体、ノエルのアニキの事だ、多少失敗してもオマエが作ったモノなら喰うだろ! つーか、オマエが作ったと思えば生ゴミだって食べるよ、あの人は! ……なーんてな、あははは!」



ロックブーケ : 「それもそうですわね!」



ダンターグ : 「……は?」


ロックブーケ : 「ノエルお兄さまでしたら、私が作ったと言い張ればアバロンの生ゴミだって喜んでむさぼり食う程にロックブーケの事が大好きですもの! わざわざ作らなくても、生ゴミで充分ですわねー。 料理、失敗するといけませんし、今回はその手を使いますわ! ダンターグ様、ありがとーございますですの!」




ダンターグ : 「いやいやいやいや、待てぇ、ロックブーケ! こらー、ちょ、待てぇい!」




 ※その日、ノエル兄さんの食卓にはアバロンの生ゴミが並んだようだが、美味しい美味しいと涙を流して貪りくったのだという。




ロックブーケはノエル兄さんを労いたい VOL.2>



ロックブーケ : 「毛糸OKですわ! 編み棒、OKですわ!」


スービエ : 「……何だロックブーケ、編み物か?」


ロックブーケ : 「そうですわー。いつもロックブーケを大事にしてくださる、ノエルお兄さまに心ばかりのプレゼントとして編み物のやり方を、ダンターグ様から教わってきましたの!」


スービエ : 「ダンターグから……?」


ロックブーケ : 「ばっちり、セーターの編み方を教わりましたの!」


スービエ : 「へー、作ってやるつもりか、ノエルに」


ロックブーケ : 「作る予定ですわ、ノエル兄様に!」


スービエ : 「そうか、がんば……」



ロックブーケ : 「スービエ様が!」



スービエ : 「!?」


ロックブーケ : 「という訳でスービエ様、材料は人間どもから搾取してきましたの! 頑張ってくださいですのー!」


スービエ : 「いやいやいや、ちょっとまて! ななな、何で俺がっ!? 意味わかんねーんだが!」


ロックブーケ : 「スービエさま、手がいっぱいあるから編むのきっと早いですの! だからですわ!」


スービエ : 「いやいやいや、俺のコレ手というか殆ど足状態だし! というか、何で俺がノエルのセーターなんて編まんといかんのだ!」


ロックブーケ : 「だってロックブーケ、見たいテレビとかあるですの。セーターなんて編んでるヒマないですの!」


スービエ : 「そこを頑張るから有り難いんだろ、こーいうモンは! というか俺はやらんぞ! どうして俺がノエルの為にセーター編まないといけないんだ! 俺だってテレビ見ている方がいいわ、そんな事するんなら!」


ロックブーケ : 「テンプテーション、でーすわ」


スービエ : 「う!!!」


ロックブーケ : 「さぁ、スービエ? 女王様の為に、働かせてあげるわよ。存分に、ご奉仕なさいな?」




スービエ : 「は、はい! ロックブーケ様は世界一ィイ!」



 ※こうして、ロックブーケが作った事になっているセーターは無事にノエル兄さんに届けられたようですが、少し生臭かったようです。




ロックブーケはノエル兄さんを労いたいような気がする vol.3>



ロックブーケ : 「お料理もした、編み物でプレゼントもした! これでノエル兄さまは、ますますロックブーケにメロメロのテンプテーションですわ! キャー」


ボクオーン : (生ゴミくわせて、触手くさいセーター渡しただけじゃないか)


ロックブーケ : 「でも、もっとメロメロにしたいですわ。ボクオーン様、何か妙案は御座いませんの?」


ボクオーン : 「そうだね……家庭的な女性路線で今攻めているんだから、そのまま家庭的な女性アピールをしたらどうかな? 掃除とか洗濯マメにしたり」


ロックブーケ : 「えー、めんどくさいですのー」


ボクオーン : 「そこをするから、いいんじゃないのかな……?」


ロックブーケ : 「もっと手っ取り早く好感度は稼げないものですの?」


ボクオーン : 「そうだな……」


ロックブーケ : 「例えば、後頭部を殴打して気を失っているすきに一方的に既成事実をつくる、とか!」




ボクオーン : 「発想が物騒すぎる、発想が物騒すぎるよロックブーケ!」



ロックブーケ : 「てへ!」


ワグナス : 「……その手があったか!」


ボクオーン : 「七英雄のリーダーは、リーダーで、その手があったか! とか言わない!」



 ※七英雄は全体的に危険な思考の持ち主が多いようです。




ロックブーケはノエル兄さんを労いたい気がしたが、別にそんな事はなかったぜ! vol.4>



ロックブーケ : (けっきょく、ロックブーケ何もしてないです……ノエル兄さまに何かしてあげたいって、気持ちは一杯あるのに……)


