>> 兄、来たりて。





 平穏とは、不和への準備期間に過ぎない。


 「……淳兄ぃは、いっつもそうだ!」


 その日。

 従兄である七瀬澪のそんな言葉を聞きながら、椎名淳平は漠然とそんな事を考えていた。



 「俺が言って欲しい事は……いつだって、何にも言わねぇで……」



 椎名淳平は、今目の前に居る従兄を、何としても守りたかった。

 守り、慈しむ為に必要なのは……多く、語らない事。


 降り注ぐ理不尽の嵐から何としてでも彼を、遠ざけてやりたかった。


 それが最善だと思っていたし、今の従兄にはそれが必要だ。

 そうとも、思っていた。


 だが。



 「俺……そんなにダメな男かな……淳兄ぃに、頼って貰えない程ッ……ダメな奴かな……」


 今はそれが、かえって従兄の事を、傷つけていた。



 「なぁ、何とか言ってくれよ、淳兄ぃ。俺、そんな頼れないか? 俺じゃ……信頼出来ないか?」


 正しいと思ってしていた選択の積み重ねが、結果として、今、かえって大切な存在を苦しめ、縛り付け、そして……傷つけている。

 その事実が、あまりにも辛くて、苦しくて……。



 「……悪い、澪」



 謝罪の言葉が、漏れる。

 彼を傷つけた事、苦しめた事、それに対して許しを乞わなければ自分自身が……許せなかった。



 「……何で謝ンだよ、淳平」



 心がひずむ音がする。


 「淳平、お前いっつもそうだ! 俺には何も言わないで自分ばっかり耐えてッ、辛い思いしてさ! ……どうして俺にもそういうの、背負わせてくれないんだよ!」



 気持ちが擦れる音がする。


 あんなに近い従兄の手が、今日は随分遠くにある。

 ……言うべき言葉が思い浮かばなかったのは、従兄の言葉に反論の余地が無かったから。


 そして、反論する事でまた従兄を傷つけてしまうのではないか。

 それが、怖かったからだ。



 「やっぱり黙ってんだな、淳平。お前、ホントにさぁ……」



 拳を握る七瀬の手から軋んだ音がした。



 「……優しすぎるよ」



 従兄はそれから無言になると、そのまま部屋から出ていった。


 ……止める資格はないと思っていた。

 ここまで従兄を追いつめた自分が、どうして止める事が出来るのだと思った。



 ベッドに寝ころび天を仰ぐ。

 玄関では、誰かが靴を履く音がしていた。


 ……出ていくのだろうか。

 だが仕方ない、従兄がそれを選んだのだから。


 そう思い、ただ天井を見据えていた、その時、呼び鈴の音がする。

 来客だろうか。


 仕事場では極力人付き合いを押さえている自分の家に誰か来るとは思えないのだが。



 「……淳平、誰か来たみたいだよ?」


 そのまま飛び出るつもりだった七瀬だが、流石に人が来た所でなりふり構わず出てはいけなかったのだろう。

 ドア越しに声をかけるが、椎名がなかなか出てこない事に痺れを切らし、彼にかわって扉を開けた。




 「ハァーイ、マイブラザー! あーんど、マイカズン! 元気してたかなッ。お前たちのヒーロー、哲馬おにーさまの登場だよッ!」



 同時に聞き覚えのある声が部屋中に響く。

 そしてその声を耳にした瞬間。


 「澪! すぐにバズーカーもってこい、バズーカー! コルトパイソンでも可だ!」


 椎名の理性は吹き飛んだ。


 「ちょっ、待て! 何でいきなりバズーカーって! お前それが久しぶりに顔を見せに来た、おにぃさまに対する言葉か!」

 「黙れブタ! ブタは屠殺場に行け!」

