11月1〜4日 沖縄GTの旅(3) (GTゲーム編) 当日6時半に目覚め,窓を開けてみる。 5階だからというワケではなさそうな風の強さである。(悲) どうやら,予報通り,北風が強いようだ。 朝食をとり,準備を済ませて,7時半に迎えの車に乗った。 港へ行って,外の様子を見てから決めるそうだ。 港に到着して,決定を待つことしばらく・・・ 前田キャプテンが到着! 「出るよ〜!」の言葉に喜びと不安が交錯する。(笑) やれる喜びと波に対する不安・・・キャストできるのだろうか??? 慶良間諸島までは無理だが,本島周りの風裏ならやれるらしい。 タックルや荷物を積み終え,船はゆっくりと港から出て行く。 沖の海面はデコボコになって見える。 かなりのウネリがあるようだ。 徐々にスピードを上げ始めるに従って,波の様子がハッキリと感じられるようになった。 お! おお!! おおお!!! しばらくしてエンジン音が小さくなり,やがて止まった。 「やってよし!」の合図である。 エンジンを切って,ポイントを流しながらキャストするスタイルでゲームを展開するのだ。 ←後部デッキは広くてキャスティングにぴったりの作りだ。 帽子が吹き飛ばされそうなほど,風が強い。 船に弱いと言っていたいちたろうさんが真っ先にバウデッキに立ってキャストを始めた。 中野さんと私は後ろでボチボチと始めるコトにする。 波で揺れるが,広い後部デッキは投げやすい。 なんとかキャストができた。 しばらくして船酔いでいちたろうさんが辛そうなので,交代してバウデッキに立った。 これがまた揺れるのなんの!!(汗) 立っているのがやっとだ。(笑) へっぴり腰のへにゃへにゃキャストになってしまう。 写真でお見せできないのが残念なくらいだ。 風が強く,気温も低い。(←半袖だと寒いくらいなのだが・・・) 大変なコンディションである。 それでも風の中,意地になってやっているウチにだんだんと波に慣れてきた。 波の波長に合わせて,キャスト&ポッピングすれば意外に楽にやれるようになった。 たまに大きめのウネリがあるので,それさえ注意すればなんとかゲームになる。 強いフォローのおかげで,下手クソなキャストでもなんとか飛距離も出る。 船の揺れを利用すると,ポッピングの力が半分でいい。 プラス思考で考えると,なかなかイイ感じになってきた。(←単純なヤツ) 過去2回のベタ凪よりも,よっぽど釣れそうにさえ思えてきた。 楽しい!サイコーに楽しい!! これがやりたくてやってきたのだ。 なんだか嬉しくて,独りでに笑みがこぼれた。 しかし,いっこうにバイトは無かった・・・。 2時間ほど経っただろうか? 半ばキャスト&ポッピングが作業と化してきた。 「確率の問題なんだから,たくさん投げて,たくさん引かねば・・・。」 そう信じて,ただただ投げては巻き,投げては引き,を繰り返していった。 出来るだけ遠くに投げ,波の波長に合わせてポッパー(シーフロッグ)を泳がせる。 ただそのことだけに集中した。 それは,いきなりやってきた。 シーフロッグの周りの泡が消えかかり,次のポッピングの動作に入ろうとしたときだ。 ガボッ!!ザバッ!! 灰褐色の黒っぽい背中と尖った背ビレが見えたかと思うと, ポッパーの上にのしかかり,ひったくっていったのだ!! それはまるで,獲物に襲いかかる獣のようだった。 !!! 「GTじゃ!!」 あまりに唐突な出来事に頭の中がすっ飛んでしまう!! 私のポッパーにGTが食いついたのだ!!! 「出た!!」 前田キャプテンの声が上がり,エンジンにスイッチが入る。 フォローの体制をとるためだ。 9kgに近いドラグからジーッっとラインが引き出される。 ロッドがややのされ気味になる。 「これが,GTのファイトか。強いんだな・・・。」 頭の中は妙に冷静のようだ。 魚が走るのを止めた。 「フッキング!フッキング!!」 後ろから,前田キャプテンの声が響く。 「そうそう!フッキングを!!」 口の中でブツブツつぶやきながら,のされたロッドを起こすようにして2度フッキングを入れる。 「これで刺さったのか???」 なにしろ初めての経験なので,どれくらいでフックアップするのか見当がつかない。 もしかして私はこのままGT釣っちゃうのだろうか??? あまりにも信じがたいコトだ。(笑) 一瞬,膝の上にGTを抱えたお約束の写真を想像してしまった。(←アホ) ふと気がつくと,バットエンドがお腹に刺さっている。 そうだ。 「これからリフトアップに入るのだから,ギンバルに当てとかなきゃ!」 そう思い,ギンバルに目をやった瞬間, 「あっ!!!」 ロッドからテンションが無くなった。 フックアウトである。 やってしまった!! 数少ないチャンスを,千載一遇の出来事をモノにできなかった・・・・・・。 バウデッキにへなへなと崩れ落ちる私。 エンジンの音も消えた。 「バレてもチョンチョン動かして,追い食いさせないと!!」 前田さんの激が飛ぶ。 しかし,・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(虚脱状態) 何が冷静なもんか。 果てしなく舞い上がっていたのである。 ラインテンションのキープさえ忘れて,何がギンバルだ・・・。(恥) 波が高いコンディションを考えれば,常にテンションに気を配るコトが最優先だったのに。 そんな状況判断もできないくらい,私の頭の中は真っ白だったのだ。 情けない。(T_T) バカバカバカ〜!オレのバカ〜〜〜!!! 後になって考えれば,いろんなコトが見えてくる。 気を取り直してキャストを続ける私の頭の中は,反省材料でいっぱいになっていた。 (いつものコトなんだけどね。笑) でも,プラス思考で言えば,やっとGTに興味を持ってもらえたコトが嬉しい。 今までは見向きもされなかった。 そう思うと,少しポッピングに自信がついた。(←単純なヤツ) しばらくして, ジャバッ!! またまたバイトしてきた! が,すぐ軽くなった。 今度はうまく乗らない。 ミスバイトだ。 さっきのアドバイスを思い出し(←冷静?)誘い続けると, 胸ビレを広げ,まるでメッキのように(笑)チェイスしてきた。 「喰え!喰え!!」 そうつぶやきながら,細かく動かす。 ザボッ!と食ってくるが,乗らなかった。 そして,そのまま水の中へ沈んでいった・・・・・・。 残念ながら,2度目のバイトもとることができなかった。 まあこちらは仕方ないとしよう。(笑) その後,チービシと空港前のポイントを繰り返し繰り返し夕方までがんばった。 いちたろうさんに2チェイスあったきりだった。 私はその後は,ノーバイトに終わった。(悲) そうそう幸運は続かないのである。 私はガックリと肩を落とし,港に帰ったコトは言うまでもない。(笑) ホテルに送ってもらう車の中,森山船長(X号艇キャプテン)に今日のコトを報告すると, けちょんけちょんにけなされた。(汗) この時期に1日に4バイトはなかなかの状況だったようだ。 なのに,釣らないとは・・・。 しかし,最後に優しく,こうも言ってくれた。 「みんなそうやって成長するんです。」 その一言で,魂が救われたような気がした。(笑) 明日の波の予報は3m。 どんな釣りができるのだろう・・・。 |