ノエル : 「ロックブーケ!?」


ロックブーケ : 「ノエルにいさま?」


ノエル : 「ロックブーケ、何処いってたんだ、心配したぞっ!?」


ロックブーケ : 「あ、あの。いえ、その……何でも、ないですの……」


ノエル : 「そうか……」


ロックブーケ : 「…………ノエル兄さまは、いつもロックブーケに優しいですのね」


ノエル : 「ん?」


ロックブーケ : 「ロックブーケは、殿方を魅了する以外取り柄のない子ですのに……ノエル兄さまは、いつも優しくしてくれると、思ったんですの……」


ノエル : 「はは、当然だろ、兄さんなんだからな」


ロックブーケ : 「ですけど……」


ノエル : 「それにな、ロックブーケ。ノエル兄さんは、ロックブーケが笑ってくれているだけで、元気が出るんだぞ?」


ロックブーケ : 「?」


ノエル : 「だから……あんまり、遠くに行かないでくれよな?」


ロックブーケ : 「ノエル兄さま……」


ノエル : 「久しぶりに、手を繋いで帰ろうか?」


ロックブーケ : 「はいですの!」


 ※こうして、ロックブーケは実に自由奔放なブラコンとして成長していくのでありました。 めでたしめでたし。



ボクオーン : 「結局、ロックブーケのワガママは兄の教育の賜物だと思うよ」


スービエ : 「うんうん」




「ロックブーケはドレスを新調する」



 七英雄は年代、段階によって形態(見た目)が変わるタイプのボスなのです。


ロックブーケ : 「じゃじゃーん、月日がたって成長しました。ロックブーケはドレスを新調しましたわー♪」


スービエ : 「へェ、黒と赤か」


ダンターグ : 「以前は赤中心だったけど、今度は随分とエレガントだな……似合ってるぜ!」


ロックブーケ : 「えへへー♪ でーすわー♪」


ノエル : 「似合って当然だろう! 私のロックブーケは何をしても可愛い、まさに愛天使ウェディングロックブーケだからな!」


スービエ : (言葉の意味はよくわからんが、とにかく凄いシスコンだ)


ボクオーン : 「でも、何でこのドレスにしたの?」


ロックブーケ: 「私はどんな衣装でもよかったのですけれども、ノエル兄さんの希望で、ですわー♪」


ボクオーン : 「へぇ……だったらノエル兄ちゃん。何でこの衣装にしたの?」



ノエル : 「黒は女を美しくするからだ!」



ボクオーン : 「……え?」


ノエル : 「という訳で、美しいロックブーケをより美しく楽しみたいという兄として当然の欲求を満たす為に黒にしてもらったのだははは! どうだ、正当な欲求だろう!」


ロックブーケ : 「キャー、流石はノエル兄さまですわ! ロックブーケはいつもノエル兄さまにテンプテーションですわー!」


ノエル : 「おかげで毎日ロックブーケに対しての情欲で、私の股間はスパーク寸前だ! あははは!」


ロックブーケ : 「キャー、流石ノエル兄さま! 破廉恥な発言にも風格がありますわー!」



ボクオーン : 「……ねぇ、ダンターグ。ボクはあの発言の何処につっこんだらいい?