 「ぶっ……ブタじゃない。哲馬おにーさま、だろ? ほら、じゅーんぺい。子どもの頃みたいに、俺の事ちゃぁんと、哲馬にーちゃん、って呼べよ。な?」

 「悪いがお前の事を兄と思った事は一度だってない」

 「失敬な。じゃぁなんだと思っている!」


 「喋る豚、あるいはそれに準ずる生き物、といった所だな」


 「何だと、テメェだってイグアナが喋る程度の存在の癖に。このゲッコ族……テメェなんてサルーインの進化で立つ事が出来ればお慰みなんだよ!」



 出会った瞬間、激しく罵るほ乳類顔vs爬虫類顔。

 そんな二人を、七瀬は慌てて仲裁に入る。



 「ちょ、まったまった。いーかげんにしてっ、淳平! ほら、哲馬にーちゃんもっ……もー、どうして二人ともそんな、仲が悪いんだよ!」


 流石に、七瀬に入られると二人とも弱いのだろう。

 納得はしてないものの、双方しぶしぶ引き下がる事にした。


 「……と、いうか。何のようだ、豚君。どうした、今日はパチンコで幾ら負けた? ん、それとも麻雀か? 競馬か? まさか、地獄チンチロじゃあるまいな?」

 「おいおい、淳平。お前、俺がいつも賭博黙示録に勤しんでいると思わないでくれたまえよ。まぁ、金をタダで貸してくれるんならそれに超した事はねぇけど……」

 「澪、何かとがったモンもってこい。こいつの人生に終止符が打てそうなやつだ」

 「ちょまっ! いや、今日は違うぜ。まぁ、仕事で近くまで寄ったから可愛い従弟と、可愛くも何ともねぇイグアナそっくりな実弟のツラでもみてから帰ろうと思ってな」



 男は……椎名哲馬は、そう言いながら周囲を見渡す。

 目の前には荷物を抱えた実弟と従弟が、ただならぬ雰囲気て立つ姿があった。


 「……まぁ、みーぽんに晩飯でも食わせてもらえたら御の字と思って寄ってみたんだけどよ。何つーか、これ……俺、お邪魔な時に来ちゃった感じかなぁ?」


 椎名哲馬を、心の底から尊敬していない椎名淳平にとって、実兄の来訪それそのものが邪魔だ。

 だが今日に限っては……微妙な、状態だった。


 「そ、そんな事ないよ、哲馬にーちゃん。俺、だったら何かつくろっか?」


 慌てて笑い台所に立とうとする、その手を哲馬が強引に止める。


 「いや、いいよみーぽん……出かける途中だったろ?」

 「えっ。ち、違うよ。出かけるとかじゃなくて……」

 「出かける訳じゃなくて、そんな格好してるって事は……何だよ、みーぽん。お前、家出でもするつもりか?」



 その発言に、二人はそろって言葉を失う。



 「あれあれあれ。絶句とかして……二人とも図星か? ってか、何それお前ら、痴話喧嘩?」

 「ちが……痴話喧嘩な訳がないだろうッ。別に、俺達は……」

 「あ、そー。淳平君はおにーさまにもそういう隠し事するんだー……ま、いいけどね」



 そして軽く口笛を吹くと、不意に七瀬の腕を掴み、半ば強引に抱き留めた。


 「あぅっ……な、何するのっ、哲馬にーちゃ……」

 「ま、家出だったらちょーどいいや。な、みーぽん。この哲馬おにーさまの、専属料理人になってくれないかなっ。な、いーだろ?」



 そう言いながら七瀬を抱き笑う、兄の姿を見て椎名は露骨に不機嫌な表情を向ける。



 「……何言ってんだ、豚?」

 「イグアナには言ってねーだろーが! だってほら、みーぽん家出しても出た先に困るだろー。俺だったらみーぽんの事も知ってるし、ある意味安心だろーが、なー?」


 そう言いながらニヤニヤ笑いを浮かべる椎名哲馬の表情は、明らかに下心がある表情だ。

 ……あの男の性格からしても、七瀬に何をするかは解らない。

 いや……。


 考えてみれば自分は、自分以外の誰かに七瀬澪を託してもいいと、そう思っているのだろうか。

