突然変異体の血の残し方
いろいろ飼っているうちに孵った個体が明らかに遺伝子が関わっている貴重な?突然変異個体が出てきました。
さてどうしましょう?
そんなときは慌てずここに書いてあることを思い出してください。
まず確認しましょう。
同腹の兄弟には同じような個体がいるかどうか?
いる場合は同腹の兄弟すべてにこの突然変異をおこす遺伝子がいくらかか混ざっているはずです。
この場合は、突然変異が発現していない兄弟同士の交配で同じような突然変異が出てくる可能性があります。
親が突然変異の遺伝子をすでにもっていたものと思われます。
さて、同腹の兄弟にそんなものはかけらも見られない場合、完全に単体での突然変異個体です。
こいつに兄弟を掛け合わせるのはちょっと待ってください。
兄弟同士では弱い固体ができてしまいます。
それでなくても、突然変異体は通常のものより弱いといわれています。
ここは、思い切って別血統を用意しましょう。
変異体がメスであれば、交配をする相手(それぞれ完全な別血統)を10日おきにかえ、それぞれ別の容器で産卵させましょう。
オスであれば、別血統のメス(メス同士も当然別血統)を複数用意し、交配させます。
ここで、次の世代には突然変異体は出ないことに注意してください。
それぞれ分けて飼育し、変異個体の子ども達が成虫になったときにそれぞれ別血統の子ども達を交配させます。
次の世代の子ども達は2×2のインブリードで、なおかつ1/4の確立で突然変異体が出現します。
さらに次の世代で突然変異体同士掛け合わせることで、突然変異遺伝子を固定化することができます。
しかしこれでは濃すぎるインブリードとなるので、この累代を続けるとこの血は絶えてしまうことでしょう。
ですので、固定化する個体と、別の血を半分入れることによって血を残す個体とにわけて二通りの交配を毎世代させることをお勧めします。
遺伝子の修復
変異が遺伝子におこっても修復される確立は、光にも関係してくる。
単細胞生物の場合、遺伝子変異(DNAに傷をつける)をおこさせても光に当ててやればほとんどの個体は光修復酵素によって遺伝子は修復され、光を当てない場合、修復はおこなわれないことが確認されている。
突然変異も代を重ねると偶然、元に戻ることがある。
復帰突然変異と呼ぶが、これが起きるともとの変異はもう取り戻せない。
大事な血は余分に持っておこう。
2004.07.27追加
遺伝学的に考えて個体を大きくするために同一親の子どもの中で一番大きなオスとメスを掛け合わせればよいか?
答えはNO。
遺伝情報が異なる個所が多いほど健康で大きな個体ができる可能性は高くなる。
すなわち血のつながりのない別親、さらに言うなら産地のかけ離れた別親のかけあわせほど大きさは見込める。
その個体がたまたま小さくても。
だたし、個体の大きさは成育環境によるものが非常に大きいことは忘れないでもらいたい。
余りにも違う遺伝子をもつと逆に形質発現が正常でなくなる。
F2インブリードで出来る異血統大型個体を掛け合わせることで10%くらいのさらなる大型化はすぐに出来ると思われる。
2004.07.27追加
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