ダンターグ : 「とりあえず俺だったら、兄としてより妹を美しく楽しもうという精神はどうかと思うがな」


スービエ : 「俺だったら股間がスパーク寸前とか宣い出す所だろうな」


クジンシー : 「ボクだったら黒は女を美しくする発言ノスね……魔女! 魔女の宅急便ノスか、ノエルにーにー!」


ボクオーン : 「……ツッコミきれないという結論に達したけど、どうしようかこれ?」


ロックブーケ : 「兄さまー。ロックブーケはノエル兄さまにいつもテンプテーションですわー」

ノエル : 「ははは、そういう私もロックブーケに常に! エブリディ! テンプテーションでトゥギャザーしようぜだ! あははは!」



ダンターグ : 「……関わらない、で正解じゃないか」



スービエ : 「同感だ」



結論 : ロックブーケさんのドレスチェンジは、ノエル兄さんのけしからん趣味。




スービエ : 「つーか、黒が女を美しくする! ってのなら、どうしてすくみずじゃ! すくみずじゃないんだよノエルっ!」


ノエル : 「あれは濃紺。濃紺は濃紺、黒じゃないな!」


スービエ : 「えー」


ダンターグ : (スービエは、すくみず派か……)

ボクオーン : 「ってか、黒だったら着せる気だったっぽいよね、ノエル兄さん……」



 ※以外と拘るノエル兄さん。



ノエル兄さんは剣をもってくる>



ボクオーン :  「かくいうノエルにーちゃんは、第2形態になると剣をもってくるよね?」


ノエル : 「あぁ! あの世界での体術はあらかたマスターしたから、次は剣術をマスターしようと思ってな!」


ボクオーン : 「へぇ……だからあんなに弱体化するんだ! なるほどねー」


ノエル : 「しくしくしく……」


 ※ノエルの第2形態は弱体化扱いされる事甚だしい。

 ※ボクオーンの言葉責めは今日も絶好調。





「誕生日ですよロックブーケさん!」



ダンターグ : 「よォ、ロックブーケ。誕生日なんだってな、おめでとさん!」


ロックブーケ: 「あら、ダンターグ様! ありがとうですの。嬉しいですわ〜♪」


ボクオーン : 「プレゼントも持ってきたよ」


ロックブーケ: 「ありがとうですの! ……うふふ、可愛いクマさんですわ、嬉しいですわ〜。殿方が私の誕生日を祝福するのは至極当然ですけれども、実際に祝われると嬉しいですわね〜」


ボクオーン : 「……あんな事言ってるけど?」


ノエル  : 「うむ、そうだ当然だ! 万物の存在すべてに、ロックブーケは祝福されて当然だ!」


ボクオーン : 「えー……」


ダンターグ : 「今更驚くなよ、こういう奴だろ? ……っと、所でロックブーケ、幾つになったんだ?」


ロックブーケ: 「? ですわ?」


ダンターグ : 「誕生日が来たんだろ、年取ったんだよな……幾つになったんだ?」




ロックブーケ: 「はいっ、ロックブーケは17歳になりましたわ!」



ダンターグ : 「……え?」


ロックブーケ: 「ロックブーケは今日も17歳、明日も17歳。 その次の日もその次の日も変わらない、永遠の17歳ですわー」


ダンターグ : 「えっと……ボクオーン?」


ボクオーン : 「ボクに助けを求めないでよね」


 ※ロックブーケさんは永遠の17歳なので誕生日が来ても17歳。



「誕生日ッスか、ノエル兄さん!」



ボクオーン : 「あ、ノエル兄ちゃんもうすぐ誕生日……何欲しい」


ノエル : 「ロックブーケの(以下良い子が見ているサイトの為、自主規制)」


ボクオーン : 「そ、そう……で、今度の誕生日で幾つになるの。ノエルにーちゃん?」



ノエル : 「19歳だ」



ボクオーン : 「………………え?」


ノエル : 「いや、ロックブーケの肉体年齢は常に17歳……そして俺はロックブーケの二つ上の兄だ」


ボクオーン : 「はぁ……」


ノエル : 「だから19歳だ。ロックブーケが永遠に17歳と言い張れる為に、俺は永遠に19歳と言い張る。それだけの事だ!」


ボクオーン : 「そう……大変なんだねノエル兄ちゃんも、ロックブーケねーちゃんのイメージ守る為に……」


ノエル : 「言うな……」


 ※以外と妹の風評被害を気にする兄・ノエルである。



「誕生日ッスか、ノエル兄さん!」



ワグナス : 「ふははは、ラ・マン! ノエルの誕生日と聞き……華麗なるリーダー、ワグナス様が優美に登場したぞ! さぁノエル、ケツを出せ! そして今夜は私の肉体をピンポイントな部分にプレゼントフォー・ユーだ!」