 それで自分が、納得出来るのだろうか。


 何よりも、七瀬自身が……それで、いいと思えるのだろうか。


 「えっ……ちょ、まってよ哲馬にーちゃん。俺……そのっ」



 困惑した表情を浮かべ、助けを求めるような視線を椎名淳平へと送る。

 その目を見た瞬間……椎名の中にあった霧が晴れた気がした。



 「バカかお前は?」


 椎名淳平は兄の手を払うと、半ば強引に自分の腕の中へと七瀬を抱く。


 「え、あ……淳平?」

 「……澪は俺のパートナーだ。誰より信頼出来る、俺の大事な相棒だぞ?」


 喉で留まり出ようともしなかった言葉が、驚く程自然に出る。


 「お前の、飯炊き番じゃない……な、そうだろ、澪?」


 力強い言葉とともに、椎名は相棒の瞳を見据える。

 彼の腕に抱かれた相棒は、赤面しながら頷いた。



 「あ、そ……」


 実弟の語気に押されたのか、椎名哲馬は残念そうに。

 だが僅かに安心したように表情をゆるめ、暖かな笑顔をみせる。


 「じゃ、今日の俺の晩飯はお前の相棒に作ってもらう方向でいいのかな?」

 「何で俺の家で飯を食おうとうするんだ、愚兄?」

 「……いーじゃねぇの、たまに顔見せに来た訳だしさ」



 靴を脱ぎ、部屋にあがると椎名哲馬は、実弟の耳元で囁いた。


 「……それに、どうせ口下手で不器用なお前一人じゃ、収拾出来なかったんだろ?」

 「なっ、何言ってんだこのッ……」

 「愚弟の為に気を利かせたんだ、飯くらいおごり給え!」


 そして、そのままずけずけと部屋の中に上がり込む。


 後には椎名淳平と七瀬澪、二人だけが残された。


 「えっと……」


 二人になって、七瀬が言う。


 「あの、淳兄ぃ……俺、そのっ……いいのかな?」

 「……いいんだ、俺の傍に居てくれ」


 指先が絡み合う。


 「俺は……こんなだから、お前に必要な言葉を……かけてやる事が、出来ない」


 暖かな感情が、絡んだ指先から伝わってくる。


 「……だが、誰よりもお前を必要としている。だから……」


 鼓動が、伝わる。


 「お前さえ許してくれるのなら……傍に居てくれ。俺は……お前と、一緒に居たい」


 心にある温かな思いを、精一杯の言葉としてつづる。

 その瞬間、大切な存在に笑顔が戻った。


 「……俺で、よければ……いいよ、一緒に居よう。俺も……やっぱ、淳兄ぃがいい」


 互いの手を握る力が強くなる。


 「おーい。マイブラザー、あーんどマイカズン! 飯の支度早くしてくんねぇか、おにーさまお腹ぺっこぺこだぞー!」

 「あ、はーい。今いきまーす」



 普段は歓迎しない来客が、再び二人に暖かな時間を取り戻す。

 平穏とは、不和の準備期間に過ぎないのかもしれない。

 だが。


 それでも今はこの夜の、一時の平穏は暖かだった。





 <下っこにオマケつきです。 (戻るよ)>





今日のオマケ : 神崎先輩と椎名兄 >


 街の一角にあるバー、リベリオンには変わった客がしばしばくるという。



神崎 : 「いらっしゃぁ……あ、なんだ、哲馬さんか」


椎名 : 「ばんはー、久しぶりタカシ! 元気だったか?」


神崎 : 「ははは、元気だなんて良く言うさね! それがライブ中の俺の顔めがけてウイスキーの瓶ブン投げた男の言う事かね!」


椎名 : 「いいだろ、別によォ。最近売り出し中のバンドに女はべらしていい気になってる餓鬼がいるってんだからその顔見られないよーにしてやろうと思うのは、俺のようなデブタには当然ともいえる行為だろうが!」