ボクオーン: 「……」


ダンターグ: 「…………」



ワグナス : 「って、おーい。ノエルー? ノエルは何処だ下郎ども!」



ボクオーン: 「ノエルにーちゃんなら」



ノエル : 『奴が来るの解るから旅に出る、行き先は未定』

ロックブーケ : 『そして私はお兄さまといつも一緒ですわー』




ボクオーン: 「っていいって旅に出たよ」

ワグナス : 「何とおのれ…………ギギギギ!」


 ※ノエル兄さんの誕生日は、基本的にどうやってワグナスを巻くかに勝負がかかっている。




「ノエル兄様は踏み台にされたいようです」



ロックブーケ : 「う〜」


ノエル : 「どうした、ロックブーケ?」


ロックブーケ : 「誰かがロックブーケの大好きなのり缶を、あんな高い所に置いてしまいましたの! あれじゃぁ、のり缶がとれませんわ〜」


ノエル : 「はっはっは、安心しろロックブーケ! あの高さなら踏み台を使えばとれるだろう! この逞しい兄が、ロックブーケの為に踏み台をしてやろう!」


ロックブーケ : 「キャー、流石兄さまですわ!」



ノエル : 「さぁ踏め! 踏むのだロックブーケ!」



ロックブーケ : 「では、遠慮なく……ほら、ほらどうかしら兄さま、ロックブーケのおヒールの味はいかがですの?」(グリグリ)


ノエル : 「はいっ! ロックブーケ様痛いです痛いです、ですが新感覚の痛さです!」(ぷるぷる)


ロックブーケ : 「あ、とれましたわ兄さま、ありがとうございます!」


ノエル : 「そ、そうか! ははは、妹が困っているのなら当然だ! あははは!」



スービエ : 「……何てことをいま、俺たちの眼前であの馬鹿兄妹がしているのだが皆、あれ、どう思う?」


ボクオーン : 「とりあえず、踏み台もってくればいいと思うよ……」



 ※踏み台ごときに、ロックブーケに踏まれる栄光は渡したくないノエル兄さんは永遠の19歳です。




「ノエル兄さんは基本、踏み台に幸福を見いだす」



ロックブーケ : 「うーん、うーん」


ノエル : 「どうした、ロックブーケ」


ロックブーケ : 「誰かがロックブーケの大好物の、味のりが沢山つまったのり缶をあんな高い所に置いてしまったみたいですの、あとちょっとで届きそうなんですけれども……」



ノエル : 「よし、仕方ないロックブーケ! 私を踏み台にしてのり缶をとるのだ! 私の肉体を超えていけーッ!」



ロックブーケ : 「キャー流石ですわノエル兄さま、では遠慮なく……ほら私の踏み台になりなこの褐色兄!」(ビシビシ)


ノエル : 「あぁ! 痛いです痛いです、でも痛い中にワクワクが押し寄せてきます!」(ぷるぷる)



スービエ : 「なんて、またあの兄妹がやっているけどどう思うボクオーン?」


ボクオーン : 「うん、とりあえず思うのは、踏み台とか使わなくてもノエル兄ちゃん、普通にそこ手ぇ届く場所だよ! ってこの事実だよね……」



 ※手が届くとか届かないとか問題ではない。俺は踏み台がやりたいんだ! というノエル兄さんの男気です。




「ノエル兄さまはどMであらせられる」



ロックブーケ : 「うーん、うーん」


ダンターグ : 「どうしたロックブーケ」


ロックブーケ : 「誰かがロックブーケの大好物の味のりが一杯はいったのり缶を、あんな高い所に置いたんですのー、とれないですのー」


ダンターグ : 「仕方ないな……とってやろうか?」


ロックブーケ : 「本当ですの、とってほしーで……」



 ドドドドドドド……。



ノエル : 「待て待て待て待て待てーい、ダンターグ待てぇい!」


ダンターグ : 「ノエル?」


ノエル : 「麗しいロックブーケが高いものをとれないと言っているのだ! これはめったにない踏み台チャンスだぞ! という訳でさぁ私を踏み台にしろロックブーケ! そして高い所のものをとるのだ!」