神崎 : 「犯罪行為を自慢するの、どーかと思うけどねぇ?」


椎名 : 「うむ。だが……お前は強かったなぁ! まさか瓶を徒手で落として、あれだけの人数を相手に大立ち回りしてみせるたぁ思わなかったぜ」


神崎 : 「哲馬さんこそ、なかなかのモンじゃないのさ。今思い出してもほれぼれするねェ、あの巨漢であんな身軽に動けるのは、俺が知っているのはアンタとグリズリーくらいのもんさね!」


椎名 : 「誉め言葉か?」


神崎 : 「誉めてるに決まってるでしょうに。 俺が喧嘩の舞台で認めるのは親父と哲馬さんだけだよ?」


椎名 : 「喧嘩かぁ。せめてロックの舞台でも認められたかったモンだがなぁ」


神崎 : 「ははッ……哲馬さん歌、ウマイと思うんだけどねぇ。ま、アンタの弟さんにゃかなわないけど……」


椎名 : 「淳平か……」


神崎 : 「そうさね! あぁ、ホント……じゅんぺー君は逸材だよ? あの伸びるような低音に、抜群の音感……しっとりとした憂いのある声……何度うちのボーカルにって頼み込んだか解らないさ!」


椎名 : 「でもあいつ、アニソンしか歌わないだろ?」


神崎 : 「っそーなんだよ。惜しいねぇ……抜群の声質、真面目に仕込んだら絶対にモノになってたと思うんだけどねェ……」


椎名 : 「淳平は不器用だから、仕込んでも伸びしろがなかったと思うよ。俺は」


神崎 : 「ん、そうかもしれないねぇ……」


椎名 : 「もう少し融通が利けばな。歌でも学者でも何でも、一流になれたんだろうが……たった一つ、選んだモノだって大切にしすぎてダメにする。アイツはそんな、不器用な男だよ」