ダンターグ : 「ほら、とれた。やるよ」


ロックブーケ : 「わぁ、ありがとーございます、ダンターグ様!」



ノエル : 「!? !? !?」



ロックブーケ : 「やったー、のり缶ですわー」(パリパリ)


ダンターグ : 「食い過ぎるなよ?」



ノエル : (ポカ、ポカ、ポカ)「この、この……」


ダンターグ : 「ちょ、おいノエルのアニキ、地味に向こう脛をカポエラるのやめてくれねーか、痛ぇんだけど……」


スービエ : 「……どう思う、ボクオーン」


ボクオーン : 「うん、ノエル兄ちゃんって真性のどMなんだろうな、って思ったよ……」



 ※ノエル業界で、お仕置きはそれ即ちご褒美です。




「ノエル兄さまはしばしばうっかりされる」



ダンターグ : 「うーむ」


ロックブーケ : 「どうされましたの、ダンターグ様?」


ダンターグ : 「いや、大好物のはちみつの瓶をうっかり、棚の奥にしまっちまってなー……とれないんだよ、ホレ」


ロックブーケ : 「あら大変、どうしましょうか……」



 ドドドドドドド……。




ノエル : 「任せろ、踏み台ならまかせろー!」



ダンターグ : 「おう、流石ノエルにアニキだじゃぁ頼むな」


ノエル : 「え、あ。ちょ、ダンターグお前のサイズはちょ、私では……」


ダンターグ : 「えい」


ノエル : (ぷち)



スービエ : 「あ、つぶれた」


ボクオーン : 「まぁ、あと数百年もすれば生き返るよ。あれくらいの傷ならね……」


ノエル : 「きゅう……」


 ※もう踏み台という言葉で自分を呼ばれているのだと思う程度に紳士なノエル兄さん。



オマケ:踏み台が必要になる謎>



 誰がロックブーケの好物、のり缶を高い所にあげてしまうのか……。

 それはね。



ロックブーケ : 「ぱりぱりぱりぱり……味付けのり、最高ですわ……ぱりぱりぱり」


ダンターグ : 「食い過ぎだぞロックブーケ」



ロックブーケ : 「全然食べ過ぎてませんわ! 味付けのりは別腹ですわ!」(オタオタ)


ダンターグ : 「これは朝飯に使うんだからな……」(取り上げ)



ロックブーケ : 「あ! ダメですわ、まだ全然食べてな……」


ダンターグ : (高い所っ)



ロックブーケ : 「あー! あー!」


ダンターグ : 「もうダメ。あとは明日な」


ロックブーケ : 「非道いですわ、ダンターグ様非道いですわー」(しくしく)


 ダンターグが、これ以上食べないように上にあげているんだよ。


 
 じゃぁ、ダンターグの好物・はちみちは誰が上に上げているのかって?

 それはね?



ダンターグ : (ぺろぺろぺろぺろ)


ボクオーン : 「あー、また隠れてはちみつの瓶に手ぇつっこんでるなー!」


ダンターグ : 「うお! いや、その何だ違うんだえーっと、これはな……」


ボクオーン : 「もう、虫歯になったらどーするんだよ。もうこれ、没収! 没収な!」


ダンターグ : 「うー」


ボクオーン : 「何処か高い所にあげておこう、何処がいいかな」(キョロキョロ)


ダンターグ : (まぁ、どんな高い所とかいってもボクオーンの身長じゃ、俺の手が届く位置にしか隠せないだろう……)


ボクオーン : 「よし、ここにしまおう……さぁおいでボクの人形!」(ジャキン)


ダンターグ : 「え? って何お前そのデカい人形……ガン○ム!?」


ボクオーン : 「ハンケンの問題で普段使う事が出来ない、連邦の白い奴モデルだよ……さぁボクのガソダム! このはちみつの瓶を奥に突っ込むんだ!」


ダンターグ : 「あーあ……」


ボクオーン : 「これでとれないだろ。へへーん、ボクに 『お願いしますボクオーン様!』 っていわないと、もうとってあげないんだからなー!」



 ダンターグの操縦権は、大体、ボクオーンが握っているんだよ。

 って話です。




「ノエル兄さまはみんなのお兄さんですの!」



ロックブーケ : 「ノエル兄さまー」(むぎゅ)