神崎 : 「よりにもよって、一番自分に向かないモンを選んじゃったから、仕方ないさね」


椎名 : 「最もだ……って、あれ、タカシ知ってたっけ。俺の……愚弟の、アレ?」


神崎 : 「まぁ、ねぇ?」


椎名 : 「あらやだ。お前案外、うちの愚弟に信頼されてんだねぇ。アイツ、俺にだって隠そうとするよ?」


神崎 : 「あらやだ。俺、そこまで哲馬さんの弟には信頼されてないさね。俺にだって隠してるよ。そもそも、俺や哲馬さんみたいなの、アイツが好く訳ないじゃないのさ?」


椎名 : 「最もだ! あ、でもだったら何でご存じなのかしらん? おしえて、エロい人〜」


神崎 : 「何の事はないさね。ただ……高校時代、ご奉仕させている所を拝見しただけさね!」



椎名 : 「うわぁ、うちの愚弟が非道いモノをお見せした!」



神崎 : 「いやいや、でも巧妙だったよ、オタクの弟さん……俺がガチで疑い抱いてから尻尾を掴むまで半年もかかったんだからねぇ」


椎名 : 「だろうな……誰に似たんだか、トコトン狡い奴でいかんよ、うん」


神崎 : 「少なくても哲馬さんには似なかったねぇ……良かった事で」


椎名 : 「ん、どういう意味だ?」


神崎 : 「ご想像にお任せするさね。 ……しかし、哲馬さんくらいの融通は利いた方が良かったとは思うねぇ」


椎名 : 「……全くだ」



神崎 : 「……喧嘩してただろ?」


椎名 : 「……あぁ、お前の言う通りだ。ホント、タカシは良くそういうの気付くなぁ、助かるよ」


神崎 : 「修羅場の数は伊達じゃないさね……最近の、アンタの従兄弟がどうにもヘンだから、何かあったんだと思ったんさね」


椎名 : 「悪いね、俺が弟に嫌われているばっかりに」


神崎 : 「嫌われている? 尊敬されてないだけで、嫌われてはいないと思うけどねぇ……少なくても、俺よりは好かれていると思うよ、哲馬さん?」


椎名 : 「そうかね……」


神崎 : 「そうさね、だから淳平はアンタには豚クンだの何だの言うんだよ?」


椎名 : 「ま……多少なりとも好いていてくれるんなら、仲直りを手伝ってやる甲斐もあるってもんだけどな」


神崎 : 「仲直りしてたかい?」


椎名 : 「さぁ? まぁ、悪くはなってないだろ、口下手だが切っ掛けさえあれば話せる位の男だからな」


神崎 : 「ならいいさね、あの二人は一緒にいるべきだよ!」


椎名 : 「……いやにアイツらの肩持つね、お前?」


神崎 : 「淳平も澪も、俺からすれば可愛い弟みたいなもんだからねぇ。弟には幸せになってほしいでしょうに?」


椎名 : 「……そうだな」


神崎 : 「それに、あいつらは……何かほっとけないんさね。お互い大事すぎて、傷つけてしまうなんてぇ……今時珍しいくらい純粋だよ?」


椎名 : 「……俺が受験勉強の最中にキャッキャウフフしてた連中が純粋か、という部分に疑問は残るが」


神崎 : 「あははははは! 哲馬さんが二浪したのは哲馬さんのせいさね!」


椎名 : 「爆笑するなお前っ、殴るぞ!」


神崎 : 「ン、でも……哲馬さんも放っておけないんだろ、危なっかしい弟が?」


椎名 : 「…………淳平は、餓鬼の頃から頭が良すぎた。そのせいかな、餓鬼の頃から友達なんてぇいなかったよ。七つ年上の俺からしても、あいつの 落ち着き方は異常でさ……正直、怖いくらいだったんだ。俺だって怖いくらいのアイツだぜ。同年代の餓鬼が、理解出来る訳ないだろ?」



神崎 : 「…………」


椎名 : 「そんなアイツのたった一つの居場所が、七瀬だった……合理的で、論理的で、理知的で……そうする事で孤独に耐えようとしていたあいつに とって、七瀬澪という男だけが……幻想なんだよ……あいつの居場所になれなかった兄貴だ。せめて、あいつの居場所くらいは守ってやりたいだろう?」


神崎 : 「……なるほどねぇ」


椎名 : 「……だから神崎、お前も……弟の事をな、ヨロシク頼むよ」


神崎 : 「ちょ、頭なんて下げるなんてぇ柄にもねぇ真似しないでくださいよ!」


椎名 : 「淳平は、俺よりお前を信頼している……だから俺はこうして頭下げてんだぜ?」


神崎 : 「……頭上げてくださいって。そんな……」


椎名 : 「だが……」


神崎 : 「わかりました! んじゃま、今度俺とガチで喧嘩してくれるって条件で受けましょう。依頼としてなら……哲馬さんも気負わず俺に、弟さんを預ける事が出来るんじゃないですかねぇ?」


椎名 : 「ほぅ……面白い提案だな。よし、そうしよう」


神崎 : 「うぃ、うぃ〜」


椎名 : 「ま、どうせ勝つのは俺だろうけどな!」


神崎 : 「んー……それ、聞き捨てならないですねぇ、哲馬さん? また太って動き落ちたアンタに何時までも遅れをとったりしませんよ、俺は?」


椎名 : 「おやおや、まだ俺に勝てると思っているのかい、神崎君はお茶目さんだなぁ?」


神崎 : 「……どうやら今、痛い目見ないといけないみたいですねぇ?」


椎名 : 「面白ぇ! その綺麗な顔をぶちのめすチャンスだってんなら、へへ……オッサン頑張っちゃうぜ!」


神崎 : 「地獄ってモンをみせてやるとするさね!」


椎名 : 「その台詞、10秒で後悔させてやるッ!」



 こんな楽しい先輩と実兄に囲まれて、椎名淳平君は生活をしているのです。