ノエル : 「あはは、何だいロックブーケ!」




ダンターグ : 「前から思ってたんだがよー、それ、いいよな」


ノエル : 「何がだ?」


ダンターグ : 「いや、俺兄弟いないから……兄さまー。じゃねーけど、兄弟がいるってかさ。そういう感覚いいなって思ってよ……」


ノエル : 「何だダンターグ、兄弟欲しいのか?」


ロックブーケ : 「だったら、ダンターグ様もノエル兄さまの事を 『兄さまー』 って呼ぶといいですわ! 特別にその権利を貸してさし上げますの!」


ノエル : 「おい、ロックブーケ!」


ロックブーケ : 「ノエル兄さまに舎弟がいっぱい出来る姿……うふふ、ゾクゾクしますわ……」


ノエル : 「まぁ、ロックブーケがそう言うなら……別にいいぞ」


ダンターグ : 「おう、じゃぁノエルのアニキ!」(ビシッ)


ノエル : 「お、おう! ダンターグ!」


ダンターグ : 「あはは、アニキが俺にあわせる必要は無ぇっての!」(ぽむ)


ノエル : 「む。あー……ま、そうだな」


ボクオーン : 「いいなー、ボクもボクも! ノエル兄ちゃん!」(ぎゅ)


ノエル : 「あ、あぁ……」


スービエ : 「じゃ、俺も! ノエル兄ぃー!」


ノエル : 「うーむ……」




クジンシー : 「兄者ァァァァー!」



ノエル : 「い、いきなり兄者とかいうなー!」



ワグナス : 「だったら私も……ダーリン! だぁーりーん!」



ノエル : 「カポエラ!」(ぼくっ!)



ワグナス : 「メギャン!」



ノエル : 「……野良犬相手に、表道具は使わん……今何か見えたか諸君?」


クジンシー : 「いえ」

ダンターグ : 「何も」

スービエ : 「別に」

ロックブーケ : 「見えてませんわー」



ノエル : 「よーし、仕方ないな。今日は皆のお兄ちゃん役。やってやるとしよう!」


スービエ : 「わー……ノエル兄ぃー」(むぎゅ)



ノエル : 「ははは、触手で絡みつくなははは!」




ワグナス : 「……ダーリン非道いっちゃ、ダーリン」




ノエル : 「〜っちゃとか言うな!」(ソバット)



ワグナス : 「メギャン!」



 そんなこんなで。

 定期的に七英雄のリーダーが殴られる話でした。



オマケ >


スービエ : 「ノエル兄ぃ、ノエル兄ぃ」


ノエル : (何だろう、兄役を買ってやったら、やたらスービエがなついてくるぞ)


スービエ : 「ノエル兄ぃ、りんごむいてくれよりんご! おれ、不器用だから出来ねぇーのな! 頼むなー」


ノエル : 「はぁ……仕方ないな、ちゃんと残さず喰えよ」(しゃりしゃりしゃり)


スービエ : (わくわく)


ノエル : 「ほら」


スービエ : 「わー、ありがと、エルにぃーにぃ!」


ノエル : 「!?」


スービエ : 「!? あ、いやちがっ、違うんだノエル兄ぃちゃ……」(わたわたわた)


ノエル : 「ノエルにぃーにぃって、スービエお前……」


スービエ : 「違うんだその。あの、おれ、小さい頃結構従兄弟の兄ちゃん……まぁ、リーダーなんだけど。アレに結構なついてて……それで、小さい頃はリーダーの。ワグナス兄ちゃんの後をついてあるいてて、その時、兄ちゃんの事を 『ワグナスにぃーにぃ』 って呼んでて……」


ノエル : 「……」


スービエ : 「にぃーにぃ、よく俺にりんごむいてくれて。おれ、不器用でりんごむけなかったから、それが凄くうれしくて。それ思い出してつい……うわー、恥ずかしっ! 恥ずかしっ! これ、絶対他の奴に黙っていてくれよな! な!」


ノエル : 「あぁ、黙っている……」(てか、言えないだろ不覚にも、あれこの弟可愛いとか思ったとか、言えないだろ……)



 ※ひぐらしの沙都子さんで可愛い台詞は、スービエさんが言ってもそれなりの破壊力だったようです。




 <馬鹿兄妹は双方ブラコンでシスコン>